読書日和

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「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Hanabi〜」

2022-03-06 06:51:59 | ウェブ日記


(左からピアノARUHIさん、もも(大西桃香さん)、まぁ(馬嘉伶さん)、れな(長谷川玲奈さん)、ゆり(小坂井祐莉絵さん)、バイオリン小泉奈美さん。写真はネットより。以下同じ)

今回ご紹介するのは朗読劇「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Hanabi〜」です。

-----内容&感想-----
※10年前、17歳の青春を描いた「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Diary〜」の感想記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
スクリーンに穏やかに波が打ち付ける海辺が映り、物語が始まります。
海辺での映像は全て神奈川県の江ノ島で撮影とのことで、音楽の生演奏とともにこだわりを感じます。





「〜Diary〜」と同じように、日記帳に見立てた台本を手にれな(長谷川玲奈さん(声優))、ゆり(小坂井祐莉絵さん(声優))、まぁ(馬嘉伶さん(AKB48))、もも(大西桃香さん(AKB48))の4人が登場します。
その際、れな、ゆり、まぁの3人が私服なのに対して、ももだけが制服姿で登場します。
「〜Diary〜」の冒頭の場面を繰り返すかのように、れなは元気、ゆりはしっかり者、まぁは奥手、ももは食いしん坊という4人それぞれの性格についての語りが、ピアノのとても穏やかで安らぐ音色の中で進んで行きました。

れなが語り、音楽が「〜Diary〜」でも何度も登場したZONEの名曲「secret base 〜君がくれたもの〜」に変わり、れな1人で語っている間はピアノ独奏で序奏を続けていました。
「いつだってもものことばかり考えて、あの日の私たちのまま、私たちの記憶のまんま、この場所から出られずに、記憶の場所から前へ進めずにいる。」
れなの語りは空虚さを抱えた心の雰囲気が表されていて非常に上手いと思いました。
まだ声優になって3年弱ですが「さすが声優」と思い、表現力の高さに驚きました
他の3人も語り始める時に演奏にバイオリンも入り、序奏の後の「君と夏の終わり 将来の夢」から始まる歌唱の部分を演奏しました。
れなが「4人で過ごす時間、それだけが、私たちの青春だった」と言っていたのが印象的でした。
青春を語る場面なのに声はとても寂しそうで、青春に唐突に暗い影が差したのが分かりました。





(れな(長谷川玲奈さん))




(ゆり(小坂井祐莉絵さん))




(まぁ(馬嘉伶さん))


れな、ゆり、まぁの3人で海辺で待ち合わせます。
スクリーンは月に照らされる夜の海になっていてどこか寂しそうでした。
れなが語ります。
「あれから10年。27歳。10年の歳月は長いように感じるけれど、体感は本当に光の速さ。一つ一つ、過ぎ去って行ったことを思い出すと、思い出というものは長いようだけれど、それでも、思ったよりも一瞬にして過ぎる。大人になると、余計に1年、1日、1秒の速さを体感している。」
これは凄く良く分かりました。
子供の頃に比べると大人になってからの時間の流れはどんどん速くなって行き、速さに驚きます。

ゆりは既に結婚して子供がいます。
まぁは花火を持って来ていて、後で時間が出来たらやろうと言います。
久しぶりの再会で思い出話に盛り上がりますが、れなは上の空になっていました。
ゆりが心配するとれなは気丈に振る舞いますが、もものことを思い出しているのは明らかでした。

ゆりはコミカルな立ち回りが目立ちました。
もうすぐ30歳になることを引き合いに出し、まだあと3年あると言うれなに「油断していると一気におばさんになるんだからね」と楽しそうに言っていました。
小坂井祐莉絵さんも声優で長谷川玲奈さんと同じクロコダイルという声優事務所の先輩でもあり、コミカルな立ち回りの声の演技が物凄く上手かったです。
ゆりは10年前のような真面目すぎる面がなくなり、角が取れたように感じました。
元来しっかり者なので、うわの空になっているれなを気遣ってわざと面白おかしいことを言っているように見えました。





(もも(大西桃香さん))

10年前に海辺に埋めたタイムカプセルを掘り起こすことになると、ももが登場して3人は驚きます。
他の3人が私服なのに対して、ももだけが10年前と全く同じ制服姿なので、何が起きたか想像がつくと思います。
ももはタイムカプセルについて「みんなで掘り起こす約束だったじゃーん!」と10年前と同じテンションで言い、影の差していた物語に一気に光が差し込むかのようでした。
れなが「このまま、ここに居てくれる?」と言うとももは微笑んでいて、肯定のようにも見えましたがずっとは居られないと言っているようにも見えました。

4人でどこに埋めたか分からなくなったタイムカプセルを探して行きます。
うわの空だったれなが調子を取り戻し、ももと楽しそうに話し10年前のような雰囲気になっていたのが良かったです。
れなにとってももの存在はとても大きいのだと思いました。

タイムカプセルはなかなか見つからず、ももが「絶対に忘れたくないって思ったことでも、時間が経つと、なくなっちゃうんだよなー。忘れちゃう」と言っていて、そのとおりだなと思いました。
ピアノとバイオリンの演奏が再び「secret base 〜君がくれたもの〜」に変わります。
ゆりが「あの日を越えても、私たちは、ちゃんとももと一緒なんだから」と言っていて、心の中にはずっと居るのだと思います。





(左かられな(長谷川玲奈さん)、ゆり(小坂井祐莉絵さん)、まぁ(馬嘉伶さん)、もも(大西桃香さん))

3人それぞれが10年前を振り返り、ももへの思いを語ります。
まぁとゆりの語りの時は、演奏が「〜Diary〜」にも登場したバイオリンがピッチカート(指で弦をポロンポロンと弾く演奏)になっての泡がフワフワ浮かんでいるような音色だったのが、れなの語りの時は暗く悲しそうなものに変わります。
れなは激情を吐露し、10年前に起きたことにやり切れない思いを抱えていました。
長い時間吐露していましたが、ももが時折「うん」と言って受け止めてあげていたのが良かったです。
その「うん」はそっと受け止めるように聞こえることもあれば、背中を押してあげているように聞こえることもありました。
「〜Diary〜」から朗読劇を見てきて漠然と大西桃香さんの演技を「上手い」と感じていましたが、この時は特に上手さを感じました。

調べてみると大西桃香さんの肩書はAKB48で活動する「アイドル」で、女優ではないですが、その演技力の高さにははっきりと「女優」を感じました。
アリゲーターという事務所(声優事務所クロコダイルの姉妹事務所)の方針で女優業にも力を入れているとのことで、本作で興味を持ったのでまたどこかで演技を見てみたいです





(れな(長谷川玲奈さん)を励ますゆり(小坂井祐莉絵さん))

まぁがタイムカプセルを埋めた場所はここかもと思い出しますが、れなは掘り起こすことに反対します。
もしタイムカプセルが出てきたら、目的を果たしたももがいなくなってしまうのではと恐れていました。
しかしゆりは現実を見ていました。
悲しみを抑えながら絞り出すような声で、タイムカプセルを掘り起こさないでももにずっと居てもらおうとしても、それは意味のないことだと言っていました。
その時の声の演技がかなり上手く、さすが長谷川玲奈さんの事務所の先輩と思いました。
私はれなとゆり、どちらの思いもよく分かりました。

ももが「みんなには自分のことを考えててほしいの。まずは自分のこと。私のことはその後でも良いから、自分のことを考えて、それから私のことが頭の中に浮かんだら、それは、そのほうが嬉しいなって私は思う」と言います。
良い言葉だなと思い、ももの器の大きさを感じました。





(小泉奈美さんバイオリン演奏中。)

物語の終盤、ゆったりとした演奏が続いていた音楽がピアノによる「secret base 〜君がくれたもの〜」の序奏に変わります。
その音色が光の粒が弾けるような雰囲気で素晴らしく良かったです
まぁが「せっかくだから、あれ歌わない?あの頃、ももがお勧めしてくれた曲。結局4人で一度も歌えなかったじゃん」と言います。
4人で話しているうちにバイオリンの演奏も始まり、「secret base 〜君がくれたもの〜」の歌唱に突入します。
途中の歌詞省略が全くないガチのフルコーラスでした。
「〜Diary〜」から何度も登場し、本作にとって重要な曲になっている「secret base 〜君がくれたもの〜」を、最後の最後にフルコーラスで披露する構成が良いなと思い、脚本村田こけしさんのセンスの良さを感じました。
10年越しの思いを感じ、4人揃って歌うことが出来て良かったです





(「secret base 〜君がくれたもの〜」フルコーラス時。)




(スクリーンには10年前の青春の写真が次々と映されて行きました。)




(ツイッターで公開されている「secret base 〜君がくれたもの〜」歌唱の一部。)

皆さん歌が上手く、注目していた長谷川玲奈さんは終始「主旋律」で歌っていて素晴らしく上手いと思いました。
4人それぞれ歌声に特徴がありました。
長谷川玲奈さんはキュートな響き、小坂井祐莉絵さんは癒しの響き、馬嘉伶(ま ちゃりん)さんは高貴な響き、大西桃香さんは凛とした響きという印象を持ちました。
馬嘉伶さんは台湾出身の方で、日本語での歌唱は不利な条件ですが、声質には神聖さがあって良いなと思いました。
いずれこの4人でアイドルと声優によるコンサートを開催しても面白いのではと思います。





長谷川玲奈さんは164cmの高い身長でスラリとしておられ、雰囲気も凛としていて非常にステージ映えする人で、声の演技力も歌唱力も高く、本業は声優ですがぜひコンサートや舞台などにもどんどん出演してほしいと思いました
素晴らしい表現力をお持ちだと思います




「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Hanabi〜」、素晴らしい作品でした。
「10年の月日」が大きなテーマになっていて、れなは「10年の歳月は長いように感じるけれど、体感は本当に光の速さ」と語り、本作における重要な楽曲「secret base 〜君がくれたもの〜」には「10年後の8月 また出会えるのを信じて」という歌詞が登場します。
10年前に起きたことで心に空虚さを持つようになったれなが、10年を経たこの日の奇跡で凍っていた心が融けて未来を見据えることが出来たのが良かったです。
次に3人で集まる時、またその次に集まる時と、未来に向かって新たな日々をしっかり歩んでいってほしいです



-----参考 フルコーラス割り振り-----
れなのアカペラソロ「君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない 10年後の8月 また出会えるのを信じて 最高の思い出を」  泣きながら歌っていました。

ピアノとヴァイオリンも入り、スクリーンに10年前4人で海辺で楽しく過ごしていた時の映像が出ます。

ゆり「出会いはふっとした瞬間 帰り道の交差点で 声をかけてくれたね 「一緒に帰ろう」」
まぁ「僕は照れくさそうに カバンで顔を隠しながら ほんとはとてもとても 嬉しかったよ」
れな、ゆり「ああ 花火が夜空 綺麗に咲いて」
ゆり「ちょっと切なく」
れな、ゆり「ああ 風が時間とともに流れる」
もも「嬉しくって 楽しくって 冒険も色々したね 2人の秘密の基地の中」
全員「君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない 10年後の8月 また出会えるのを信じて」
全員「君が最後まで 心から「ありがとう」 叫んでたこと 知ってたよ 涙をこらえて 笑顔でさようなら 切ないよね」
全員「最高の思い出を」

れな、ゆり「ああ 夏休みも あと少しで」
れな「終わっちゃうから」
れな、ゆり「ああ 太陽と月 仲良くして」
まぁ「悲しくって 寂しくって 喧嘩も色々したね 2人の秘密の基地の中」
全員「君が最後まで 心から「ありがとう」 叫んでたこと 知ってたよ 涙をこらえて 笑顔でさようなら 切ないよね 最高の思い出を」

れな「突然の転校で どうしようもなく」  「伸び」と「浮遊感」が凄く良く、上手さにハッとさせられた箇所です。
れな「手紙書くよ」  ここから1人ずつ歌のリレーでももへと繋ぎます。
ゆり「電話もするよ」
まぁ「忘れないでね」
もも「僕のことを」  「僕のことを」をももに持ってくる構成が良いと思います。
もも「いつまでも 2人の基地の中」
全員「君と夏の終わり ずっと話して 夕日を見てから星を眺め 君のほほを流れた涙はずっと忘れない」
れな、ゆり、まぁ「君が最後まで 大きく手を振ってくれたこと きっと忘れない だからこうして夢の中でずっと永遠に」  3人のももへの思い。だからももは歌っていないのだと思います。
もも「君と夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない 10年後の8月 また出会えるのを信じて」  10年を経た今日この日に向けての、ももの思い。
れな「君が最後まで 心から「ありがとう」 叫んでたこと 知ってたよ 涙をこらえて 笑顔でさようなら 切ないよね」  特にももと仲良しのれなからの、ももへの思い。直前のももの歌詞と掛け合いになっています。
全員「最高の思い出を」
もも「最高の思い出を」
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-----長谷川玲奈さん登場作品の記事-----
「長谷川玲奈 1st写真集 一瞬の光」
「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Diary〜」


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