(左からピアノARUHIさん、もも(大西桃香さん)、まぁ(馬嘉伶さん)、れな(長谷川玲奈さん)、ゆり(小坂井祐莉絵さん)、バイオリン小泉奈美さん。写真はネットより。以下同じ)
今回ご紹介するのは朗読劇「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Diary〜」です。
-----内容&感想-----
「朗読劇」を見るのは初めてでした。
新鋭の声優、長谷川玲奈さんの出演をきっかけにこの朗読劇に興味を持ちました。
長谷川玲奈さんは元はアイドルをしておられ、2019年6月からクロコダイルという声優事務所に移籍し、声優としての活動を始めました。
現在20歳で今年の3月15日に21歳になるという若い人で、コンサートで歌唱をしたり舞台や朗読劇にも出演していて、そういった時にどんな表現をされるのかかねてより見てみたいと思っていて、今回ついに見ることが出来ました
朗読劇は2月19日と2月20日の2日間、東京都新宿区の新宿アルタKey Studioで上演されました。
配信のアーカイブが2月27日の夜まで見られるので、私は配信チケットを購入してアーカイブを見てみました。
物語はれな(長谷川玲奈さん(声優))、ゆり(小坂井祐莉絵さん(声優))、もも(大西桃香さん(AKB48))、まぁ(馬嘉伶さん(AKB48))の高校2年生4人組によって進んで行きます。
時期は夏休みの少し前で、会話には中学生や高校生ならではの明るさ、にぎやかさがとても良く出ていました
ピアノ(ARUHIさん)とバイオリン(小泉奈美さん)による音楽の生演奏も印象的でした。
ピアノが一番最初に演奏を始める時に手を挙げて何かの合図をしていて、生演奏なので「タイミング」の取り方は特に重要と思われ、大変だったのではと思います。
バイオリンの演奏がピッチカート(指で弦をポロンポロンと弾く演奏)に変わった場面もありました。
泡がフワフワと浮かんでいるような音色で、青春の楽しさ、儚さが表現されているようで良いなと思いました。
中学校から親友なのがれなとももで、同じ高校に進学して1年までは同じクラスで2年のクラス替えで離れ離れになり、それぞれに仲良くなったのがゆりとまぁとのことでした。
れなはゆりと、ももはまぁと仲良くなり、高校2年の春からは4人で過ごす時間が多くなりました。
れなは元気、ゆりはしっかり者、まぁは奥手、ももは食いしん坊という特徴があります。
まぁがももに初めて話しかけられた時、最初はテンションが低く大人しそうに見えたのが、慣れてくると明るくなっていったのが相手に心を許したのが分かって良かったです。
4人が将来のことを話す場面になると演奏の音色が変わりました。
ピアノ中心のとても明るく希望を感じる音色になっていて、生演奏が作品世界を強力に形作っているなと思いました。
ももが「みんなに聞きたいことがあったんだけど」と言ってスマホを取り出す場面がとても印象的でした。
その少し前から音楽はピアノ独奏でZONEの名曲「secret base 〜君がくれたもの〜」の序奏をゆったりと続けていて、スマホでその曲を再生する瞬間、バイオリンが演奏に入って「君と夏の終わり 将来の夢」の歌い出しの部分を演奏しました。
夏の終わりに将来のことを話している4人の場面にピッタリ合っていて胸が高鳴りました
ももは「最近の曲だと思ったらもう10年も前の曲みたいで」と言っていて、ZONEの「secret base 〜君がくれたもの〜」が発売されたのは2001年なので、4人が話しているのは2011年だと分かりました。
そこからしばらく「secret base 〜君がくれたもの〜」が演奏される中で、もうすぐ夏休みになることやあっという間に3年生になり進路が決まってくることなどを話していて、作品を象徴しているかのような非常に印象的な場面でした。
4人のテンションが高く楽しそうなのにバイオリン中心の音楽には胸が締め付けられるような響きがあり、二度とは来ない青春の一瞬のきらめきのように感じました。
ゆりが「正直なことを言うと、私はれなと2人のほうがちょっとだけ居心地が良かった。4人で居るのも楽しいけど、玲奈の目線や思考の先にはいつもももが居て、そういう相手が私にはいないから羨ましかった」と胸中を語っていて、それも青春だなと思いました。
多かれ少なかれ似たような経験のある人は居るのではと思います。
また「secret base 〜君がくれたもの〜」の演奏は何度も登場していて、明らかに本作にとって重要な曲なのが分かりました。
れなが「タイムカプセルを埋めよう」と言い、10年後に取り出すことになります。
これは「secret base 〜君がくれたもの〜」の歌詞「10年後の8月 また出会えると信じて」をモデルにしているのではと思いました。
また2001年のZONEの楽曲に加え、2011年に放送された有名テレビアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のエンディングテーマになり、さらにZONEが10年後の8月(2011年8月)に再結成され話題になったこともあり、曲調や歌詞を知っている人も多いのではと思います。
ももは「4人で初めての思い出作りだよ」と言い、れなは「今しか出来ないし、今やるから楽しい」と言います。
それぞれが自分が埋めたいものと、みんな宛ての手紙を持ってきて、翌日に海辺に埋めることになります。
れなは最近皆のことを日記に書いていてそれを埋めることにします。
翌日に向けて海辺から帰る時に「secret base 〜君がくれたもの〜」を歌う場面になり、それまでも何度かフレーズを歌っていましたがこの時が一番長く歌い、とても楽しそうで良い場面でした。
注目していた長谷川玲奈さんは朗読の際の情感の込め方の上手さとともに、声優としての確かな実力を感じる場面がありました。
ももがれなの埋める日記について「きっと恥ずかしいことが書いてあるんだろうな。私たちへの、愛のメッセージとか?」と言うと、れなが「愛、じゃないかも知れないよ?憎しみ、憎悪だらけかも知れないじゃん」と言います。
「憎しみ…」と語り出す時に一気に声に凄みが出て、直前までの元気で明るい声色からの変化が凄く印象的でした。
ももが「えっそうなの!?」と言うとれなが今度は10年後を意識したような大人びた声色で「ああ、それも、10年後のお楽しみだね」と言い、次々と声色を変えていて表現力が素晴らしいと思いました
また事務所の先輩でもある小坂井祐莉絵さんも声への情感の込め方がかなり上手く、ゆりがしっかり者のキャラクターなこともあり朗読劇をしっかりと支える存在になっていた気がします。
れな一人で朗読する場面になり、
「私は、いや、私たちは、たぶんあの日のことを忘れない。忘れないし、あの時起きた出来事を、忘れることは出来ない」と意味深なことを言います。
最後に重大なことが起きて17歳の女子高生時代を描いた ~Diary~ が終わりました。
(海辺に立つもも(大西桃香さん)。爽やかで若々しいとともに、消えてしまいそうな儚さも感じるのが青春のきらめきだなと思います。)
「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Diary〜」、楽しく見させて頂きました。
17歳の物語が終わるとともに、この朗読劇には10年後の27歳を描いた「~Hanabi~」もあります。
タイトルに「もう一度、あの日の彼女に会えたなら」とあるように、それが叶わない願いになっているのが分かります。
「~Hanabi~」で大人になった27歳の皆さんがどんな物語を見せてくれるのか楽しみにしています
-----長谷川玲奈さん登場作品の記事-----
「長谷川玲奈 1st写真集 一瞬の光」
「海辺の街でもう一度、あの日の彼女に会えたなら 〜Hanabi〜」
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