教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

広島市安佐北区の三入小学校における防災・災害教育の実践

2017年12月24日 11時11分25秒 | 教育研究メモ
 果てしなく忙しい毎日を毎日過ごしておりますが、久しぶりの更新です。ちょっとしたネタがいくつかあるので、簡単な記事を書こうかなと思いまして戻って参りました。まずは一つ目。

 毎日新聞の記事に興味深い記事が出ていました。
 「自主防災 児童がゲームで「避難所運営」 広島・三入小」(2017.12.20)

 三入小学校というのは、広島市安佐北区の小学校でして、私の勤務校のまあまあ近くにある学校です。2014年、広島市の安佐北区・安佐南区は大雨による土砂災害で大変な目にあいまして、あれ以来よく避難勧告などが出るようになりました。この学校のある三入地区も同様です。今後の広島市には、防災・災害教育がとても大事になっています。
 そんな中、三入小では6年生の子ども達がHUG(避難場運営ゲーム)を通して学ぶ実践が行われました。災害について、災害が起こったときだけでなく避難生活を含めて考え、さらに避難する立場から避難を受け入れる立場に転換して考えることのできる、とても意義のある実践だと思います。三入小ではそのほかにも防災・災害教育が行われていたらしく、5年生は紙芝居を作成して発表する実践を行っています(「広島土砂災害
紙芝居で描く 災害に学ぶ、命の尊さ 安佐北区・三入小児童が披露 「被災者の思い伝わった」 /広島
」2017.11.22)。これらの実践は、三入地区自主防災会の会長さんの協力を得ているようです。たぶん、どちらも総合的な学習の時間の実践かなと思います。
 これからは、災害を多面的・多角的に考え、自分たちのこととして考える実践が大事です。地域で実際に起こった身近な災害を教材にすることで、子ども達が自分たちの事として思考する機会をつくることができます。「地域に開かれた教育課程」や主体的・対話的で深い学び、将来の地域を担う人材育成、学校・地域の連携協働を実現する上でも貴重な実践になるでしょう。
 創造的な実践は時間が経つとやられなくなったりしますが、同校の教員集団で検討・継承しながら進化しながら続いてほしいなぁ、そして近隣地域の学校にも広がらないかなぁ、と思っています。三入小の防災・災害教育の実践は、地域の宝にして大事に育てるべきですね。地域が、学校を、教員集団を育てることにつながればいいなあ。
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