■Super J-Hits Radio
2009年8月16日(日) FM802 19:00-21:55
DJ:加藤美樹
GUEST:山下達郎(21時)
http://funky802.com/sjr/index.php
Playlist
僕らの夏の夢/山下達郎 08月19日発売ニューシングル
ミューズ/山下達郎 08月19日発売ニューシングル
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■内容の一部を抜粋
・超音波検査
全国ライヴツアーがはじまる昨年の11月に内臓の超音波検査をして、ツアーが終わってからまた検査に行ったら、肝臓の脂肪がなくなっていたとか。体脂肪率が5%下がったそうだ。超音波の技師が驚いて「どうしたんですか?」と訊いたという。
・フェスティバルホール
大阪には昨年のフェスティバルホール最後の夜以来。フェスティバルホールの取り壊しについては反対を表明していたので、関係者からいろいろ事情を聞いたという。ホールを残してビルだけ取り壊すのは技術的には可能なんだけれど、それをやるためにはビルの四方の道路を一年間ロックアウトしなければならず、道路閉鎖の行政の許可が下りなかったのだそうだ。また新しく建て替えられて2013年にフェスティバルホールはオープンする予定だが、かつてのように音響設備が素晴らしいホールになる保証はない。「また大阪でライヴがたっぷりと観れるのを楽しみにしてます」というかとみきちゃんに、「お客さんは変わりませんから大丈夫でしょう」とタツローさん。
・夏フェス
今年の夏、屋外音楽ライヴに出演する予定があったらしい。バンドのメンバー・チェンジがあってはじめてのライヴ・ツアーを終え、長期的にライヴを行うシフトが整ったので、もう少しレパートリーを増やしてからにしようと思い、しばらくリハーサルをしてから出演を考えてみることにしたという。今回のライヴ・ツアーのため練習した曲が30曲あまり。7月から一月に三日、バンドのメンバーと練習してレパートリーを増やしているそうだ。だいたい一月で7,8曲増える計算。ちなみに7月は『SPACY』や『IT'S A POPPIN' TIME』の曲を中心に練習して、8月は『POCKET MUSIC』の「WAR SONG」を練習する予定だとか。
最近のライヴはシングル・ヒットをずらりと並べるセットリストだが、それは1曲15分の曲を練習してないからで、そういう長い曲をこれから練習してレパートリーを増やしたら、昔やってたようにライヴハウスに出て1時間に4曲とかそういうライヴもできるようになる。ホール・ツアーとライヴハウスが両方できるのが理想で、そうすると夏フェスでまた違うアプローチができるようになる。夏フェスでシングル・ヒットをずらりと並べてもおもしろくないから、真夏の夜に永遠とサックス・ソロが続くようなジャム・セッションができたらと考えているそうだ。
・僕らの夏の夢
ニュー・シングル「僕らの夏の夢 / ミューズ」は8月19日発売。8月1日公開の劇場版アニメ作品『サマーウォーズ』(細田守監督)のエンディング・テーマ。エンドロールの絵と曲がまるでPVのようにマッチしているとタツローさん。映画の主人公がひとりっ子で、ひとりっ子のセンチメンタリズムとかロマンシチズムが映画の中に溢れててタツローさん自身もひとりっ子なのですごく共感したらしい。
かとみきちゃんは曲の中の「手と手を重ねて」という部分と映画のとある台詞にぎゅっと掴まれたらしい。映画の中に手と手のシーンが何ヶ所かありそれぞれに重要なポイントになっているとタツローさん。「あんまり言うとネタばれになるけど最後にまた手と手が出てきたりするから。隠し味というかね」。
・小笠原拓海
「僕らの夏の夢」のレコーディング・セッションにはバンドから伊藤広規と小笠原拓海が参加している。1984年生まれの小笠原拓海はこの曲がレコーディング・デビュー作品となるらしい。今回のライヴ・ツアーに初参加した小笠原拓海は感想を訊かれて「相当プレッシャーがかかりました」と話しているとか。ツアーではおじさんたちが飲んだくれてるのを呆れてみていたらしい。音楽談義になるとバンドのメンバーはそれぞれ自分の趣味を彼に押し付けたそうだ(笑)。
・iPod
タツローさんのiPodには落語が入ってるとか。200何十枚入れてるそうだ。「落語を聞くメディアとしてiPodは最高でしょう」とタツローさん。
・落語
かとみきちゃんがとあるギタリストに聞いた話。10年くらい前にタツローさんとツアーをして、地方で店が閉まって飲む場所がないのでホテルのタツローさんの部屋に集まって飲んだとき、べッドサイドにCDが積んであって、「これ何のCDですか」と訊いたら全部落語のCDだったという。「落語は安眠できるんですよ」とタツローさん。一人だけと言うなら古今亭志ん生で、古今亭志ん生は言霊がありいい声をしているので安眠できるとか。
・音楽
新譜に限ってはiPodで聴くことが多いそうだ。ツアーのあいだに買ったシングルがあって全然聴けてないという。「3メートルくらいシングル盤が。それを聴くのにやっぱり1週間くらいかけないと駄目なんだけど、飲み会、飯会が続いてね(笑)」とタツローさん。新譜ばかり聴いてるのではなく最近は'60年代'70年代の音楽のほうがたくさん聴くという。ドゥーワップとサザンソウル、クルマの中はサザンソウル・オンリー。スペンサー・ウィギンス、ジェームス・カーとかそんなのばかり。日本のものではMO'SOME TONEBENDER、浅井健一、BIRTHDAYが好きなんだとか。イースタンユースのライヴはよく聴きに行ったそうだ。
・ミューズ
昨年12月に全国ライヴ・ツアーをはじめた頃、ちょうど不況の波がどっと押し寄せてきた時期だった。タツローさんのライヴを観にくるのは四十代がメインなので、四十代の男性は中間管理だから、ステージをやっていて不況の切迫感をものすごく感じたのだという。ライヴでは「アトムの子」で「我々の未来のために。我々の子どもたちの未来のために」というナレーションにはじまって、いちばん最後に「なんとも大変な時代になり、今日来てくださったみなさまの中にもいろいろとご事情がある方もいらっしゃるかもしれない。ピンチはチャンスと申します。お互いに未来に向ってがんばっていきましょう。僕もがんばります」と言って終わったのは、そういう空気だったからだとタツローさん。3時間のライヴで憂さを晴らして、ひとときの安息を得る、彼らの目にそれが浮かんでいたのだと。だから「総力報道! THE NEWS」のテーマ曲の依頼があったとき、そういう内容の曲にしようと作ったのだとか。「アトムの子」がカップリングになったのも何かの因縁だとタツローさん。「ミューズ」は最初、ギターの弾き語りにするつもりで作ったのが、シングルで出すことが決まり、スタッフからギター1本では駄目だと言われたのだそうだ。アルバムではひょっとしたらギター1本でやるかもしれないとか。