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大林宣彦監督「さびしんぼう」のこと

大林宣彦監督が亡くなった。

私は若いころ、大林監督の「さびしんぼう」を見た時の感動を思い出す。

一番好きなシーンは、主人公の男の子(尾美としのり)が、商店街でふとしたきっかけで起きた大騒ぎの中、初恋の女子学生(富田靖子)がそこを自転車で通り過ぎるのに気付くシーンだ。

周囲の喧騒が突如消えて、突如清絶なきらめきのような姿が視界を横切る。

その場面展開の見事さ。その後に流れるショパンの「別れの曲」の切なさ。

恋する少年の心を通してしか見ることの出来ない、その一瞬の輝きを、大林監督は見事に描いて見せた。凄い監督だと思ったのである。

そのシーンを思い出して下手なイラストを描いた。似顔絵ではないので富田さんとは違うかもしれないが、大林監督のご冥福を祈りつつ捧げたいと思う。

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