Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

ハレの日、大邱【2】25分の結婚式

2015年07月19日 | ■韓国
 釜山・南浦で迎えた朝。ホテルを出て、前夜の喧騒がうそのような飲み屋街を抜け、駅へと向かいました。


 相方は韓国の汽車旅初体験ということで、大邱までの往復は往路を在来線、復路をKTX(韓国高速鉄道)と使い分けてみました。
 往路は急行格の「ムグンファ」を利用。日本では風前の灯火となりつつある、機関車牽引の客車列車です。近年、韓国でも電車列車が増えつつあり、近いうちに懐かしむ時代が来そうな気がします。


 KTXは釜山を出るとほどなくトンネルに突入してしまいますが、在来線は雑然とした街並みから郊外、洛東江(ナットンガン)の河原へと移り変わる車窓を楽しめます。
 洛東江沿いのサイクリングロードには、すっかりスポーツとして市民権を得たサイクリングを楽しむ人が、ずらり連なっていました。


 急速に数を減らしつつある、特急格「セマウル」の客車列車。電車の「itxセマウル」に押され用済みとなり、休車状態の車両が留置されている姿を、あちこちの駅で見ました。
 itxセマウルにはまだ乗ったことがなく興味はあるのですが、いずれ嫌でも乗る機会は増えそうなので、あえて今は避けています。


 大邱市内の中心駅、大邱で下車。KTXの列車は東大邱にしか止まらず、便利な大邱駅を使えるのは在来線列車の強みです。
 タクシーを飛ばし、電子関連の工場が並ぶ工業団地の中心にある「電子館」へ。


 吹き抜けのある立派なビルの中には、小規模な専門店がずらり入居。最新の韓国家電も興味深く、ついつい見入ってしまいます。
 それはいいとして、ここに結婚式場といわれても、いまいちピンとこない感じですが…


 エレベーターで5階まで上がると、立派なウエディングホールになっていました。
 周辺の電気工場は日曜休業なので駐車場に余裕があり、日曜中心のウエディングホールを併設するのは合理的なのかも。


 韓国の結婚式なんて、派手にやりそうだな!というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実は日本よりずっとあっさりしています。今回の挙式も、なんと25分!韓国では、ごく一般的な時間設定です。
 それでも、恩師からの言葉にシャンパンタワー、記念撮影、ブーケトスと続く、メモリアルな式であることに間違いありません。おめでとうございます!


 その後は、受付の時に渡された「食券」を手に…


 ワンフロア下の食堂で、自由にご飯を食べてお開きです。同じ時間帯に複数の式があった時なんかは、違う式の出席者と入り乱れることもあります^^;;
 ビールや焼酎は冷蔵庫から自由に取って飲むことができ、韓国での「飲み放題」ってこの時くらいなもの。さぞかし暴飲暴食するんだろうと思いきや、あまり派手に飲み食いしないのも、なぜだかセオリーです。僕らも新郎新婦にあいさつして、ほどほどでおいとましました。




 大邱では4月に韓国初のモノレールが開業したばかりなので、ついでに乗りに行くことに。タクシーに乗り込み、
 「一番近い3号線の駅まで」
 「最終目的地はどちら?」
 「いやあ、3号線に乗ってみたいだけなんですが…」
 「分かりました」
 鉄道趣味が一般的ではなかった韓国で、こんな会話が成立するとは。話題を集めた新路線だったのかもしれません。10分ほど走り、万坪(マンピョン)駅に着きました。


 韓国初のモノレールとなった3号線は、日本の日立製。日本人にとっては違和感のない走りで、北九州モノレールにでも乗っている気分になります。
 日曜の昼下がりということを差し引いても乗客は多く、沿線では待望の新路線だったようです。


 地下鉄1号線との接続駅、明徳駅で下車。乗り換え客でごった返しました。


 ホームから北側を望むと、大邱タワーの下を行き交うモノレールが見えました。開業3ヶ月とあって物珍しさはあるようで、道路からは手を振る人の姿も。
 鉄道は迷惑施設という考え方が日本より強い韓国では、やたらと地下鉄が多いという傾向にありました。しかし近年では高架を走る「軽電鉄」が増えてきており、モノレールも受け入れられるようになってきたのかもしれません。


 地下鉄1号線に乗り、中心街の中央路で下車しました。大邱いちばんの繁華街の最寄駅でもあるここは、2003年の地下鉄放火事件で、192名もの犠牲者を出した悲劇の現場でもあります。
 あれ以来、防炎マスクは韓国の地下鉄ホームに備えられるようになりました。ただ見る限り慰霊碑などが見当たらず、風化していないか心配にもなります。もっとも韓国では重大事件の現場に碑を立てても、あまり管理されないとニュースで問題提起されていました。


 地上に出ると、短い休日を楽しむ人で歩行者天国はごった返していました。地方とはいえ、さすがは韓国第3の都市。
 僕らも、雑貨屋や服屋をひやかし、異国の休日を楽しみました。


 帰路はKTXで、釜山へひとっとび。駅の裏手に出ると、海岸に斬新な建物ができていました。後で調べてみるとこれ、釜山港の国際ターミナルだとか。7月完成の予定が遅れているようですが、完成の暁には便利になりそうです。
 重い荷物を手に地下鉄に乗って、駅から10分のフェリーターミナルまで歩きましたが、これも最後になるのかもしれません。

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