Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

西パスの旅[1-6]富山地鉄市内線■完成間近の環状線を歩く

2009年10月10日 |  □鉄道ジャーニーBlog編
 さて富山駅南口には、北陸本線という「天の川」をはさんで、いつか出会えることを待つ路面電車の「もう一つの片割れ」、富山地方鉄道(地元では、地鉄と略す)の市内電車がある。今度はこちらに乗ってみよう。

 地鉄には数両の新型電車が走っているものも、ほとんどの車両はいわゆる「チンチン電車」のイメージである、旧態然とした電車が活躍。軌道も古びているし、寒い土地なのに電停には風除けはおろか、屋根すらない。
 「駅の北と南で、こんなにも違うものなんですね」
 と、K君も驚いた様子だ。

 しかし地鉄市内線でも、富山駅から西町、南富山駅方面は日中5分間隔で走り、15分間隔のライトレールと比べれば極めて便利な移動手段だ。富山大学方面は10分間隔になるものの、覚えやすい便利なダイヤ。空いている電車が多いにも関わらず、高頻度運転を維持する姿勢も立派だ。

 そしてUの字型に結ぶ路線をショートカットするように結ぶ「環状線」の工事が、今年12月の開業を目指して進められている。当面は駅前から環状運転を行い、新幹線開業と共にJR富山駅が高架化された後は、ポートラムとの相互乗り入れを視野に入れている、息の長いプロジェクトの第2弾である。開業後に訪れてみたかった気もするが、路面電車の新線建設工事という、滅多に見られない現場も興味深い。さっそく、富山一の繁華街・西町方面から歩みを進めてみよう。

 西町付近の線路では、ようやく分岐部の工事に取り掛かったところだった。舗装をはがし、舗装の下に眠っていた枕木も掘り返しての作業のようだ。

 右折し平和通りに入れば、軌道の建設作業が急ピッチで進められているところだった。路盤はほぼ完成しているが、線路の敷設や電気関係はまだまだこれからの模様。電停も姿を現してはおらず、12月下旬の開業に間に合うのか? と思わなくもないが、路面電車の工事は一般鉄道と比べて早いのかもしれない。

 大きなデパートが立つ目の前の幹線道路を路面電車が横切る様子は、他都市の路面電車に通じるところがある。線路敷の部分は、既設の道路から一段上がっており、今のところ横断歩道を渡るにも、ヨイショと段を越えなければならない。完成後には道路をかさ上げするのだろうか? 興味深い。

 さらに右折し、富山駅方向にやや戻る感じで大手モールへ。こちらはゆったりとした道幅の割に交通量が少なく、石畳の舗装と相まってトランジットモールのような雰囲気になりそう(実際はマイカーも通るのだが)。背景にはライトアップされた富山城もそびえ、名撮影地となりそうである。

 今度は左折して、お堀端を走ることに。夜景もおしゃれな国際会議場の前を走る電車も、これまた絵になりそうである。そのまま直進すれば、再び市電と出会い、富山駅方向の線路につながるという按配。実際には環状線は単線運転となり、歩いてきたルートとは逆周りに電車が走る予定とのことだ。

 このように歩けるほどの距離とはいえ、中心市街地の主要施設を効率よく巡るルートになっており、よくできた計画だと思う。環状線計画は地元では賛否両論のようで、実際に中心市街地活性化やコンパクトシティ作りに貢献できるのか、フタを空けてみないことには分からない。予想以上の成功を収めているポートラムと同様、全国から注目され後に続くようなモデルケースになってほしいと願いつつ、地鉄市内線に乗り富山駅へと戻った。

つづく
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