特急「きりしま」に2駅だけ乗り、霧島神宮駅へ。この先宮崎へ向かおうにも、1時間列車がない。せかせかと霧島神宮まで足を伸ばすより、駅前の茶店でぜんざいでも食べて、足湯に浸かってのんびり列車を待つのもいいかなと思っていたが、メンバーの一人が、
「ぜひ神宮、行きましょう」
というので、そうかとタクシーを飛ばして神宮参拝へ出発した。後から知ったが彼、寺社仏閣が大好きなのだそうだ。片道2千円ほどかかったが、割り勘にすれば大した額にならないのは、グループ旅のメリット。しかもタクシー、メーターを倒さず待っていてくれるというので有難かったが、
「駅でいつ来るか分からないお客さんを待っているより、ずっといい稼ぎになる」
とのことだ。高速1000円の打撃を受けているのは、駅からのフィーダー交通も同様らしい。
大枚を叩いてたどり着いた霧島神宮は、なるほど昔日から称えられてきただけあり、境内の燐としたたずまいが良かった。展望台からは、錦江湾越しに桜島の雄姿も。噴煙を上げる様子が手に取るように分かり、活発な活動が続いているようだ。
充実した1時間の途中下車でリフレッシュして、再び「きりしま」の人に。古豪485系の活躍が続く都市間特急だが、来春の九州新幹線全通で、リレーつばめを追われた787系が転属してくることが内定している。ファンとしては、幼い頃から親しんだ485系の撤退も寂しい気がするが、「このドアは自動ではありません。手で開けてください」と書かれたデッキのドアが、九州北部との格差を物語っているのも事実。体質改善に期待したい。
車内販売がなく、飲み物食べ物を手に入れられないのは、グループ旅行には辛いところ。車販廃止と前後して、洗面所に無理矢理自販機が押し込められて設置されたが、やはり人手を介したサービスがないのは寂しい。車両改善とともに、車販復活もなされればと思う。
夕方6時半、ようやく宮崎到着。日豊本線の高架沿いにある、「列車の見えるホテル」に入った。視線の高さに「きりしま」や「サンシャイン」が行きかい、僕にとってはいい意味で落ち着かない部屋だ。メンバーの強い要望を受け、今回は和室を選んでいる。風呂に入って、布団を敷けば、気分は修学旅行。
ちなみにもう一つの要望だった「温泉」も、宮崎ならば大淀川沿いに「たまゆら温泉」があるのだが、こちらは手ごろな部屋を押さえることができなかった。というのも、宮崎は今、プロ野球のキャンプシーズン真っ只中。市内のいい宿は、早くから満室状態だった。思わぬ時期に宿泊難になったものだが、キャンプ特需の威力は翌日も感じるところとなる。
市内の人気店も予約が取り辛くなっており、お目当ての鶏料理屋「ぐんけい」も9時からしか予約が取れなかった。というわけで、部屋でゆっくりしてから、8時半に宿を出る。県庁や並木通りがライトアップされていて、夜は夜なりに観光できるものだ。ただ、もうお腹はペコペコ。
お待ちかねの宮崎地鶏コースは、お通しからサラダまで鶏尽くし。一同大満足で、宮崎の夜は更けていった。
全文
「ぜひ神宮、行きましょう」
というので、そうかとタクシーを飛ばして神宮参拝へ出発した。後から知ったが彼、寺社仏閣が大好きなのだそうだ。片道2千円ほどかかったが、割り勘にすれば大した額にならないのは、グループ旅のメリット。しかもタクシー、メーターを倒さず待っていてくれるというので有難かったが、
「駅でいつ来るか分からないお客さんを待っているより、ずっといい稼ぎになる」
とのことだ。高速1000円の打撃を受けているのは、駅からのフィーダー交通も同様らしい。
大枚を叩いてたどり着いた霧島神宮は、なるほど昔日から称えられてきただけあり、境内の燐としたたずまいが良かった。展望台からは、錦江湾越しに桜島の雄姿も。噴煙を上げる様子が手に取るように分かり、活発な活動が続いているようだ。
充実した1時間の途中下車でリフレッシュして、再び「きりしま」の人に。古豪485系の活躍が続く都市間特急だが、来春の九州新幹線全通で、リレーつばめを追われた787系が転属してくることが内定している。ファンとしては、幼い頃から親しんだ485系の撤退も寂しい気がするが、「このドアは自動ではありません。手で開けてください」と書かれたデッキのドアが、九州北部との格差を物語っているのも事実。体質改善に期待したい。
車内販売がなく、飲み物食べ物を手に入れられないのは、グループ旅行には辛いところ。車販廃止と前後して、洗面所に無理矢理自販機が押し込められて設置されたが、やはり人手を介したサービスがないのは寂しい。車両改善とともに、車販復活もなされればと思う。
夕方6時半、ようやく宮崎到着。日豊本線の高架沿いにある、「列車の見えるホテル」に入った。視線の高さに「きりしま」や「サンシャイン」が行きかい、僕にとってはいい意味で落ち着かない部屋だ。メンバーの強い要望を受け、今回は和室を選んでいる。風呂に入って、布団を敷けば、気分は修学旅行。
ちなみにもう一つの要望だった「温泉」も、宮崎ならば大淀川沿いに「たまゆら温泉」があるのだが、こちらは手ごろな部屋を押さえることができなかった。というのも、宮崎は今、プロ野球のキャンプシーズン真っ只中。市内のいい宿は、早くから満室状態だった。思わぬ時期に宿泊難になったものだが、キャンプ特需の威力は翌日も感じるところとなる。
市内の人気店も予約が取り辛くなっており、お目当ての鶏料理屋「ぐんけい」も9時からしか予約が取れなかった。というわけで、部屋でゆっくりしてから、8時半に宿を出る。県庁や並木通りがライトアップされていて、夜は夜なりに観光できるものだ。ただ、もうお腹はペコペコ。
お待ちかねの宮崎地鶏コースは、お通しからサラダまで鶏尽くし。一同大満足で、宮崎の夜は更けていった。
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