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富山駅では北口に出て、2年前のGWに対面して以来のLRTに再会した。デザインされたヨーロッパスタイルの電停と電車は、今もって新鮮だ。北口駅舎内の「ポートラムショップ」で一日乗車券(地鉄市内電車と共通で800円)を買い求め、さっそく乗り込んでみた。
3連休ではあるが、3時すぎという時間にも関わらず、観光目的の乗客が多いのには驚き。2年前のGWも、ほとんどが岩瀬浜への観光客が占めていた。昔ながらの街並みが残り、運河を渡る風が気持ちいい岩瀬浜は大好きな街だが、「おしゃれな電車に乗って行く」というのも目的の一つになっている人も多いのでは?
「オランダの路面電車も、こんな雰囲気だった」
と語る女性がおり、本場ヨーロッパと比較できるのは羨ましいと思う。
駅前に新設された併用軌道区間から、旧JR富山港線区間である専用軌道区間に入って最初の停留所・奥田中学校前からは、足腰の弱ったおばあちゃんが一人乗り込んできた。かと思えば、次の下奥井で早くも下車。この間の運賃は、高齢者限定のシルバーパスカで100円である。
もちろん安いのも利用する動機にはなったのだろうけど、これが昔の富山港線の電車だったら、切符を買って階段を上って、同じように電車に乗ったのだろうか? あるいは、もし地下鉄ならば? お年寄りには、辛いのではなかろうか。ライトレールという、文字通り気軽な都市基盤の有用性を、土木屋の同期と確認しあったのだった。
低床電車ならではの、地面スレスレの迫力ある車窓を楽しみつつ、岩瀬浜に到着。前回探訪した岩瀬浜の街並みはパスして、岩瀬浜海水浴場へ出てみた。九州・久留米を出発して9時間、北陸の日本海側にまで出てきたことを、潮風を浴び体感として刷り込んだ。波が高くサーファーの姿が目に付く。彼らがライトレールに乗りやってきているのなら、しゃれたライトレールの雰囲気も一層…と思うのだが、まあクルマだろう。
帰路は、本社と車庫のある城川原で途中下車。ポートラムは1周年やクリスマスの節目に電車を装飾(これがまた、センスの光るデザイン)しているのだが、車庫の扉にその装飾を貼り付け、残していたのがほほえましかった。記憶を受け継ぎ、電車の路線は愛され、育まれていく。
そして次に乗った電車も、3周年の記念電車「hana PORTRAM」。先頭には、「感謝と笑顔とエコのはな」という素敵なキャッチフレーズを掲げ、側面には沿線の子供たちが描いた絵を装飾している。子供の絵はほほえましいが、無秩序に並べるとどうしても雑多な印象になってしまう…と、著名なデザインの先生からの講義で聞いたことがあるが、そこはさすがのポートラム。パッチワーク調に飾られ、可愛くも雑多ではない、絶妙のバランスに仕上げられていた。
車内の座席も、子供の絵をポップにデザインして彩られており、壁には床からの高さを、木をモチーフにして表した装飾も。背比べに使うのかしら、それとも「子供たちと共に成長するポートラム」を表したのだろうか。
富山港行きの電車も、沿線利用者や競輪帰りのおっちゃんだけでなく、遠方からの来客を案内する地元の人もいて、「日本初のモデルケースなんだよ」と誇らしげに話していたのが印象的だった。
つづく
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3連休ではあるが、3時すぎという時間にも関わらず、観光目的の乗客が多いのには驚き。2年前のGWも、ほとんどが岩瀬浜への観光客が占めていた。昔ながらの街並みが残り、運河を渡る風が気持ちいい岩瀬浜は大好きな街だが、「おしゃれな電車に乗って行く」というのも目的の一つになっている人も多いのでは?
「オランダの路面電車も、こんな雰囲気だった」
と語る女性がおり、本場ヨーロッパと比較できるのは羨ましいと思う。
駅前に新設された併用軌道区間から、旧JR富山港線区間である専用軌道区間に入って最初の停留所・奥田中学校前からは、足腰の弱ったおばあちゃんが一人乗り込んできた。かと思えば、次の下奥井で早くも下車。この間の運賃は、高齢者限定のシルバーパスカで100円である。
もちろん安いのも利用する動機にはなったのだろうけど、これが昔の富山港線の電車だったら、切符を買って階段を上って、同じように電車に乗ったのだろうか? あるいは、もし地下鉄ならば? お年寄りには、辛いのではなかろうか。ライトレールという、文字通り気軽な都市基盤の有用性を、土木屋の同期と確認しあったのだった。
低床電車ならではの、地面スレスレの迫力ある車窓を楽しみつつ、岩瀬浜に到着。前回探訪した岩瀬浜の街並みはパスして、岩瀬浜海水浴場へ出てみた。九州・久留米を出発して9時間、北陸の日本海側にまで出てきたことを、潮風を浴び体感として刷り込んだ。波が高くサーファーの姿が目に付く。彼らがライトレールに乗りやってきているのなら、しゃれたライトレールの雰囲気も一層…と思うのだが、まあクルマだろう。
帰路は、本社と車庫のある城川原で途中下車。ポートラムは1周年やクリスマスの節目に電車を装飾(これがまた、センスの光るデザイン)しているのだが、車庫の扉にその装飾を貼り付け、残していたのがほほえましかった。記憶を受け継ぎ、電車の路線は愛され、育まれていく。
そして次に乗った電車も、3周年の記念電車「hana PORTRAM」。先頭には、「感謝と笑顔とエコのはな」という素敵なキャッチフレーズを掲げ、側面には沿線の子供たちが描いた絵を装飾している。子供の絵はほほえましいが、無秩序に並べるとどうしても雑多な印象になってしまう…と、著名なデザインの先生からの講義で聞いたことがあるが、そこはさすがのポートラム。パッチワーク調に飾られ、可愛くも雑多ではない、絶妙のバランスに仕上げられていた。
車内の座席も、子供の絵をポップにデザインして彩られており、壁には床からの高さを、木をモチーフにして表した装飾も。背比べに使うのかしら、それとも「子供たちと共に成長するポートラム」を表したのだろうか。
富山港行きの電車も、沿線利用者や競輪帰りのおっちゃんだけでなく、遠方からの来客を案内する地元の人もいて、「日本初のモデルケースなんだよ」と誇らしげに話していたのが印象的だった。
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