里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ビロードシダ 黄海の石灰岩壁

2019-01-01 | 日記
一関市藤沢町黄海地区の南部、川沿いの林道を行くと地形が開け、10枚ほどの耕作放棄田
が続いていて、そのいずれも丈のある枯れ草に覆われています。
さらに上っていくと川の両岸から山が迫り、険しい峡谷沿いの道になります。
これをしばらく辿ると、右手から深い谷が合わさるので寄り道してみました。

谷は深いV字に侵食されているものの、谷底の沢には全く水が流れていません。
沢を数十メートル上がって行くと、左手に岩壁が連なっていて、その一部に小さなヒモ状の
ものが多数ぶら下がっています。たぶん・・ビロードシダでしょうね。




                             二枚とも2018.12.21撮影

岩壁直下まで登って確認すると、寒さと乾燥で縮んでしまったのか、細いビロードシダが多数
着生しています。中には緑色を残しているものもありますが、多くは半ば干物状態。
春になって一雨降れば、また元の状態に戻るのでしょう。

そういえば、ビロードシダは石灰岩を好む植物だったはず。この岩壁も石灰岩かも知れないと
改めて見直すと、やはり石灰岩からなる岩壁のようで、色や風化の様が石灰岩特有のものです。
周辺を探すと、同様に石灰岩を好むツルデンダも見つかりました。
沢に水が流れていないのも、石灰岩地帯なら納得できます。
雨水や沢水に含まれる炭酸によって石灰岩が溶食され、どこかに割目とか洞窟ができ、そこに
沢水が流れ込むため、地表の沢に水が流れなくなったものと推測されます。




                             二枚とも2018.12.21撮影

ビロードシダは2015年の12月に観察して、記事をアップしています。
属性や特徴については、下の青字をクリックして参照願います。
ビロードシダ 岩壁の希少種


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