大和町吉田地区の、大畑山北麓の落葉樹林内でトリカブトを探していると、斜面の
中腹に白い花が点々と見えます。登って行くと、お目当てのトリカブトの花でした。
薄暗い樹陰に咲いていますから、花色が淡く、遠目には白花に見えるほど。
茎が細い上に、花が大きく数も多いものですから、花の重さで殆どが斜面から谷側へ
倒れぎみに枝垂れています。
宮城県内に自生するトリカブトは4種類あって、高山に自生するのがミヤマトリカブト
とホソバトリカブトです。山地にはオクトリカブトとヤマトリカブトが自生します。
オクトリカブトは日本海側や多雪地域に分布し、草丈が1m以上と大柄で、葉の切れ
込みが浅く、丸みを帯びた印象があります。
写真のトリカブトは葉の切れ込みが深いことから、ヤマトリカブトと同定しました。
2016.9.25撮影
〈 医王堂薬局 烏頭・附子より 〉
トリカブトは地下に塊根があって、漢方では茎が伸びている方が母根で烏頭(ウズ)、
脇についている子根を附子(ブシ)と呼び、いずれも猛毒です。
生薬として使うときは、そのまま使うと危険なので減毒処理を行ってから使います。
洋の東西を問わず、処刑方法の一つに毒殺があります。
それに用いられる毒がトリカブトの塊根の附子(ブシ)で、飲んでから数十秒で死亡
するそうです。附子を飲むと顔が歪むことから、その顔を「ぶす」と言ったそうで、
昔は男も女も歪んだ顔を「ぶす」と言っていたのが、現代では女性にだけ用いられる
ようになったのだとか。
歪みではなく無表情説もあります。附子を飲むと神経系の機能が麻痺し無表情になる
ため、無表情を「附子」と言い、転じて醜い顔を「ブス」と言うようになったと言うもの。
どちらの説が正しいのか、私には確認の術がありません。
二枚とも2016.9.25撮影
キンポウゲ科トリカブト属の多年草で、本州の東北地方~中部地方に分布する。
低地の草地や山地の林縁など、やや湿ったところに自生し、草丈は1mほど。
根茎は白く、ニンジンのような紡錘形をしている。
葉は互生し、葉身は円心形で3~5深裂して掌状、葉表にはやや光沢がある。
裂片の縁には粗い鋸葉がある。
花期は8~10月で、茎上部の葉腋から散房花序を出し、鮮やかな青紫色の花を
多数付ける。 花の形は兜形で長さ3~4.5cm、
花の形が舞楽で頭にかぶる鳥兜に似ているので、この名前が付いた。
花びらのように見えるのは5枚の萼片である。花弁は上萼片の中に隠されている。
花弁は1対、距があって、ここから蜜が分泌される。
果実は細長い筒状の袋果で、先端に角状突起があり、長さ2.5cmほど。
長さ3.5mmほどの種子が多数入る。
全草が有毒だが、根茎が最も毒の含有率が高いといわれる。成分はアルカロイド毒の
アコニチンやメサコニチンで、死亡例もある。
中腹に白い花が点々と見えます。登って行くと、お目当てのトリカブトの花でした。
薄暗い樹陰に咲いていますから、花色が淡く、遠目には白花に見えるほど。
茎が細い上に、花が大きく数も多いものですから、花の重さで殆どが斜面から谷側へ
倒れぎみに枝垂れています。
宮城県内に自生するトリカブトは4種類あって、高山に自生するのがミヤマトリカブト
とホソバトリカブトです。山地にはオクトリカブトとヤマトリカブトが自生します。
オクトリカブトは日本海側や多雪地域に分布し、草丈が1m以上と大柄で、葉の切れ
込みが浅く、丸みを帯びた印象があります。
写真のトリカブトは葉の切れ込みが深いことから、ヤマトリカブトと同定しました。
2016.9.25撮影
〈 医王堂薬局 烏頭・附子より 〉
トリカブトは地下に塊根があって、漢方では茎が伸びている方が母根で烏頭(ウズ)、
脇についている子根を附子(ブシ)と呼び、いずれも猛毒です。
生薬として使うときは、そのまま使うと危険なので減毒処理を行ってから使います。
洋の東西を問わず、処刑方法の一つに毒殺があります。
それに用いられる毒がトリカブトの塊根の附子(ブシ)で、飲んでから数十秒で死亡
するそうです。附子を飲むと顔が歪むことから、その顔を「ぶす」と言ったそうで、
昔は男も女も歪んだ顔を「ぶす」と言っていたのが、現代では女性にだけ用いられる
ようになったのだとか。
歪みではなく無表情説もあります。附子を飲むと神経系の機能が麻痺し無表情になる
ため、無表情を「附子」と言い、転じて醜い顔を「ブス」と言うようになったと言うもの。
どちらの説が正しいのか、私には確認の術がありません。
二枚とも2016.9.25撮影
キンポウゲ科トリカブト属の多年草で、本州の東北地方~中部地方に分布する。
低地の草地や山地の林縁など、やや湿ったところに自生し、草丈は1mほど。
根茎は白く、ニンジンのような紡錘形をしている。
葉は互生し、葉身は円心形で3~5深裂して掌状、葉表にはやや光沢がある。
裂片の縁には粗い鋸葉がある。
花期は8~10月で、茎上部の葉腋から散房花序を出し、鮮やかな青紫色の花を
多数付ける。 花の形は兜形で長さ3~4.5cm、
花の形が舞楽で頭にかぶる鳥兜に似ているので、この名前が付いた。
花びらのように見えるのは5枚の萼片である。花弁は上萼片の中に隠されている。
花弁は1対、距があって、ここから蜜が分泌される。
果実は細長い筒状の袋果で、先端に角状突起があり、長さ2.5cmほど。
長さ3.5mmほどの種子が多数入る。
全草が有毒だが、根茎が最も毒の含有率が高いといわれる。成分はアルカロイド毒の
アコニチンやメサコニチンで、死亡例もある。
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