里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ナンテンの赤い実

2018-01-17 | 日記
松島町竹谷地区の南部、丘陵の中段に民家が点在していていますが、これは洪水
から家屋敷を守るためなのでしょう。近くには吉田川が流れていますから。

集落道から民家敷地の南面を見上げながら歩いていると、たくさんの赤い実を付けた
木々が見えます。実の付き方や枝振りから、ナンテンのようです。
内陸の我町あたりでは、ナンテンの木は樹高2mほどしかありませんが、沿岸部の向陽地
ゆえか、ここでは3~4mはありそうです。ナンテンは暖地系の樹木ですから、温暖な土地
では育ちが良いのでしょうね。




                             二枚とも2018.1.7撮影

分布域を調べると、関東以西の本州~沖縄となっていますが、ほとんどが庭木など植栽された
もの、或いはこれが逸出し野生化したものと言われています。
野鳥が実をついばんで、種子をあちこちに散布したのでしょうね。
ナンテンの実を好む野鳥はヒヨドリ、オナガ、ツグミ、コジュケイなど。
当地の集落道近くの笹薮にも、ナンテンの小木が生えていましたから、これらの野鳥の糞に
ナンテンの種子が混じっていたのでしょう。

中国では山野に自生しているので、古い時代に我国へ渡来した帰化植物と考えられます。
ナンテン(南天)の語源も中国にあるようで、中国名を南天燭(燭とは実が赤くなること)とか
南天竹(葉が竹の葉に似ているから)といい、この音読みから名づけられたもののようです。




                             二枚とも2018.1.7撮影

メギ科ナンテン属の常緑低木で、樹高2~4m。茎が木質化した常緑草本とする説もある。
茎は直立して束生し、先端に大型の羽状複葉の葉をつける。樹皮は灰黒色で縦溝がある。
葉は互生し、3回奇数羽状複葉。小葉は披針形で長さ3〜7cm、先端は鋭く尖り、基部は楔形。
縁は全縁、葉質は革質で、表面は光沢がある。葉軸や小葉軸が関節状になる。
開期は6~7月、枝先に大形の円錐花序を出し、小さな花を多数付ける。花は白色で直径6~7mm。
花被片は3個ずつ輪状に多数並び、内側のものほど大きく、もっとも内側の6個は花弁状になる。
雄しべは6個、雌しべの花柱は短く、子房は大きい。
果実は直径6~7mmの球形の液果で、赤く熟す。1個の果実にふつう2個の種子が入っている。
種子は直径5mmほどの半球形。
乾燥した成熟果実にはドメスチン(アルカロイド)などが含まれ、鎮咳薬に用いられる。



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