里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ハマボッスのロゼット葉

2018-01-20 | 日記
南三陸町戸倉地区の東部、農道を下りきると真新しいコンクリートの防潮堤があり、
その脇から海岸に降りられるようです。海岸岩壁の下は岩礫からなる磯浜になっていて、
30~40m続いています。岩壁を見上げながら歩いていると、なにか小さな植物が生えて
いますね。下からでは離れていて観察できないので、そこまで慎重に登っていくと、光沢
のあるロゼット葉が、岩棚や割れ目に点々と生えています。
中には果穂のガラを付けたままの株があり・・たぶんハマボッスかと・・




                             二枚とも2018.1.15撮影

岩壁以外にも、あちこちに生えていました。
今までとは反対の東側へ歩いていくと、防潮堤近くの裸地や、礫浜などには群生していましたから、
危ない思いをして岩壁を登る必要はありませんでしたね。

帰宅後に「野草のロゼット」というハンドブックでハマボッスを開くと、同じような光沢のある
ロゼット葉が載っていました。ハマボッスで間違いないでしょう。
名前の由来は、茎頂に付く総状花序を僧侶が使う法具の払子(ほっす)に見立て、また海岸に
生えることから「浜払子」と呼ばれるようになったとか。


                                 2018.1.15撮影

サクラソウ科オカトラノオ属の二年草で、日本全土の海岸近くの岩壁や砂礫地に自生する。
茎は円柱形で稜があり、基部から数本に分かれて直立する。高さ10~40cmでしばしば赤味を帯びる。
葉は互生し、葉身は倒被針形で長さ2~5cm、幅1~2cm。無柄で、先端は丸く、質は厚い。
葉表には光沢がある。全草無毛。展開前の根生葉(ロゼット葉)は、密に重なり合っている。
花期は5~6月。茎の先に真っ直ぐな総状花序をつけ多数の白い花をつける。花柄は1~2cmで
葉状の包葉とほぼ同じ長さ。花穂は初め短いが後に伸びて4~12cmほどになる。 
花冠は筒状で直径1~1.2cm、先端が5裂する。ガクも5裂する。
雄しべは5個、雌しべは1個。
果実は球形の蒴果で直径4~6mm。熟すと頂点に穴があき、種子を散布する。
種子は長さ1mmほどの3稜形。


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