栗原市金成町の、丘陵地に広がるリンゴ園脇の農道を下っていると、路傍の草薮に
白っぽい小さな総状の花が、あちこちと咲いています。
藪に立ち入って花を覗き込むと、花びらが厚ぼったく見えます。
これは細かな毛が密生しているからで、ガガイモの花ですね。
ガガイモとは変った名前ですが、どんないわれで名付けられたのでしょう ?
諸説あるようですが、花後の実の特徴によるもの、とする説に説得力があります。
実は花からは想像できないほど大きく、長さ8~10cm、直径3cmほどの紡錘形で、
イモに見えなくもありません。これが成熟すると二つに割れて種子を出しますが、
割れた鞘の内側が光っていて、鏡のように見えることから「カガミイモ」となり、
これが短縮されてガガイモになったと言うもの。
二枚とも2015.8.8撮影
古代の人々は二つに割れた鞘を、舟の形に見立て、神話に登場させています。
古事記には、小さな神様の少彦名命(スクナヒコナノミコト)が天之羅摩船(アメノカガミブネ)
に乗って出雲の国にやって来て、大国主神と力を合わせて国造りに励んだ、とあります。
『出雲国風土記』では、大国主神と共に天下を巡り稲種をもたらした穀霊とされています。
少彦名命を祭神とする神社は、山陰から北陸にかけて多いようです。
宮城県内においては、東松島市の浜市に鎮座する石上神社に祀られています。
これは「舟に乗ってやってきた神」ということから祀っているのでしょうか。
2015.8.8撮影
ガガイモ科ガガイモ属のつる性の多年草で、北海道から九州 に分布する。
日当たりのよい、やや乾いた原野や路傍に自生し、根茎を横に延ばし、子株を生じる。
他の草木に絡みついて伸びるが、あまり高くは登らない。 茎を切ると白い乳液が出る。
葉は対生し、葉身は長卵形で長さ5~10㎝、基部は心形、先端は尖る。
質はやや厚く、表裏とも無毛、縁に鋸歯はない。
葉腋に短い円錐花序を出し、直径1cmほどの淡紅紫色の花を5~10個付ける。
花冠は5裂し、裂片の先はそり返り、 内側に白い毛を密生する。
真ん中に雌しべが突き出し、雄しべはその根元に集まる。
果実は、大型の袋果で紡錘形、長さ8~10センチ、表面には不規則な突起がある。
成熟した果実は二つに割れて、たくさんの楕円形の種子を出す。
種子には長い毛(種髪)があり、風で散布される。
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