里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ゴマキ 北限の更新か

2019-08-02 | 日記
一関市花泉町日形地区北東部、北上川に注ぐ小河川沿いの林道を下っていると、道下の林際
に赤い実を付けた木が茂っています。実の付き方からガマズミかその仲間でしょうね。
樹種を確認すべく歩み寄ると、まず果実が大きいのにビックリ!!
ガマズミの実より3割以上も大きく、長径で10mmはありそうです。葉っぱも大きく長さ10cm
以上はありそうです。ガマズミの仲間とは思いますが、このあたりでは見かけない木ですね。
ネット検索で、ガマズミ属の中から該当する木を探してみましょう。




                             二枚とも2019.7.29撮影

ガマズミ属に含まれるガマズミとかミヤマガマズミとは明らかに違います。
それら馴染みのある木以外に「ゴマキ」というのがあり、これは初めて聞く名前です。
ゴマキを検索すると、各部位の特徴が私の写真の木と合致します。ただし、分布域が関東以西
の太平洋側となっているので、もっと細部まで比較した上で同定したいと思います。
もしゴマキなら、撮影地が分布の北限になるかも知れません。

ゴマキはヤナギが生えるような水辺近くに生えるとあり、この木も小河川の河畔林に生えてい
ましたから、自生環境は一致します。若い枝葉や樹皮に、ゴマ油のような香りがあるとありま
すが、残念ながらそれは未確認です。
葉身が大きく長さ6〜15cm、幅2〜9cmの倒卵状長楕円形、上部には明瞭な鋸歯があるものの、
基部寄りにはないと記されていて、葉の特徴は合致します。
以上のことから、現時点では「ゴマキ」と仮定します。

8月12日に再訪して葉の匂いを確認したところ、ゴマの匂いに青臭さをミックスしたような
匂いだったので、ゴマキで間違いないでしょう。





                             二枚とも2019.7.29撮影

レンプクソウ科ガマズミ属の落葉広葉樹で、樹高2~7mの小高木。
関東以西の太平洋側~沖縄に分布し、丘陵地や低地の湿地や河畔等に自生する。
樹皮は灰褐色。若い枝は緑色で、のちに褐色〜灰黒色になる。葉は対生し、葉身は長さ6〜15cm、
幅2〜9cmの倒卵状長楕円形で、厚くかたい感じがする。先は鈍く、基部は広いくさび形。
上部には明瞭な鋸歯があるが、基部近くにはない。表面は無毛で暗緑色。裏面は淡緑色で脈状
に毛が多い。側脈は6〜12対、裏面に突出し、葉縁までのびている。葉柄は長さ5〜30mm。
花期は4〜6月、枝先に直径6〜14cmの円錐花序を出し、直径7〜9mmの白い花を多数付ける。
花序の柄は長さ4〜7cm。花柄は対生し、花序の軸とともにふつう有毛。花冠は高坏状で、上部
は深く5裂して平開する。雄しべは5個、花冠から突きでる。雌しべは1個、花柱はごく短い。
萼はごく小さな杯状で、上部はわずかに5裂する。苞は長さ1〜3mmの卵状披針形。
果実は核果。長さ8〜10mmの楕円形で、8〜10月に赤くなり、完全に熟すと黒くなる。
核は長さ7〜8mmの卵状楕円形で、深い縦の溝が1個ある。



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