里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オケラ 松林内に自生

2017-10-21 | 日記
東松島市の宮戸島には、景勝地を結ぶ何本かの遊歩道があります。
漁港の外れから、岬を経て隣の漁港へ行く尾根道を歩いていると、松の木陰に白い
地味な花が咲いています。「オケラの花だね、まだ咲き残っていたんだ。」

だいたいは茶褐色の花ガラになっていますから、ここでの盛期はおおよそ10日前だった
ものと思われます。木陰や背高な草に囲まれた株では、花の時季が遅れて今になって
しまったのでしょう。そんな花を探しては、何枚か撮ってみました。




                            二枚とも2017.10.15撮影

オケラには薬効があって、生薬名を白朮(ビャクジュツ)といいます。
地上部が冬枯れる晩秋から初冬に根茎を掘り上げ、水洗いして乾燥させたものです。

白朮には痛みや炎症を和らげる作用、利尿作用、潰瘍を抑制する作用、胆汁分泌を促進する
作用などが知られていて、胃腸病、神経痛、動悸、息切れなどに用いられます。
薬効成分はアトラクチロンやジアセチルアトラクチロジオールなど。
アトラクチロンには特有の芳香があるとか。




                            二枚とも2017.10.15撮影

キク科オケラ属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は30~80cm。
日当たりの良い乾燥気味の草地や、山林内の明るい尾根筋などに自生する。
根茎はやや肥厚して長く、節がある。生薬として利用される。
茎は細く、針金のように堅くなる。
葉は互生する。葉の形は変異に富んでいて、単葉のものから、葉柄に突起状の裂片が出ている
もの、複葉になっているものなどがある。茎上部に付くものは単葉になる傾向がある。
縁には刺状の鋸歯があって、質はやや堅い紙質。根生葉は花時には枯れてなくなる。雌雄異株。
花期は9〜10月、頭花は直径2cmほどで、淡紅色~白色の筒状花だけからなる。
雄株は雄花、雌株は両性花であり、花冠の先は5裂する。
総苞は長さ10~12mmの鐘形。総苞片は7~8列。魚の骨のような特徴ある形をした総苞外片が、
2列に総苞を包む。果実は痩果で、長さ5~6mmの円柱形。白毛が密生し、冠毛がある。


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