気仙沼市本吉町南部、田束山北麓の緩やかな傾斜地には沢沿いに棚田が続いていて、それに
沿った農道を上がって行くと小さな溜池がありますが、今は利用されていないようで池の底も
枯草に覆われています。その土手上を歩いていると、小型の植物がマット状に広がっています。
しゃがみ込んで観察すると、ナデシコ科のツメクサですね。
街中の空地や側溝際などに生えているのをよく見ますが、このようにビッシリと群生している
のは初めて見ました。
二枚とも2019.12.17撮影
ツメクサを漢字表記すると「爪草」で、これは葉の形が細く、鳥の爪に似ていることから名
付けられたようです。
ツメクサはやや湿った土壌を好みますが、乾燥にも耐えますし、日当たりの良い場所から日陰
まで適応します。また根元から分枝した茎が地表を平伏して広がるため、刈り払いや踏みつけ
にも強いようです。それで農地周りや湿り気のある土手等の生育適地では、このようにマット
状に群生するのでしょう。
2019.12.17撮影
ナデシコ科ツメクサ属の二年草で、日本全土に分布し、草丈は2〜20cm。
畑地や空地、道端や側溝際などに自生する。秋と春に芽出し、秋に芽を出した葉は越冬する。
茎は斜上し、下部からよく分枝して株状になり、上部に短い腺毛がある。
葉は対生、線形で幅0.8~1.5mm、線形で先が尖り、基部は膜状に合着し、托葉はない。
花期は3〜7月。花は白色で直径4mmほど、上部の葉腋に単生する。花柄は長さ8〜27mm、
斜上あるいは直立し、腺毛がある。萼片は5個、楕円形〜卵形、長さ2〜2.5mm、鈍頭、背面
に腺毛がある。花弁は5個、卵形〜楕円形、萼より短いか同長、雄しべは5〜8個、花柱は5個。
果実は蒴果で球形〜卵形、長さ3mmほど、5裂する。
種子は暗褐色、腎円形〜球形、長さ04〜0.5mm、表面に円柱状の突起がある。
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