山地の沢沿いや林際、林道沿いなど至る所に生えているコンロンソウの仲間に
ヒロハコンロンソウがあり、沢沿いや崖下などで自生は確認しているものの、コンロンソウ
よりかなり花期が遅いようで、未だに花を見たことがありませんでした。
花期は5月中旬と見当を付け、ヒメシャガ観察のついでに自生地に立ち寄ってみました。
二枚とも2016.5.14撮影
大和町宮床地区の西部、林道を上がって行くと、安山岩質溶結凝灰岩の崖下を通ります。
そこに上から沢水が流れ落ちていて、崖と林道の間に小さな流れができています。
飛沫のかかる崖下や流れに沿って、ヒロハコンロンソウが群生していますが、花はまだ
数えるくらいしか咲いていませんでした。花の盛りには5~6日早かったようです。
コンロンソウと違ってやたら草丈を伸ばさず、ほどよくまとまっているので草姿に
趣があります。ただ、冷涼な水辺を好みますから、一般の公園や民家の庭先で
楽しむことは不可能でしょう。
2016.5.14撮影
アブラナ科タネツケバナ属の多年草で、本州の中部地方以北に分布する。
山間の湧水地や渓流の畔など、根元に水が流れているような場所に自生する。
根茎は横に広がり、しばしば群落を形成する。
茎は直立して分枝し、無毛で稜がある。草丈は30~50cm。
葉は互生し、長い葉柄のある奇数羽状複葉で、葉柄基部は耳状に茎を抱く。
小葉は5~7枚、長楕円形で長さ3~5cm、先端は尖り、縁に粗く不揃いな鋸歯がある。
花期は5~7月で、茎の上部に総状花序を出し、十数個の白色の4弁花を付ける。
花弁は長卵形で長さは8mmほど、雄しべ6個。雌しべ1個。
長角果はまばらに付き、線形で長さ2~3cm、上部は細まる。
種子は1列で、長さ2mmほど。
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