里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ベニバナインゲン 朱紅色の花

2018-08-25 | 日記
南三陸町歌津地区の半島部北端、標高30mほどの台地上が畑になっていて、手前の
三分の一ほどに色々な作物が栽培されています。残りのスペースには雑草が蔓延って
いますから、耕作放棄されたのかも知れません。ほんの2~3年前までは畑地全面が
耕作されていたように記憶していますが・・

畑地の北寄りに小さな農小屋があります。そこから少し離れた所に、つる草が絡んだ
ような草薮があって、遠目ながら赤花が咲いているように見えます。
歩み寄ると、豆類の花のようですが、ササゲの花だったか、インゲン豆の花だったか、
記憶が定かでないので、帰宅後に調べてみましょう。
農作物の花とは思えないほど鮮やかな花色で、庭に2~3株欲しくなりますね。




                             二枚とも2018.8.19撮影

ネット検索で調べた結果、「ベニバナインゲン」という種と判りました。
よく聞くインゲン豆とは別系統の豆のようで、渡来時期が違うものの原産地は同じ中南米です。
ただ、こちらのベニバナインゲンは、メキシコの高地が原産地です。よって寒さに強く暑さに
弱いので、国内での栽培は長野~群馬の標高800m以上の地域や、東北~北海道が中心です。
多少暑くとも花は咲きますが、夜間涼しくないと結実しないのだとか。関東地方以西では、専ら
花を観賞するために栽培されるため、ハナササゲとか花豆の別名があります。

種子である豆は、インゲンマメより一回り大きく長径25~40mm、暗紫色の地に、不規則な黒い
縞紋様が入り、表面に光沢があります。
煮豆、甘納豆、餡などにされ、若い莢は汁の実、煮物などにして食べられます。


                                 2018.8.19撮影


〈高原花豆の栽培と魅力について〉

マメ科インゲンマメ属のつる性1年草(原産地では多年草)で、原産地はメキシコ高地。
我国へは江戸時代の末に渡来したが、結実不良のため、観賞用の花として各地に広がった。
農作物として栽培されるようになったのは大正時代からで、北海道から始まり長野県などに
広がっていった。栽培においては、支柱を立てたり、ネットを張ったりしてつるを絡ませ、
3~4mに伸ばす。葉は互生し、3出複葉、長い葉柄がある。小葉は卵形で長さ4~8cm、
先端は尖り、葉縁に鋸歯はない。
花期は7~8月、葉腋から長い花軸を出して総状花序をつける。花は美しい朱紅色の蝶形花
で長さ2cmほど。花は夜暑いと結実せず、日中高温になると散ってしまう。
莢は長さ10~30cm、幅2cmほどと大きく、中に長さ25~40mmの長楕円形の種子が数個入る。



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