宮床地区西部の、長倉山中腹の杉林際に自生していた、イワガネゼンマイです。
ここは北向きの湿り気のある急斜面ですから、イワガネゼンマイが好みそうな環境
ですけど、杉の枝葉が積み重なっている間から伸びているものですから、ゴミ捨場に
生えているようなもので、きれいな写真にはなりそうもありません。
それでも、珍しいイワガネゼンマイが10本以上も生えているわけですから、滅多にない
チャンス、ここは撮るしかないでしょう。
大きな葉の常緑性羊歯で、宮城県では希少な部類に入るでしょう。
二枚とも2015.11.22撮影
イワガネゼンマイに似た羊歯植物にイワガネソウというのがあって、これも県内に
自生していて、一見して両者を見分けるのは困難です。
一番確実な識別方法は、葉裏の葉脈を見ること。
上の写真のように、細い側脈間が狭く、ほぼ平行していればイワガネゼンマイです。
側脈間が広めで、網目状になっていればイワガネソウです。
今年はまだイワガネソウに出合っていませんから、写真はありませんけどね。
2015.11.22撮影
ホウライシダ科イワガネゼンマイ属の常緑羊歯植物で、北海道~九州に分布する。
山地の針葉樹林内の湿った傾斜地や沢沿いに自生し、草丈は80cmほど。
根茎は匍匐し、直径5~8mm、茶褐色で披針形、膜質の鱗片をやや密に付ける。
葉柄は長さ20~50cmで淡褐色、背軸側が暗紫色となることがあり、上部は緑色。
葉身は卵状長楕円形で、長さは40~60cm、基部は2回羽状、上部は単羽状に分岐し、
側羽片と似た頂羽片がある。羽片や小羽片は狭長楕円形、先端は急に狭くなって
尾状に伸びる。葉質はやや厚い草質で、縁に微細な鋸歯がある。
葉裏の中央には太い中肋が走り、側脈は1~2回分岐し、平行にならんで網目を作らず、
その先端は葉縁に達する。ソーラスは側脈上にでき、包膜はない。
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