里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヤマイタチシダ 半光沢の葉

2017-03-20 | 日記
石巻市雄勝町の半島部において、東向きの山や海岸は何度も踏査しましたが、
西側は全く歩いていませんでした。草花や果実のない季節になりましたから、羊歯狙い
で日陰の多い西側エリアを歩こうと、荒れた林道を下って海岸まで出てみました。

林道は入口に車止の鉄柵があり、路面は随分と荒れていました。
枯草や野茨が藪をなしていたり、近年繰り返された豪雨で深く抉られていたりで、
大掛かりな改修をしなければ車は通れないでしょう。
そんな状況ですから、自然が残されているというか、回復しているというか、各種
羊歯植物を観察することができました。




                            二枚とも2015.12.20撮影

岩がちの林道法面から枝垂れていたのは、常緑性のヤマイタチシダです。
葉が深緑色でやや光沢があり、先にアップしたイワイタチシダより大柄の羊歯です。
最も判りやすい特徴は、葉裏のソーラスですね。
他の種に比べて大きな胞膜は直径が2mmほどあって、色も赤褐色で目立ちます。

山地の林床や崖地でよく見られる羊歯で、昨年は石巻市十三浜で観察しました。




                            二枚とも2015.12.20撮影

オシダ科オシダ属の常緑性羊歯植物で、本州~九州に分布する。
丘陵~山地の林床や崖地、道路法面や石垣などに自生する。
根茎は太くて斜上し、葉を叢生する。草丈は30~70cm。
葉柄基部に黒褐色の尾状に伸びた4~6mmの麟片があり、葉柄上部や中軸・中肋
にも細かい褐色の麟片が密生する。
葉身は卵状長楕円形で、長さ20~40cm、幅15~25cm、2回羽状中裂または深裂。
先端はなだらかに細くなり、葉表は濃緑色でやや光沢がある。
羽軸裏面にはやや球状の袋状鱗片が多い。
小羽片の縁は裏側にわずかに巻き、全縁か波状の鈍い凹凸がある。
最下羽片の下向き第1小羽片が長く、カタカナの「ハ」の字に開いている。
ソーラスは大きめで、小羽片の中肋寄りに整然と並ぶ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿