里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ウスバサイシン グロテスクな花

2018-04-17 | 日記
陸前高田市矢作町の南部、沢近くの集落道を上がって行くと、山陰になった道路の
法面に、ウスバサイシンのハート形の葉が何枚か出ています。
たしか・・葉が開くと同時に、目立たない花を地際に咲かせていたような ?

ここは道路の山側法面なので、ウスバサイシンが生えているのは道路からの高さが
50~100cmあたり。林床に生えているウスバサイシンを撮るときのように、腹這う
必要がないので、地際の花でも見つけやすく、撮るのも容易です。
ここには10株以上生えていて、ほぼ全ての株に花が付いていました。
花の付き方や形、花色までが何となくグロテスクに感じられます。




                             二枚とも2018.4.13撮影

和名については、同じ仲間のカンアオイなどに比べて葉が薄いことと、薬用とされる根が細く
辛味があることから、「薄葉細辛」と名付けられたようです。

生薬名も細辛(さいしん)です。日本薬局方では、細辛はウスバサイシンとケイリンサイシンの根
および根茎を乾燥させたものと規定しています。
市場に流通している細辛は、中国や朝鮮半島からの輸入品が殆どです。鎮咳、去痰などの目的で
小青竜湯、麻黄附子細辛湯などの漢方処方に配剤されますが、単独で使用されることはありません。
有効成分としては、特有の香りの成分であるメチルオイゲノールやサフロールなどの精油、辛味成分
であるペリトリン、ヒゲナミンなどを含んでいます。




                             二枚とも2018.4.13撮影

ウマノスズクサ科ウスバサイシン属の多年草で、本州~九州に分布する。
最近ウスバサイシンの分類が4種に細分類されたようだが、ここでは従来どおりとする。
山地のやや湿った林床に自生する。根茎は白くて横に這い、長い根を多数生やす。
短い地上茎から長さ5~8cmの葉柄を2本出し、その先に円心形の葉を1枚ずつ付ける。
葉柄の色は暗紫色。葉は長さ4~8cmで先端は尖り、表面は深緑色で光沢がない。
葉質は同属の植物の葉より薄く、両面脈状に短毛がある。
花期は3~5月、花は直径1~1.5cmの広い鐘形で、葉柄の基部に1個だけ付く。花弁は無く、
それと見えるのは3個の萼片で、縁だけ外側に反り返る。雄しべは12個、花柱は6個。
果実は直径13mmほど、種子は長楕円形で長さ3.5mmほど。


 


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