大和町吉田地区西部、吉田川支流の源流域で細い渓流を遡って行くと、崖下にちょっとし
た平坦地があって、狭いながらも広葉樹の河畔林になっています。
春先の林床は明るく、ニリンソウやカタクリ、キクザキイチゲなどが咲き始めています。
そんな花々の中に、白い5弁花を見つけました。これはミヤマカタバミの花でしょう。
葉は出たばかりで開ききっていませんが、特徴的な三つ葉ですから間違いないですね。
二枚とも2021.4.7撮影
ミヤマカタバミは本州~四国に分布し、広葉樹林や杉林などの林床に自生する植物です。
名前にミヤマと付きますが、集落近くの低山にも生えていて、撮影地の標高は200mほど
しかありません。時季としては少し早かったようで、まだツボミだけの株の方が多かった
印象です。根茎でも増えるようですが、分岐しないので群生することは稀で、あちこちに
島状に散生していました。
稀に淡紅色の花を付ける株もあるようです。
2021.4.7撮影
カタバミ科カタバミ属の多年草で、本州~四国に分布し、草丈は10~15cm。
やや湿り気のある広葉樹林や杉林などの林床に自生する。
根茎は太めで密に古い葉柄基部に覆われ、分岐しない。
葉は全て根生して長い葉柄があり、3小葉からなって基部に関節があり、開く前は内側に
たたみ込まれている。葉身は倒心形で幅2.5~4cm、先端側の中央がへこみ、両角は丸み
を帯びている。葉裏は紫色を帯びることがある。
花期は3~4月、長い花柄の先に白花を1個つける。花は5弁花で直径は3~4cm、
花弁にはしばしば淡紫色の筋が入る。雄しべは10個、うち5個は短い。柱頭は5裂する。
果実は蒴果で、長さ2cmほどの長楕円体、中に数個の種子が入る。
種子の長さは3.5mmほど、熟すとはじき出される。
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