里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ゲッケイジュの黄色い花

2020-05-16 | 日記

散歩で町内の横丁を通りかかると、ある民家の側庭に、樹高5~6mの常緑小高木に黄
色い花が咲いています。実は冬の間も何度かこの通りを散歩していて、小さなツボミが少
しずつ膨らむのを見ていて、いつ、どんな花が咲くのかと楽しみにしていたわけです。

花の付き方がクスノキ科のシロダモに似ていますが、葉が全く違いますね。
写真を撮っていると、横に1台の車が止まって、中年の男性に「何しているの ?」と問われ
ました。『珍しい花が咲いているので、撮らせて貰っていたんです。何の木でしょうね。』
「親父がゲッケイジュとか言ってたなぁ。ともかくそこ退いてよ、車を入れるからさ。」

                              二枚とも2020.5.12撮影

ゲッケイジュといえば、古代ギリシャやローマでは勝利とか栄光を象徴する樹とされ、
その枝葉で作った冠(月桂冠)を、競技の勝者に贈る慣わしがありました。その伝統が現代
にも受け継がれ、マラソンなどの優勝者に月桂冠が贈られています。
ゲッケイジュの原産地は地中海沿岸で、現在では世界中で広く植栽されています。
日本には1905年(明治38年)にフランスから入ってきました。
フランスでの呼び名はローリエ。これを中国では月桂樹と呼び、日本ではそのまま音読み
してゲッケイジュと命名されました。

ゲッケイジュは雌雄異株で、日本には雄株が多く入っているようです。
雄花は黄色く目立ち、雌花は白っぽく地味とのことなので、写真の花は雄花でしょう

                              二枚とも2020.5.12撮影

クスノキ科ゲッケイジュ属の常緑広葉樹で、樹高12mの高木。雌雄異株。
地中海沿岸原産の帰化植物で、現在では日本でも庭木、公園樹として広く栽培されている。
樹皮は灰色で皮目が多い。新枝は緑色で、紫褐色を帯びる。
葉は互生し、葉身は長楕円形〜狭楕円形で長さ7〜9cm、先端は尖り、基部はくさび形。
表面は光沢があり全体無毛。かたい革質で縁は波打つ。
葉柄は1cm以下で、赤褐色を帯びる。葉を千切ると独特の香りがある。
花期は4~5月、葉腋に淡黄色の小さな花が集まって咲く。花被片は4個。
雄花では長さ3.5mmほどの楕円形、雄しべは8〜12個。
雌花は雄花よりやや小さく、雌しべ1個と仮雄しべが4個ある。
果実は楕円体の液果。直径約10mm×長さ約13mm、10月に暗紫色に熟す。
種子は球形で直径8mmほど。

 

 

 



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