里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

サンショウ 色付いた実

2017-02-13 | 日記
登米市登米町東部の、沢沿いの林道を上がって行くと、山陰にサンショウの実が
赤く色付いていました。葉はまだ緑色ですから、実との対比が鮮やかです。
早い木では既に果皮が割れて、中の漆黒の種子が顔を覗かせていました。

サンショウは利用度の高い木で、新芽は焼魚や煮魚の添え物、お吸い物に使わ
れます。料理用語では単に「木の芽」と言われているようですね。
6月末頃、未成熟の青い果実を採取し、甘辛く煮て佃煮にします。
青い果実を細かく刻んだり、或いは練り混んだりして山椒味噌にする地域もあるようです。
秋になると実が熟して果皮が赤く色付きますが、この果皮が最も香りが強く、うなぎの
蒲焼きにかける粉山椒もこれから作られます。
また、七味唐辛子にも入っているようです。




                             二枚とも2016.9.11撮影

この果皮は芳香辛味性健胃・整腸剤とされます。薬効成分はサンショオールや
サンショウアミドで、大脳を刺激して内臓器官の働きを活発にし、胃を丈夫にし腸の働き
を整えることから、消化不良や消化不良による胸焼けに効果があると言われています。

中の黒い種子には苦みがあり食用には用いませんが、漢方では椒目(ショウモク)
といって利尿薬として用いるようです。
地方によっては目の薬といって「サンショウの実1日3粒3年食えば昼間でも星見える」
などといわれ、粒を噛まないで飲み込むのだとか。


                                 2016.9.11撮影

ミカン科サンショウ属の落葉広葉樹で、樹高4mほどの低木。
日本全土の山地や丘陵の、やや湿気の多い林内や林縁に自生し、時に有用樹として
栽培され、若葉や果実は薬味や香辛料として食用にされる。
樹皮は灰白色~灰褐色で、一対のトゲまたはイボ状の突起がある。
葉は長さ5~18cmの奇数羽状複葉で、互生する。
小葉は11~19個、長楕円形で長さ15~35mm、幅6~15mm。
雌雄異株で、枝先に2~5cmの円錐花序を出し、小さな淡黄緑色の花を付ける。
果実は直径5mmほどの球形で、10月頃赤く熟して裂開する。
中の種子は一個で漆黒。



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