里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

テンニンソウ 伐採跡地に群生

2017-02-07 | 日記
大和町吉田地区の大畑山北麓、一帯は杉林で大木が林立していたのですが、
一昨年だったか大規模な伐採が行われ、今は草地になっています。
キャタピラー跡が残る作業道を西へ歩いていると、北東向きの斜面に黄白色の花穂が
たくさん立ち上がっています。作業道はぬかるんでいますし、斜面は窪地状になって
いてかなり湿り気があります。花はテンニンソウで、適地ではしばしば群生します。
杉林だったときも多少は生えていたのでしょうが、伐採で日照が得られるようになり、
短期間に数を増やしたものと思われます。




                             二枚とも2016.9.25撮影

秋にはたくさんのシソ科の植物が、花穂を立てて花を咲かせます。
このテンニンソウもシソ科の植物ですが、他の種よりも花穂が大きいですね。
長さが15cmほどあります。
葉は昆虫が好んで食べるようで、花の頃には穴だらけの葉も珍しくありません。
ここの群落はまだ食べられていませんが、数年前見た群落では、コガネムシが何匹か
取り付いて盛んに蝕んでいて、7~8割の葉が穴だらけでした。


                                 2016.9.25撮影

シソ科テンニンソウ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は50~100cm。
渓流沿いの斜面や、湿気のある林内~林縁に自生し、しばしば群生する。
地下に太い木質化した根茎があり、これを伸ばして増える。
茎は直立し、断面は四角形、下部はよく木質化する。茎や花穂軸には星状毛がある。
葉は対生し、葉身は長楕円形~広披針形で長さ10~25cm、鋭頭で縁には鋸歯がある。
花期は9~10月で、茎頂に黄白色で長さ10~18cmの穂状花序を出し、花序の下から
順に開花する。小花序ごとに苞がつき、苞は広円形、先が尾状に尖り、早落性。
花は唇形花で長さ8mmほど、先は浅く5裂し、上唇は2裂、下唇は3裂する。
雄しべ4本、雌しべ1本が花冠の外に突き出す。萼は筒状で、腺点がある。
果実は4分果。


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