里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

イチヤクソウの群落

2017-03-27 | 日記
大和町宮床地区の西部、蘭山東麓の森の中に電力会社の送電線巡視路があって、
これを利用させてもらうと、二つの林道を繋ぐ周回ルートを設定できます。
送電線の鉄塔間を結ぶ巡視路ですから、単純な登りだけではありません。
沢に下ったかと思えば尾根を直登し、再び沢に下って次の尾根に取り付く。
そんな上り下りの多い大変な細道です。
巡視路で二つほど鉄塔を通過し、コース中の最高地点を目指して上って行くと、
突然森が切れて伐採地跡に出ました。




                             二枚とも2015.6.22撮影

尾根を境に北斜面が伐採されているので、巡視路は森と伐採地の境目を辿ること
になります。伐採跡地は新しい原野のようなものですから、珍しい草花が咲いている
こともありますし、周囲の森は日当たりが良くなって、木々の花付きが多くなったり
するので、必ず寄り道することにしています。

そこで見つけたのがイチヤクソウの群落です。
群落と言っても、新聞紙半切くらいの面積ですから笑われそうですが、普通は二三株が
寄り添う程度ですから、二十株も咲いていれば群落と表現しても許されるでしょう。
本来、イチヤクソウは直射日光の当らない、森の中に生えている植物ですが、伐採で急に
陽射しを受けることになり、それが刺激となって株数を増やしたのかも知れません。


                                 2015.6.22撮影

イチヤクソウ科イチヤクソウ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
丘陵地~山地の明るい雑木林の林床に自生し、草丈は20cmほど。
イチヤクソウは自分でも光合成を行っているが、土中の菌類に半寄生していて、
無機塩類や有機物を得ているといわれる。
葉は広楕円形で長さ3~6cm、長い葉柄があって、2~7枚が根生する。
葉面は濃緑色で葉脈部分は淡黄緑色。
質やや厚く、葉柄と葉裏は紅紫色を帯びる傾向がある。
6~7月頃、高さ20cmほどの花茎を伸ばし、5~10個の白色の五弁花を付ける。
花の直径は1.5cmほどで、梅花に似る。
「一番良く効く薬草」を略してイチヤクソウとなったとする説がある。
他にも名前の由来は幾つかあるが、どれも薬草の効き目などにまつわるもの。
開花期に全草を採取し、陰干ししたものが生薬の鹿蹄草(ろくていそう)。
ピロラチン・アルブチン・タンニンなどの成分を含み、煎じて適量を服用すれば強心・
降圧・抗菌・利尿などの薬効がある。




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