一関市花泉町日形地区北東部、丘陵上の農道を緩やかに下って行くと、沢の源頭と思しき
広い窪地に、10枚ほどの休耕田が続いています。大型の植物や低木が茂ってくれば耕作放
棄地としますが、休耕後3~4年しか経っていないようなので、休耕田としました。
連日の猛暑で、田面は干上がってひび割れています。そんな休耕田でも何か咲いていない
か探し回っていると、ごく小さな黄色い花が咲いているのを見つけました。
花の直径は4~5mmしかありませんが、たぶんオトギリソウの仲間でしょう。
枝は細かく分枝し、横に広がる傾向が強いようで、草丈は10cmほどしかありません。
二枚とも2020.9.4撮影
オトギリソウの仲間に、小型のサワオトギリという種がありますが、草丈が15~20cmはあ
りますから、写真のオトギリソウとは別物のようです。
オトギリソウ科のリストの中から、もっと小型の種を探してみましょう。
オトギリソウ科オトギリソウ属の中では、ヒメオトギリとコケオトギリの2種が小型種を
思わす名が付いています。ヒメオトギリは小型ながらも草丈が20~30cmもあるようなので
別物ですね。コケオトギリを見ると、草丈が10cm、花の直径が5〜7mmとありますから、
これかも知れません。
改めてコケオトギリを調べると、葉の形や付き方が同じで、水田のあぜや休耕田に生えると
あります。特徴や自生環境から「コケオトギリ」で間違いないでしょう。
二枚とも2020.9.4撮影
オトギリソウ科オトギリソウ属の1年草~多年草で、日本全土に分布し、草丈は5~20cm。
水田の畦や休耕田、溜池畔や水路沿いなどの湿った場所に自生する。
茎は細く4稜があり、はじめ倒伏して節から発根し、その後立ち上がってよく分枝する。
葉は広卵形で長さ3~9mm、幅3~7mm、先は円頭。基部は円形で半ば茎を抱き、無柄。
明点があり、縁には腺点はなく、近縁のヒメオトギリより質は薄い。
花期は6~9月、花は茎頂や枝先に付き、直径5~7mm、1日花で午後には萎む。
花弁は長楕円形で長さ2.5mm、3脈あり、腺体はない。雌しべは5~10個。花柱は子房より
短い。萼片は5個で花弁よりやや長い。
果実は長卵形の蒴果で、長さ2〜3mm、果皮に腺体がない。
種子は淡紫褐色、長さ0.5mmほど。初冬に上部の葉腋にムカゴをつける。これが地面に落ち
て冬を越し、翌年発根して生長する。
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