大崎市南東部の丘陵地の中腹にはかなり広い平坦地があって、かつては20枚ほど
の水田が広がっていました。今は凡そ半分が牧草地、残りが休耕田になっています。
丘陵地の窪地下手の休耕田は水が浸み出してくるのか、浅く水が張られたように
なっていて、そこに小さな白い花が一面に咲いていました。
個々の花はオモダカの花にそっくりですが、花序や葉の形は全く違います。
それでも、これだけ花が似ているのですから、オモダカの仲間なのでしょうね。
二枚とも2016.8.21撮影
植物図鑑で調べた結果、葉がヘラ形なのでヘラオモダカと同定しました。
判りやすい命名で助かりますね。
水田のようにごく浅い水深のところに生える植物を、抽水植物というようです。
水田だった頃は機械によって撹拌されたり、除草剤を撒かれたりするので増殖できな
かったのでしょうが、休耕後の数年で大群落が形成されたのでしょう。
2016.8.21撮影
オモダカ科サジオモダカ属の多年草で、日本全土に分布する。
池沼や水路、湿地や休耕田などに自生する抽水~湿性植物で、草丈は20~80cm。
根茎は短く塊状。葉は根生し、葉身はへら形で鋭頭、長さ4~30cm、幅0.5~4.5cm。
基部はしだいに細くなり、葉柄へと流れる。平行脈は3~7本、縁に鋸歯はない。
花茎は三角柱状で中空、高さ20~80cm、花枝を3個ずつ数段輪生する。
花枝はさらに3個の小枝を分枝するか、花柄を出す。
花期は7~9月、花は白色の3弁花で、直径1cmほど、花弁は倒卵円形で長さ3mm、
縁が波状。雄しべは6個で葯は黄色、雌しべは多数が1列環状に並ぶ。
萼片は3個で扁円形、長さ2.5mmほどで緑色。
果実は多数の痩果が頭状に集まった集合果。
痩果は黄褐色~褐色、偏平な倒卵型で、長さ2~2.5mm。
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