年末から新年にかけて、久方ぶりに大雪が降った。
例年元日には飯縄山(1,917メートル)に登る。
今回は苦労するかなと思いつつ、ワクワクしたりもする。
大駐車場は歩いて15分ほど離れたところにあるが、登山口にも少し駐車できる。自分は歩いてきた。
登山道にはところどころに石仏。雪に隠れているものも多い。
昔の修験道の名残の一の鳥居。
十時過ぎに出発したが、トレースは付いている。
それでも、例年に比べれば、登山者は格段に少ない。
静かな林の中を歩く。何も考えず、何も思わず、ただ歩く。
時折吹きすぎる風が、雪煙を巻き上げる。
粉雪がキラキラと輝く。
山頂直下の鳥居はてっぺんが腰くらいの高さ。
神社のある手前のピークとその奥にある本峰。
すれ違った登山者の情報によると、神社まではトレースが付いているが、本峰へはほとんどトレースがないという。この釣り尾根は馬の背状で、雪が飛ばされないで残っている。
昔は神社の入り口が雪で埋まっていたこともある。今年はまだそれほどのこともない。
お賽銭を上げて初詣。
欲張ってお願いすることも特にない。
何も考えず、何も思わず黙って頭を下げた。
昨年暮れ、何人かの知り合いが、病気になった。
こうして山に来れることだけでありがたい。
途中すれ違った人たちは口々に「山頂は風がすごくて、寒い」と言っていた。
僕が山頂に立った時はとても穏やかで、日差しも眩しいくらい暖かだった。
いつものように「お天気の神様と山に愛されている」(かみさん談)のだと素直に感謝する。
運試しに、年末ジャンボを一枚だけ買った。それが末等に当選していた。三百円で損も得もないのだけれど、自他ともに認めるくじ運の悪い男だった僕には、運の向いてくる兆候だと思えた。
そんなこともみんな含めて、二礼二拍一礼。
本峰へは数人がアタックしていた。
後を追って行ってみるが、深雪で足が股付近まで潜って、とても前には進めない。
ザックからかんじきを取り出して装着。
多分今ではスノーシューが主流なのだろう。この登山靴も四十年以上昔に、ゴローでオーダーメイドで作ったものだ。
かんじきの威力は偉大だった。
古希になった。
今年で四十三回目の飯縄元旦登山。
これまでは何としても登らなければ、という気持ちが強かった。
これからはそんな執着からも解放されて、雪山を楽しむだけでいいという心境になった。
無事帰還。
飯縄よさらば、また来る日まで。
あとは温泉にまっしぐら。
温泉は隠し湯なので教えるわけにはいかないが、正月はかりん湯。
プレゼントの干支のタオルとサービスの甘酒。
桜エビのかき揚げは正月のみの特性天ぷらうどん。
ここまでは毎年同じルーティン。
よい年になりそうだ、いや、する。
圧倒される積雪に、感動すら覚えています。
私は毎日テレビのお守りなので、恥ずかしい限りです。
寒いので、風邪を引かれないようにしてください。
今年も元気で頑張りましょう。
この歳になると健康こそが宝なのだとしみじみ感じます。私も二日と三日は箱根駅伝をみるため、テレビの前を離れません。かみさんは時に嫌味を言ったりしますが、めげません。お互いよい一年でありますように。