料理を語るとき「クラシック」か「創作」か、と言うような事が良く言われます。
私はどちらも好きです。
特に日本に於いては洋食は「地元」ではないわけですから、常に土地に根ざした、という料理は難しいのではないか、と思います。また反面、創作ばかりですと「何料理なの?」となりますし、初めての方に「これがフレンチか!」と覚えられても後々困ります。
私はどちらもバランスよくお出ししたいと思います。
料理をするのは小保内君ですが、その点は直実にやってくれているのでは、と思います。
例えば今月の「牡蠣のグラタン」はクラシックです。しっかりしたホワイトソースを使っています。
同じ牡蠣でも「ジュレ寄せ=煮凝り」は油脂やクリームを使わない創作といっていいと思います。
「青魚のショソン=パイ包み」は本体はクラシックですがソースは春菊の創作です。
ワインを合わせるにはクラシックの方が簡単ですね。というか、お客様側の経験値がこちらに慣れている、といった方がいいでしょうか?
創作の場合、何処に軸足を置くか、で合わせるポイント=ワインが変る事があります。付け合せが主役になる事もありますので、そこに合わせるなんて事も有り得ます。
ま、ソムリエとしては「これしかない」では面白くありません。色々なマリアージュを提案するには、料理にバラエティがあることが必須です。
いつも楽しみながら皆様にワインをお勧めしているのです。
さて今日も色々お楽しみください。