ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

ワインに関する南北

2014年11月08日 02時24分54秒 | ワインの事
ワインの世界では「このワインは北の冷涼な気候で・・・・・」とか「南の太陽を受けて・・・・・」などを駆使して説明をします。

確かにつじつまが合う理屈もあって、お客様は「う~~~ん、な~~るほど!!!」と手を打って納得されたりする訳です。

しかし、これほど世界中でワイン産地があると「えっ?」となることもありますね。

プロヴァンスはフランスの南ですが、そのまま右へ移動するとイタリアの北部だったりします。

ワシントン州はアメリカでは北に位置しますが、その南のオレゴンの方が冷涼な気候のエリアに葡萄畑があったり・・・・

サンタバーバラはそれより南のカリフォルニアですが、冷涼。

以前にも書いたと思いますが寒流の影響や、内陸、海側の降雨量の差、標高、畑の向きなど、色々要因はあると思います。

さて、今月使っているワシントンのワインはカナダのすぐ下の州で北にあるようですが、実はフランスの名産地と同じくらいの緯度です。
雨が少なく寒暖の差の激しい地域。

品種はカリフォルニアのナパと似た構成でカベルネ、メルロ、シラー、シャルドネが目立ち、リースリングという如何にも北の品種も輝いています。

同じタイプのワインが多いカリフォルニアとはかなりの緯度差がありますが凝縮度はむしろ勝っているかも知れません。
少しばかり多めの酸が引き締めているのでしょうね。
ですから、ある意味では昔のボルドーの様に若いうちは「硬さ」を感じる所もあるのでは、と感じています。

これはハンデかと言うと、そむりえ亭のような料理と合わせる場合「吉と出る」と思っています。

今月のラインアップにはカベルネブレンドとシラーがありますが、いずれも価格の割に「締まって」います。

鹿や鱈白子(意外と思われますが)とよく合うんですね!!!
酢で〆た料理とも抜群です!!



「南北」という表題を外れた話になっているかも知れません。

が、ワインは面白い、ってことを言いたいんです。


という事で今日も色々な国の南北織り交ぜてお勧めしたいと思います。


                           樋口誠