ソムリエがワインを厳かにデキャンタする。
高価なワインをデキャンタする。
古いワインをデキャンタする。
多くの方のデキャンタに対する感覚はそういうものだろうと思います。
というか「デキャンタてなんや?」てなもんです。
簡単に言うと「ワインを別の器に移す」こと。
・古いワインのボトルに沈んだ「澱」を残して上澄みを取る、とか
・力強い若く硬いワインを空気に触れさせ蘇らせる、とか
・セラーの温度から飲み頃温度に調節する、とか
そんな感じで我々は行います。
しかし、どの目的でも「家呑みワイン」にだって有効です。
古いワインの澱に関しては若干技術というか神経を使いますが、空気に触れさせることや、温度調節(特に上げる場合)は難しいものではありません。
1:空き瓶を綺麗に洗って乾かして置いておいてください。
高価なデキャンタを買う必要もありません。
2:手が震える人は「じょうご」を使ってください。
3:よっぽど弱いワインでなければ殆どのワインで空気接触の効果あり。
4:季節や室温によりますが、ボトルのワイン全部をデキャンタすると温度は1℃~2℃上がります。
「赤なのに冷蔵庫で冷やし過ぎた」「10℃は上げないと」という場合は、最初に飲む一杯分だけデキャンタするとか、それでも冷たい場合はグラスに注ぐ量を半分にすると一気に飲み頃に近づきます。
5:逆に「これはヌルすぎるで」という時もあります。
そういう時は空瓶(デキャンタ)を冷蔵庫や氷で冷やしておいて、そこに冷えたボトルの肌を伝わせるように少量(最初の一杯、二杯程度)注ぐと「そこそこ」下がります。
その一杯目を頂いている間に冷蔵庫なり氷に入ったクーラーで冷やして置けばいいですね。
安いワインでも良い条件で呑めばグーンとパフォーマンスが上がります。
勿論、ベテランソムリエと同じ結果にはならないかもしれませんが、そんな時は聞きにきてください。(緊急事態宣言が明けてからか、SNSのメッセージでお聞きいただいても大丈夫です)
今しばらく続く家呑み時間。
美味しくワインを召し上がってください。
樋口誠