「余談」などと書くのは余りにも不謹慎な凄惨な出来事でした。
当日、日本にいる私達はレストラン営業の「ほぼ終了」の時間です。
帰る前に事務所に顔を出していると「えらいこっちゃ」の声でテレビに向かいました。
「映画？」「特撮？」
この日の出来事は数十年、否、もっと永年の恨みつらみを引きずる国と宗教の問題です。
現在に至っても何も解決していません。
さて、何故「余談」かというと・・・
翌9月12日に私の勤めていたホテルでコニャック「ヘネシー」のマスターブレンダーのセミナーがありまして、生意気にもコメンテーターを仰せつかっていたのです。
通訳をされていた方は以前から大変お世話になっている女史で、和気あいあいとセミナーは進行したのですが・・・・
彼女曰く「昨日、主人がニューヨークにいて、どうにか無事が確認できたばかりだ」と言うのです。
「世の中の出来事は他人事ではない」と言うことを思い知らされました。
さて、そのセミナーで勉強したことは私が以前から実践していた事の証左になり、確固たる自信に繋がったもの。
「美味しいコニャックは冷凍庫で保存して、小ぶりのグラスで楽しむべし」というものです。
ジンやウォッカ等は予てより冷凍してサーブされることが多かったのに「何故コニャックは温めるんだ？」と不思議に思っていましたし、オードヴィ ド フリュイ＝フルーツブランデーもそうして（冷凍して）いたのに、です。
マスターブレンダー（お名前は失念）は最高級の「リシャール・ヘネシーを冷凍温度でサーブして試させてくれました。
それが現在も続く弊店でのブランデー類のサーブ法です。
食後にブランデーをお出しするたびに「9.11」を思い出します。
樋口誠