▲みんなと祝う55年!
テレビドラマやCMなどの撮影で使用されてきた明神湯。この明神湯で新たに企画されたのがコーヒー牛乳の湯だ。
実際にコーヒー牛乳が入れられているわけではなく、コーヒー牛乳に見立てた薬湯を入れたものなのだが、雪印のコーヒー牛乳販売55周年の記念ということで雪印とコラボしたイベントである。
壁画もコーヒー牛乳にちなんだものに変わり、先着でコーヒー牛乳が振る舞われるなど、遊び心満載の楽しい企画だった。
▲雪が谷大塚駅。前回、明神湯に来たときは御嶽山を利用したのだが、今回は雪が谷大塚から徒歩で向かう。基本的にどちらも時間は変わらない
▲おおざっぱに言うと、東南方向に向かう。ひとまず目の前の商店街を抜ける
▲ひたすら真っ直ぐ歩く
▲この建物を目印に右折
▲再び真っ直ぐ
▲学校を横切り
▲再び学校を横切る。たしか中学校
▲すると右手に公園がみえてくる。もう近くだ
▲少し進んで
▲左折
▲すると、なにやら人がみえる
▲到着
▲写真を撮っている人がいっぱい居る(自分もそのうちの1人)
▲開店から10分前後に到着した
まず到着して驚いたのは、入り口にいっぱい人がいたこと。若い人が多かったこと。女性も目立ったこと。SNSの発信力を改めて思い知らされた。
そして暖簾。写真の通り、コーヒー牛乳と55周年を前面に出したのれんになっている。
中に入ると、下足箱のところに3人ほどの親子が佇んでいた。ただでさえ狭いのに、立たれると靴を下足箱に入れることができない。それと下足箱はほとんど埋まっており、奇跡的に1つだけ空いていた。この時点で中はすごいことになってるだろうなあと予想する。
そして扉を開けると、想像以上の混雑ぶり。
番台に座るのは前回と異なり、少し若い女性。といっても40代ぐらいだろうか。ここは貸しタオルがないので、手ぶらセットの安い方を購入する(たしか120円。高いのは200円と記憶)。それと番台の女性側には、小学校低学年ぐらいの女の子が立っていた。たぶん受付の女性の子どもだろう。それとおばあちゃんもいたので、親子三代の総出である。
受付を済ませると、「コーヒー牛乳取ってくださいね」と言われる。入り口横にある冷蔵庫に紙パックのコーヒー牛乳が並べられており、遠慮なく一個いただく。
改めて見渡すと、とにかく人人人で、りっすいの余地がない。これほど混雑する銭湯は記憶にない。しいていえば、武蔵小山の清水湯ぐらいだろうか。あそこも異常なほど人でごった返しているが、この日の明神湯はそれを凌駕する混雑ぶりだ。
そして心配した通り、空いているロッカーが一つもない。
とりあえず空くのを待つしかないのだが、来客のほとんどが普段銭湯に来ない層であるためか、周囲の状況を気にしない子どもたちであるためか、着替えるのがめちゃくちゃ遅い。
内心イライラしながら、辛抱して待つこと10分。ようやく空いたところに自分の荷物を入れることができた。
気がつけば自分が入ったときよりも更に人が入っており、この時になってようやく入場制限を始めたような印象を受けた。
入店時は、雪印側のスタッフは見受けられず(もしかすると気がついていなかっただけかもしれない。帰りは見かけたので)、店主も困惑した様子だった。
こうした人員整理は、やはり雪印が責任ももってやるべきだったのではないかと感じた。
それと、脱衣場の隅っこには雪印が55周年を記念して作成したTシャツが並べられてあり、商品の見本棚には、雪印コーヒーが置かれてあったりと、随所に細かな演出があった。
ここで明神湯の建物を簡単に概観すると、脱衣場は島ロッカーが真ん中にあり、あとは入り口手前側にロッカー。トイレはガラス扉の引き戸を開けると、ベランダの端っこにある。
浴室は、真ん中に島カラン。それと左右の壁にもカランがあるが、壁際の方は固定シャワーだ。どちらにしてもシャワーの出は悪い。
そして奥に湯船。右がマイクロバイブラで真ん中が白湯。左が薬湯。今回は、コーヒー牛乳の湯だ。
浴室に入ると、まず目に飛び込んでくるのがコーヒー牛乳のあしらわれた壁画。これは、雪印コーヒー牛乳を顔にした擬人画で(みんなそれぞれパッケージが違う)、通常の人間のサイズと比べてかなり大きいので異様である。そのコーヒー牛乳星人(?)が、西伊豆の海に肩近くまで浸かっている。バックに見えるのは富士山。しかし顔は富士山とは反対方向(こちら側)に向いているので、あまり富士山に興味がないらしい。脱衣場からも女湯の壁画が少しみえたが、同じような構図だった。
それとビックリしたのはコーヒー牛乳の湯に行列ができていたことである。まさか入浴に人が並ぶとは前代未聞だ。
とりあえず体を洗わなくちゃと、たまたま一つ空いたカランのところに座る
と、桶までコーヒー牛乳仕様だった
体を洗い終わってコーヒー牛乳の湯をみると、ちょうど行列はなくなっており、ラッキーと思ってコーヒー牛乳の湯に入る。
しかし、足を入れた瞬間からめちゃくちゃ熱い。どうりで行列がとぎれたわけである。熱いからみんな諦めたのだろう。
温度計では46℃を示している。普段から熱いお湯に慣れている自分でも、いきなりこれはキツい。
解説文には、
健康薬湯
5つの効能
・肌になめらかな「雪印コーヒー牛乳」
・目に優しい「雪印コーヒー牛乳」色
・よだれが出ちゃう「雪印コーヒー牛乳」の甘い香り
・いつまでも入っていたい温度
・上を見上げれば富士山に並ぶ「雪印コーヒー牛乳」
と書かれてある(記憶に基づいた再現なので、一字一句正確ではない)
たしかに肌触りはしっとりしてて、甘い香りもする(よだれがでるほどじゃないけど)。
しかし、いただけないのは温度だ。今回の企画で子ども達が多く来店しており、何人もが入ろうとしたのだが、熱すぎて断念する子がほとんどだった。
これでは、この子たちはなんのために来たのだろうか?
しかも銭湯=熱くて入れないという嫌な思いをしてしまうと、ますます銭湯から遠ざかってしまう。
絵的には、たしかに今回の明神湯をチョイスしたのは良かったと思うし、壁画も面白かった。
ただ、温度は特別に調整して欲しかったなと思う。その辺も含めると、今回の企画は昔ながらの銭湯よりも、スーパー銭湯でやるべきだったのかもしれない。
多くの人を集める秀逸な企画だっただけに、運営面で残念な要素が多かった気がする。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 雪が谷大塚
経路 駅から東南方向へ歩いて公園を経由する
周辺の環境 住宅や公園
●空間演出
建物外観 宮型造り(唐破風)
壁画・眺望 富士山とコーヒー牛乳人
統一感 あり
置物 特になし
照明 普通
★設備
休憩所 脱衣場と兼ねる
脱衣所 昔ながらの造り
シャワーの出 普通
浴槽の種類
サウナ なし
温度 45℃
棚 なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 良い
清潔さ 普通
貸しタオル なし
備え付け なし
◆人
受付 40代ぐらいの女性と70代ぐらいの女性と小学校低学年ぐらいの女の子
客層 コーヒー牛乳企画のため、若い人がほとんどだった
【案内】
住所
〒145-0066
大田区南雪谷5−14−7
電話番号
03-3729-2526
アクセス
東急池上線「雪が谷大塚」駅よりバス。「雪谷中学前」下車、徒歩1分
休日
5、15、25日
日曜、祝日は翌日休
営業時間
16:00−23:00
※東京銭湯ホームページ転載