今回訪れたのは、東京の目黒にある目黒寄生虫館です。
入場料は無料で、篤志によって運営されている東京が誇る博物館です。
こちらは名前の通り寄生虫に関するもので、かなりグロテスクな写真があるので、苦手な人は見ないでくださいね♪
寄生生物の種類は自由生物(寄生しない生き物)よりも種類が豊富とされており、生命の多様性を知る手がかりにもなります。科学的観点では重要な役割を果たす寄生虫の世界を探検したいと思います!
最寄り駅は目黒駅です。西口から出発。
スターバックス日本法人本社の建物を通り過ぎて
桜で有名な目黒川を渡った先にあります(地図の一番右端にあります)。
橋を渡って
到着。歩いて12、3分といったところでしょうか。まあまあの距離です。
中に入るとさっそく標本がどーんと真ん中にあります。
こちらの寄生虫館は、もともと一介のお医者さんが一般の人たちにもよく知ってもらおうと私財を投じたもので、当初から入場料は無料で運営されているようです。
医学博士の亀谷了(1909-2002)が、1953年に創設。色々とリニューアルしながら、今に至ります。
こちらは寄生虫を網羅した系統図。寄生虫といってもすごく沢山の種類、形、動態があって多様性に満ちています。
ノミや蚊も寄生虫に分類される仲間なんですね。
寄生虫の定義などが書かれています。寄生虫は、パラサイト。ようするに寄宿する動物から栄養を奪う生き物です。
でもどんな生物だって、ほかの生き物から命(栄養)を奪ってる生きてるわけなので、本質は変わらないと思います。
似たような生き物と比較して、その特徴を示しています。
寄生虫になると自立した機能が退化して、寄生しやすいように体が小さくなったり機能が変化します。
どんな寄生虫ももともとは自由生物だったのですが、自由を捨てて寄生の道を選んだようです。
なんだかエイリアンみたいです。
ウミガメの瞼に寄生する寄生虫
人間に寄生する生き物
こんなのがお腹に入ると思うとゾッとしますが、一昔前までの日本人のお腹にはこのような寄生虫が住んでいました。
魚特有の寄生虫。宿主に応じて寄生虫は進化してきました。
寄生虫というと、気持ち悪い形態の生き物を想像しますが、こういう巻き貝も寄生生物になります。
二階は人体の寄生虫に関するもの。ここから刺激的な写真が多くなります。
ペットなどの寄生虫。これが人間に移ることがあります。
猫回虫。公園の砂場とかは要注意です。
エキノコックス。これはけっこうヤバいやつになります。
実験で寄生させられたネズミ。
人間の肝臓に寄生して末期になるとこうなります。
紹介されてるのはごく一部ですが、それでもよくこれだけあるなというぐらい寄生虫は多種多様の宝庫です。
バンクロフト糸状虫。西郷隆盛が感染していたので有名です。熱帯地方で蚊に刺されると感染します。
おちんちんがこうなります。
実は西郷隆盛は、写真を取られることを頑なに拒んできた人で、西南戦争の時に銃で撃たれて自害するのですが、官軍は誰が西郷隆盛なのか顔を見ただけでは分かりませんでした。しかし西郷隆盛の陰部が腫れ上がっていた(正確にはリンパ系フィラリア症により陰嚢が象皮症)なのは知られていたので、股ぐらをみて西郷の死を確証したというエピソードが残っています。
河川盲目症(もしくはトラコーマ。オンコセルカ症)。こうした感染症は現在ではコロナで有名になったイベルメクチンを使って退治します。
かつては日本でも土着のマラリアが生息しており、平清盛が熱病にうなされて死亡していますが、マラリアのせいではないかと言われています。
マラリアの特効薬として、キニーネというものがあります。キナの木から抽出されたもので、かつてはイエズス会の粉と呼ばれ、キリスト教の布教に一役買ったなんてこともありました。
現在では様々な薬が開発されていますが、人工的な抗生物質は時間の経過とともにことごとく耐性をもたれるのに対して、キニーネやペニシリン(青カビから抽出)などの自然から作られた薬は現在でも突破されずに健在です。
やはり自然に生み出されたものには、なにか人間の知恵では及ばない特別な法則が潜んでいるのかもしれません。
ギョウ虫。この手はなじみのある単語ですね。小学校の時にお尻の穴に粘着質の紙を当てて検査した記憶がある人は多いのではないかと思います。
一時期は国民の多くが感染してたそうですが、いまは1%以下ということで、2015年以降は検査を止めたようです。
そしてオーソドックスなのが回虫。江戸時代の頃は人糞を発酵させて畑に撒いていたので、そこから育った作物を食べることで多くの人に回虫がいました。いまは下水道が完備されてほぼいない状況になります。
そして今でもなにかと話題になるのが
アニサキス。これは体験者によると相当痛いらしいですね。
この兄貴です。
ちゃんと処理してない生魚に潜んでおり、うっかり口の中に入れてしまうと地獄の苦しみが待っています。
冷凍すると死んでしまうので、冷凍したものは確実に安全ですが
加熱は表面だけだと内部で生きている可能性があるようです。
寄生虫の模型。生々しいです。直視したくないものばかりでした。
よく聞くサナダ虫。なんでサナダ虫と呼ぶんだろうと思っていたら、もともとは真田紐というのがあって、それとソックリなことから名付けられたようです。たしかに似てます。
しかしこんな長いのが体内に入ってたらと思うと気持ち悪いです。ちなみに展示されてるのは、実際に40代の患者から取り出したもののようです。
こんな小さな幼虫からこれほどの長さになるわけですから驚異ですね。
こんな感じで一つひとつ見ていったら半日は掛かるんじゃないかと思うほど充実したところでした。
日本は清潔な環境のため寄生虫に取り付かれることなく生活を送ることができますが、これは先人たちが努力して作りあげてくれたインフラのおかげです。
また医療関係者や政治家の努力も見逃すことはできません。
ちなみになにかと批判される森喜朗さんですが、20年以上も前にエイズ・結核・マラリア対策の基金(グローバルファンド)の設立に奔走しています。
多くの人たちのおかげで今があることを感謝したいと思います。
昔、当時のカレシが、目黒寄生虫館に行きたいと言い出したので、デートで行ったことがあります。
いろいろ衝撃的で、見どころ満載でした。
ながーーーーーいサナダムシはよく覚えています、、、いい思い出です…(遠い目…)。
思い出させていただきありがとうございました!
写真じっくり見させていただきました♪
そういえば、寄生虫をお腹に飼って太らないようにしているスーパーモデルがいたという話を聞いたことがあります。
サナダムシダイエットというらしいですけど、ぜっっったいムリですーーー((((;゚Д゚)))))))
おはようございます。
そうそう、こういうところってどんな人たちが来るんだろう?と思ってたら意外とカップルや親子連れが多くてびっくりでした。みんなディズニーランドに来てるような感覚で楽しんでました笑
世の中には、美容のためなら命を掛けるぐらいの人もいるので、それぐらい平気なんでしょうね。自分も絶対ムリです。
そもそも寄生虫がいるから痩せられるというのは科学的根拠がないデマみたいです。マリアカラスは痩せるために寄生虫を体内に入れたという都市伝説があるのですが、駆虫してから痩せたらしいので、むしろ逆効果のようです。
すごいお写真ばかりですねぇ(^o^;)でも、怖いもの見たさで楽しかったです。
近所のスーパーで、アニサキス入りのイカの切り身パックを見つけて、店員さんに教えてあげたことがアリマス。「地獄の苦しみ」っていうのなら絶対に体に入れたくないですね!Σ(×_×;)!
こんばんは。
お良さんなら、きっと喜んでもらえるものと思ってました笑
イカの切り身からよくアニサキスをみつけましたね! 知らずに食べてたとしたら大変なことになってたと思います。
スーパーに売ってるのは基本的にちゃんと処理してるから問題ないと言われてるのですが、やっぱりこういうこともあるんですね。今後気をつけようと思います。