
毎日ではないにしても(自分は毎日ですが)、二、三日に一度は必ずお世話になっているはずです。
当たり前すぎて文字通り空気のような存在ですが、お風呂は体を洗うだけでなく、様々な効果を発揮してきました。
その大きな3つの点を今回は紹介したいと思います。
少しでも、お風呂いいね!と思っていただけたら幸いです。
お風呂はエウレカ!

とある紀元前の頃、アルキメデスさんという方が、王様からある難題を仰せつかっていました。
「金の王冠に混ぜ物がないか壊さずに調べなさい」
まるで一休さんのとんちに出てきそうな問題です。
それに対してアルキメデスさんはひどく悩みます。王様の野郎、王様だからって無茶ぶりしやがって…。そしてひとつの答えを導きます。
とりあえず風呂に入るか。
フィー。風呂はいいなぁ。たぶんそんなことを思ってたに違いありません。そこで突然天啓が降りてきます。
ヘウレーカ(エウレカ)!
アルキメデスさんは突然立ち上がると、拳を天に突き上げて叫びます。
ヒラメいたぞ!
これが伝説のアルキメデスの法則が生まれた瞬間でした。
時は流れて21世紀。
日本のとある研究者が悩んでいました。人生を掛けた研究が行き詰まっていたのです。
周りからはそんなの無理だと言われるような難しい挑戦でした。
お風呂場で娘の体を先に洗うと、今度は自分の髪を洗う番です。
「はあ、なかなか上手くいかないなぁ。やっぱり無理なのかなぁ…」心の中でそうつぶやいていたとき、ふとした瞬間にアイデアが思いつきます。
それが今ではiPS細胞と呼ばれる再生医療の原理を発見した瞬間でした。お風呂場で悩んでいたのは山中伸弥さんです。
のちにノーベル賞を受賞する時代を切り開く大発見でした。
こうした偉大な発見の数々には、じつはお風呂場が関わったエピソードは枚挙に暇がありません。それぐらいお風呂場は知の源泉でもあるのです。
生命は温泉から生まれた!

生命は一体どのようにして生まれたのでしょうか?
温泉です。
いまだ定説は確立していませんが、研究者の間でもっとも支持されている説が温泉説です。
一昔前は、海の底から生まれたと言われていましたが、色々とシミュレーションすると難しいことが分かってきました。
そこで注目されたのが温泉です。
なぜ温泉と考えられたのかというと、アミノ酸が結合するためには成分を溶かして乾燥させて濃縮し、また溶かすという繰り返しが必要だからです。
そのような一連の過程をもっとも可能とするのが温泉なのです。
暖かいお湯がアミノ酸の結合を促し、乾燥が早く、しかも地面から湧出することで新しいお湯や成分が足される。この繰り返しが生命を生み出したと考えられます。
生命の起源は温泉にあり。
温泉なくして、我々は誕生しませんでした。温泉は生命の母なのです。
日本人のDNAに結びついた文化

文明開化とともにヨーロッパの文化が日本に押し寄せ、その生活様式は一変しました。
外国人は、あまりの変貌に「OMG(オーマイゴッド)」と叫んだといいます。
しかしどうしても捨てられなかった文化がありました。
それが土足禁止と銭湯(公共浴場)です。これだけは明治維新の大改革があっても、命脈を保ち続けました。
その理由は、やはり日本人が清潔好きであることと温泉好きであることと無縁ではないでしょう。
そして、このように裸のつきあいができる公共浴場が多くあるのは、日本だけなのです。
このオリジナリティは、日本人がほかの人々とは違うこと示す象徴でもあります。
常に外国の文化を取り込んで日本にあっても、銭湯だけは存在し続けました。
銭湯を知ることは日本人の心の原風景を知ることでもあるのです。
まとめ

いかがだったでしょうか?
お風呂、温泉、銭湯。それらのキーワードで見えてくるのは、自分たちのアイデンティティに関わることばかりです。
生命の誕生から、革新的アイデアが生まれる場、そして日本独自の文化形成。
銭湯は、それらが集約した場所なのです。
時代とともにカタチは変わってきましたが、日本らしさを象徴する銭湯はこれからも続いてほしいと願ってやみません。
ーおわりー