銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

千代の湯(東京・新小岩井)(閉店)

2021-05-25 06:53:00 | 銭湯
#千代の湯
2021年5月31日閉店

・昭和の精神を今に残す
・天井がストライプ
・店主の笑顔が素晴らしい






JR総武線
#新小岩駅

▲新小岩駅。東京の縁にある場所だ






▲階段を降りて




▲改札口


▲向かうは北口


▲近くにあった地図をみると


▲今ここで


▲左上に向かう


▲出ると駅前広場になっている


▲そのまんま真っ直ぐ進む






▲セブンイレブンのところでストップ


▲右折する




▲横断歩道を渡り


▲今度は左の横断歩道を渡る




▲横断歩道を渡ったら


▲歩いてすぐ右斜めに道があるので


▲右折して進む


▲しばらく歩くと


▲右になにやら「スナック仔猫」なる飲み屋さんを発見




▲ネコが寝ていた




子猫じゃなかったけれども、道行く人が足を止めてネコを眺めていた。



▲そのまま真っ直ぐ歩き










▲信用金庫がみえてきたら


▲右を向けば千代の湯がみえてくる


▲裏にまわると


▲コインランドリーがあった








▲到着








▲中に入ると、鏡のところに閉店の張り紙がはってあった



自動扉をあけて中に入ると目の前にはかなり広いロビーが広がり、左奥にはテレビがある。それを囲むようにソファーが並ぶ。
奥にはお孫さんだろうか、小さな子どもの写真と似顔絵が飾ってあった。大黒様の彫刻もある。
全体的にやはり老朽化を感じられ、経年劣化でくすんだ色と建物の踏ん張ってる感じが伝わってくる。


受付は右側のフロントで、座るのは70か80ぐらいの女性だ。ほんわかした雰囲気で、笑顔がとても素敵だった。
「貸しタオルありますか?」と聞いてみたところ、「ありますよ」の後ろから出してくれた。
「これは汚いかな」と最初のをやめて、きれいそうな二枚目を渡してくれた。普段はほとんど使われていないのだろう。
500円を出すと、お釣りは30円だったので、貸しタオルは無料だったようだ。
帰りは「ありがとうございました」と言うと、優しい笑顔を返してくれた。
この笑顔だけでここに来て良かったと思えた。


左側が女湯で、右が男湯。
入り口はのれんではなく、遮蔽板になっており、これはナイスと思った。
というのも、暖簾だとぶつかりそうになることがたまにあるので、これならそうした心配がない。


脱衣場に入ると、郷愁を誘う昭和の感性に彩られている。
壁紙が昭和後期に流行したデザインのもので、品の良い花柄。すっかり退色してしまったけど、貼られてるポスターが当時のまんまだ。
片隅に置かれた什器などがそうした雰囲気をさらに補完している。
中庭もあって、決して華やかさはないが木訥な感じで樹木が植えられていた。


脱衣場を細かくみると、右壁にロッカーが並び、その奥にトイレがある。
トイレはもちろん和式で、使用したあとに水を流そうとすると上の補給タンクに流れる水があまりに勢いよく、受け皿がすぐに溢れてしまった。綺麗な水ではあるが、ここでは服を着てトイレを使わないほうがいいかも。
脱衣場の左奥には洗面台。
全体的にスペースは縦長で、決して小綺麗な感じではないが、古い銭湯にありがちなガチャガチャした様子はなかった。


扉をあけて中に入ると、浴室は広い感じで、島カランが2つ並ぶ。
左手前には立ちシャワーがあり、パーティションはオレンジ色。
シャワーの湯量は豊富で使いやすかったが、ハンドルが業務用ぽいハンドル仕様だった。昔のプールにあるような作りである。
通常のカランもシャワーは使いやすかったが、湯量が安定しなくて、全体的に使う量によって供給量が変わり、最初は普通かなと思ってたら次第に滝のような勢いになり、突然チョロチョロになったり一定しない。


出典:葛飾銭湯ホームページ引用


浴槽は奥にあって、3つに分かれている。
右が浅浴槽で、なにもないのが半分と、もう半分が電気風呂。
最初に入ったのはこちらで、入浴客がノンビリ入ってるから大した熱さじゃないだろうと勝手に思いこんだら、めちゃくちゃ熱かった。我慢してそのまま腰をおろしたが、やはりきつい。
温度はおそらく46℃前後ではないかと思うが、ここの常連たちは慣れてるようで、かなり長湯している人たちがいた。


出典:葛飾銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯


真ん中が深浴槽で、座湯が2つ。
こちらも温度は46℃前後だ。熱いお湯に勢いのあるジェットは刺激が強い。
最後は左端で、人間洗濯機とも呼ばれるものだ。
壁面に等間隔でジェットが取り付けられ、湯船が時計まわりに回転していた。こちらも46℃前後。
結局、ぜんぶ熱かった!
湯船は3つともじっこう(漢方薬湯)が使われており、薄紫色に染まっていた。匂いはそんなにキツくなくマイルド。
漢方薬湯が苦手な人もすんなり入れるだろう。


壁面はペンキ絵ではなく、ヤシの木が並ぶ写真だった。
天井を仰ぎ見ると、ストライプが描かれ、色とりどり。これは昭和後期あたりに創業した銭湯に見られる気がする。
間仕切り壁のタイルは比較的新しく、中普請をしながら維持してきたのだろう。


出典:葛飾銭湯ホームページ引用


客層はほとんど高齢者だったが、一部で中高年と、最後は黒人男性が入ってきた。
黒人男性はスーパー銭湯だとたまに見かけるが、こういう古い銭湯だと珍しい。
慣れた様子だったので、かなり通な人だったのかもしれない。


浴室や脱衣場では客同士が活発に会話をしており、閉店に関しても色々と言葉を交わしていた。
古い設備のところは維持費が掛かるから仕方がないといった声と、最終日の前の週(24、25日)は連休になっていたので、休み明けは危ないな、などと話していた。
残りの営業日が少ないから、なし崩し的に閉店してしまうことを懸念したのだろう。
実際に予定よりも早く閉店してしまう銭湯があるので、早めに訪ねるのが無難なのかもしれない。


とにかく、建物が今までよく持ちこたえたなという老朽ぶりだったが、デザインにしても雰囲気にしても古き良き時代の精神をそのまま残した貴重な銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 新小岩
経路 北へ
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 歴史の経過を感じる
壁画・眺望 中庭、ヤシの写真
統一感 あり
置物 子どもの似顔絵
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 縦長で古い
シャワーの出 勢いはあるが安定しない
浴槽の種類 電気風呂、座湯、ジャグジー
サウナ なし
温度 46℃前後
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 笑顔が素晴らしい
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 70代ぐらいの女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒124-0023
葛飾区東新小岩5−17−6

電話番号
03-3697-5787

アクセス
総武線「新小岩」駅下車、徒歩8分

休日
月曜
祝日の場合は翌日休

営業時間
15:10−22:00

※東京銭湯ホームページ転載