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勝負か、敬遠か―決断のはざまのドラマ

2009-05-02 02:04:00 | 阪神タイガース
 ジャイアンツといいゲームをしましたが、負けました(甲子園球場)。
 結果から振り返れば、四回表の攻防が勝負の分かれ目でした。

 2アウト一塁三塁で、打席に八番バッターですが、当たり屋の坂本選手を迎えました。
 能見投手は2ストライク1ボールにまで追い込んでいます。
 あえて四球(敬遠)にまで持って行って、九番のグライシンガー選手(投手)で打ち取るという手がありましたが、能見投手はストライクを取りにいって、結局それをレフトスタンドへ打ち込まれます。
 2-4と逆転されてしまうのです。

 真弓監督が試合後に明かしたところでは、坂本選手との勝負はベンチからの指示だったそうです。
 真弓監督は「失敗だった」と率直に反省の弁を語っています。

 敬遠するか、勝負にいくか、その二者択一の局面で監督が勝負を命じ、投手がその命令に従って失敗した、とそういう構図が浮き上がります。

 しかし、朝日放送の解説者の有田修三さんは、バッテリー(能見投手―狩野捕手)にはもう一つの選択があった、と言います。
 「勝負」と指示されても、なにもストライクで勝負に行く必要はなかった、というのです。
 2ストライク1ボールまで追い込んでいるのですから、バッテリーにはあと2つボールを投げる余裕があります。
 そのボールを打たせるように持っていくべきだ、というわけです。
 ボールはまずほとんど凡打に終わります。

 二者択一といっても、その中にはさらに多様な選択肢があるのです。
 さすがにかつて名捕手といわれた人の解説でしたが、いやあ、野球というのは深いですね。

 野球というのはスポーツの中でやっぱりいちばん複雑な構造を持ったゲームだと、あらためて実感しました。
 負けましたが、中身の深い試合でした。 

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