社会科学上の不満

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米軍抜きの自衛を考える必要性

2014-09-11 00:01:00 | 外交と防衛

 米国防総省でも特に中国に対して強い警戒心を持っている統合参謀本部の幹部が、私にこう言った。「われわれは、日本の自衛隊が南西諸島に新鋭の地対艦ミサイルを配備し、能力の高いレーダーを配置して中国海軍と空軍の動きを厳しく監視し、不法な侵略に対する即応態勢をとっていることに注目している。 日本は、独自に中国の不法侵入に対抗する体制を整えつつある」
 沖縄や南西諸島を防衛する自衛隊・西部方面普通科連隊が、兵器や装備を強化するとともに訓練を重ねていることは私も聞いていた。その「自衛隊の即応態勢」を先週、現地で取材する機会があった。 米統合参謀本部が注目している新しい地対艦ミサイルは、東シナ海から太平洋に出ようとする中国艦艇にとって大きな脅威になる。 また、新しく設置されるレーダーは、艦艇の動きをとらえるだけでなく、中国奥地のミサイル基地を照射することも可能で、米軍に貴重な情報をもたらすと期待されている。

このほか、佐世保の相浦(あいのうら)には将来、日本の海兵隊の役割を果たす普通科連隊600人がすでに配備されている。さらに、最新鋭のアパッチヘリコプターも投入されている。 
 現地の自衛隊関係者が現状と将来の計画について詳しく説明してくれたが、こうした新しい兵器や装備を使用して陸上自衛隊だけでなく、海上自衛隊、航空自衛隊が協力し、大規模な戦闘訓練をくり返している。 訓練には、米海兵隊のF16戦闘爆撃機も参加している。もっとも、米国の協力がなくとも自衛隊が不法に侵入して来る中国の艦艇や上陸部隊に対して十分に対抗する能力を持ちつつあることは明らかだ。 
 日本では、中国の軍事力の脅威が喧伝されている。日本のマスコミは、中国の海軍力や空軍力、クルージングミサイルの力を過大に評価し、中国の軍事力の強大さを印象づけるような報道を続けている。 日本の政治家らも、同盟体制にもとづき米国の援助を得なければ、日本を守ることができないと考えているかのように伝えられている。 
 しかし、自衛隊の現場を見ると、全く違う。新鋭ミサイルやヘリコプターなどの兵器、レーダーなどの装備、新しく配備される海兵隊、自衛隊員のモラルなど日本の自衛隊の持つすべての能力から判断すると、 米統合参謀本部幹部が指摘するように日本は中国の不法な侵入に対して、米国の力を借りずに自ら戦う体制を整えつつある。 
 日本のマスコミは、中国に警告を与える上でも日本の戦う力を正確に伝えるべきだ。中国の軍事力を誇大に伝え、国民をいたずらに不安に陥れることはやめなければならない。 米国に頼らずとも日本が自らの領土と権利を守る力を持ちつつあることを国民に伝えることこそ、日本の安全にとって大切であると考えるべきだろう。 
 ■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。 退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。

  沖縄本島と宮古島に陸自の88式対艦ミサイル(誘導弾)を展開(展開は一時的、配備は常駐)した時の中国の日本への反応は目を覆うほどのものがあった。

  88式対艦ミサイル

 特にこの海域は約300kmの距離がある。しかし日本の88式対艦ミサイルならば射程距離150km前後であり両側に配備されれば、この海域を航行し太平洋に出入りする中国艦船には脅威となる。しかも現在は12式対艦ミサイルに更新中である。型落ちした88式対艦ミサイルでもその性能は世界有数であり、中国の艦船では迎撃することが困難である。まして最新鋭の12式対艦ミサイルならばその上を行く。

 12式対艦ミサイル

 中国海軍を東シナ海から出さないと言う事は米軍の戦略目標でもある。日本の基本戦略でもある。オバマ民主党はこの戦略が理解できていない。総ての軍事戦略が理解できていないようだ。そのためペンタゴンとの衝突が絶えないようだ。ブッシュ共和党とオバマ民主党と両党の政府で国防長官を務めたゲーツ元国防長官の回顧録にオバマ大統領の軍事音痴が酷すぎるとある。また、クリントン元国務長官が最近オバマ大統領批判を行っている、中間選挙前だというのに、そこまでオバマ大統領は外交及びその延長線上にある軍事に暗いということである。

 イスラム国の対応もイラクの要請があったボヤの時消火していればここまで大火事になることはなかったであろう。まさにチェンバレンの轍を踏襲している。ウクライナとロシアとの問題も米国が介入しなければここまで大事にならなかったとの意見も多い。シリアへの介入に失敗したのがトラウマになっているのであろう。

 いずれにしろ米国はオバマ政権であるうちは当てにならないと言うことである。自分(日本単独)で自衛せねばならないということである。

 最も現行の日米安保条約も日本が戦争状態にならなければ米軍の介入はない。米軍が攻撃されれば別であるが、日本が戦闘状態と言うことは自衛隊が戦闘していると言うことである。先ず反撃の一手は自衛隊が行う必要があるということである。

コメント (1)
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