今年に入り、大幅な賃金カットを盛り込んだ中期経営計画に社内が揺れている朝日新聞社だが、ここへ来てさらなる「難題」が浮上した。新聞発行本社が販売店に余分な新聞を買わせる「押し紙」をめぐり、3月末、実は朝日新聞社は、公正取引委員会から「注意」を受けていたのだ。
押し紙は、独占禁止法の特殊指定で明確に禁止されているにもかかわらず、新聞業界では長年にわたり行われてきた。新聞業界「最大のタブー」と言われる押し紙問題に公正取引委員会が踏み込むのは異例のことで、朝日新聞社が今後どのような販売政策を実行していくのか、業界の先例として注目に値する。
朝日新聞社広報部によれば、公正取引委員会から注意を受けたのは、販売担当の営業社員と販売店との数年前のやりとりに関してのこと。販売店が「新聞の注文部数を減らしたい」と申し入れをしたにもかかわらず、営業社員は再考を促し、こうした中で「営業活動としてやや行き過ぎた言動があった」と公正取引委員会より指摘されたという。
公正取引委員会の注意とは、違法行為を認定したわけではなく「違反につながる恐れがあるので注意しなさい」という程度のものであるが、朝日新聞社は「真摯に受け止めている」(広報部)としている。
そもそも新聞社は販売店からの「注文部数」の新聞を配送しているが、販売店は必要部数を超えて押し紙も含めた部数を注文するのが業界の慣例である。販売店は押し紙の負担で経営が苦しくなると、注文部数を減らして必要部数に近づけたくなるのは当たり前のことで、朝日新聞の一件もそういうケースだったと思われる。
無料のネットニュースの普及などで新聞の読者離れが進み、販売店収入は減少傾向が止まらない。「押し紙を切れ(押し紙を減らせ)」と迫る販売店と、それを阻止しようとする新聞社との綱引きは各地で起こっている。
実際、ある全国紙では昨年、地域の販売店が集団となって一斉に注文部数を減らすという事態が発生し、本社の販売担当社員が呼び集められ対応に追われた。新聞社と販売店はメーカーと下請け企業のような取引先というよりも、車の両輪のような立場で新聞の普及を進めてきた歴史がある。
このような関係性の中で、押し紙をめぐる販売店と新聞社の対立が頻発し、朝日新聞のように公正取引委員会に申告する販売店まで出て来たというのは、ぶくぶくに水膨れさせた偽りの発行部数を維持する新聞社の「押し紙政策」がそろそろ限界を迎えている証左といえるだろう。
販売店の経営を維持するという観点だけでなく、経営的に苦境に陥っている新聞社にとっても押し紙はもはや社の凋落を早める存在でしかない。
新聞社には広告収入、イベントなどの事業収入、不動産収入など様々な収入があるが、売り上げの根幹である「新聞の販売収入」が、押し紙というタブーを抱えているために、根本的な経営改革ができないのである。
公正取引委員会から注意を受けた朝日新聞社は、実は新聞業界で押し紙は「まだまし」な方だった。朝日新聞社は1980年代前半に押し紙を廃止し、健全販売を遂行してきた。これが、賃金をはじめとして朝日新聞社が他の新聞社に比べ抜群に社員の待遇が良い理由でもあった。
しかし、バブル崩壊後、長引く不況やネットニュースの出現などによって読者離れが進み出したため、2006年に押し紙を是認する販売方針に変更したのだ。
2006年当時の朝日新聞の発行部数は800万部を少し超えていた。販売店は新聞が破れたり水に濡れたりして商品価値がなくなった場合に備え、必要部数より少し多めに新聞を買っている。この「予備紙」と呼ばれる新聞などを考慮すると、きちんと読者のいる「実売部数」は780万部前後だったと推測される。
ところが、現在、朝日新聞系統の複数の販売店関係者によると、同紙の約3割が押し紙だという。発行部数が約670万部なので、うち200万部前後が読者のいない押し紙ということになる。
今の発行部数は10年前から100万部ちょっと減っているが、この10年で200万部前後が押し紙になったのだとすると、結局、300万部ぐらいの新聞が読者を失ってしまったことになる。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48396
長い、長すぎる記事である。要は「朝日新聞の不正が公正取引委員会に遅まきながら指摘された」と言うことだろ。グダグダ言い訳を書き連ねても「不正」と言う事実は事実。今更の感が蔓延している、公正取引委員会は今まで何をしていたのか?業務懈怠ではないのか?と突っ込まれるだろうが、遅くともやらないよりマシである。
発行部数と販売部数との違いは「錯誤」で逃げられるかもしれないが、この「押し紙」による部数増は明らかな「欺罔」であり、詐欺罪の構成要件に該当する。この辺りの見解を朝日新聞には聞きたいものである。広告主の会社が1社でもこの件で訴えたら面白いのであるが。雪崩のように続く会社が出るであろう。思想的な問題ではなく、単なる詐欺罪として。
欺罔≒嘘で固められてきた企業、まるで隣国人の特徴ではないか?
【続報】
朝日新聞記者の内部告発により、「発行部数の大幅な水増し」が明るみに出た。なんと、公称発行部数のうち「3割が水増し」なのだという。
公称の発行部数は670万部なので、3割が水増しだとすれば、実際は470万部が正しい部数となる。水増しとはいっても実際に印刷はしているようで、水増し分の新聞を販売所に買い取らせているのだとか。業界用語でいうところの「押し紙」である。
マスコミ関係者によると、このニュースの詳細は人気雑誌「週刊新潮」(2016年4月21日発売)に掲載されるそうだ。以下は、マスコミ関係者のコメントである。
・マスコミ関係者の声
「朝日新聞は販売所に水増しした新聞を買い取らせているそうです。嫌々ながら販売所は仕方なく買い取るハメに。しかも水増し分の新聞は配達する先がありませんから、未開封のまま廃棄されるのだそうです。
朝日新聞以外でもやっている可能性があるので、今回の新潮の記事は読んでおいたほうがいいですよ。けっこう大きな問題です」
http://buzz-plus.com/article/2016/04/20/news-now/
「エース記者」「販売店主」内部告発! 「朝日新聞」部数水増し3割で「大新聞」の明日
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/newest/