衆参で3分の2の勢力を握った政権がやれることは、改憲だけではない。3分の2の勢力をフル活用すれば、戦前並みの恐怖政治、野党の弾圧も可能なのだ。
意外に知られていないのは、国会議員を除名できることと、国会審議を非公開にできることだ。
憲法55条は、〈議員の議席を失わせるには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする〉と定め、58条2は〈院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。ただし、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする〉と記している。要するに、3分の2の勢力があれば、いつでも気に入らない野党議員を国会から追放できるということだ。
さらに、憲法57条は、〈両議院の会議は、公開とする。ただし、出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる〉と定めている。
立正大教授の金子勝氏(憲法)が、こう解説する。
「改憲勢力に3分の2を与えたことは非常に不安です。彼らが暴走したら、民主政治は破壊されてしまう。最悪、戦前、粛軍演説をした斎藤隆夫を除名したのと同じことが起きかねない。本当に除名しなくても、いつでも除名できるぞ、という野党議員に対する圧力になるでしょう。異なる意見が封じられたら民主主義は終わりです。国会審議を公開することは、主権者である国民に対して当然の義務ですが、軍事秘密を理由に非公開にされる可能性がある。どんどん戦前に近づく恐れがあります」
これまでも国民の声に耳を傾けず暴走してきた安倍首相。衆参で3分の2の勢力を確保したことで歯止めが利かなくなるのではないか。(以下略
[日刊ゲンダイ 2016.7.11]
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185452/
前から感じていたのであるが、護憲派の人々は日本国憲法を読んだことがあるのか?と言うことである。この金子教授の記事だけでなく、89条がある限り朝鮮学校への税金投入は憲法違反である。
「朝鮮学校への支援を行なえ」と喚き「憲法改正反対」を叫ぶ。矛盾の良い見本ではないか。日本国憲法を読んだことが無いことが良くわかる。
この金子教授の記事の件も憲法に書かれている。「憲法改正反対」を叫び55条の適用を止める正当な理由はなんだ?自分たちの保身か?自分たちに都合が悪い条文は無視か?法治国家ではそれは許されない。日本は、中国や韓国のような情治(人治)国家ではないのだよ、他の先進国と同様の法治国家なのである。
ネット社会となった現在、スヒョン文書が言うようにマスゴミに幾ら食い込んでも効果が薄い。しかも選挙権が18歳に引き下げられた、この世代は当たり前のようにネットに触れる。マスコミの世論操作が見破られているのだよ。明確に解らなくともTVや新聞の記事は嘘くさいと思いネットで裏を採る。さすれば出るは出るは、世論操作の形跡が。1990年代とは異なり、TVも新聞も手にしない国民が増加した。