知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

考えさせられる事件

2008年09月03日 | Weblog
先日、7月にひとつの事件の判決が下りました。

昨年6月に、千葉県で起こった知的障害者施設の車の事故で、乗車していた利用者に死傷者が出て、その運転手が起訴され、裁判で判決が出た事件です。(参考に下のサイトを)

毎日新聞の毎日jpのサイトにあります。参考に・・・
http://mainichi.jp/select/today/archive/news/2008/07/04/20080704k0000e040055000c.html


私たち知的障害者施設は、必ずと言っていいほど、公用車を用いて利用者の送迎に行きます。主に通院や外出等ですが、通所授産施設になれば、毎日送迎があります。養護学校のような公的なところは、職員も多く、複数の職員が付き添いも出来ますが、一般施設はそうもいきません。まあ、マイクロバスのような大型になれば運転手以外にも1名の添乗をしていることろも多いでしょうが、普通は、10人乗り程度の公用車がほとんどと思われます。

この際、全国の施設のほとんどが職員1名で送迎を行っていると思います。実際に発作やパニックを起こす可能性のある利用者がいる場合は、事前に職員も心得をしており、急な対処も常に意識していると思いますが、それ以外にも様々な場面があり、意識はしていても(人間なので)思いもよらない事態に動転することもあるでしょう。

今回の事件も、そうした一例ではないかと思います。

詳細は分かりませんが、この事件の判決を見て、各施設はどう考えているのでしょうか?
確かに事故そのものは、十分に防ぐ手立てが必要です。これは一般の方でも一緒だと思います。今回の事故も死傷者が出た事実は認めなければなりません。
では、施設側の注意すること、今後に向けて常に意識していかなければならないことは、なんでしょうか?


はやり、常に急な場面はいつやってくるか分かりません。そういう意識付けはしていかなければならないこと・・、急な事象が起きれば、まず車を安全な場所に停車すること(走行中に飛び出す人もいます)、施設側での対処方法を確立しておくこと等・・、まだまだいろいろ考えられると思います。

ただ、世間ではこうした事象は特殊であり、ましてや警察関係、司法関係者は知的障害者のこうした特性をほとんど理解していないため、あくまでも事件に対する一般的な解釈になり、法律は容赦なく施設職員を罰していきます。
それは、仕方のないことかもしれませんが、世間の理解はまだまだで、私たちはこうした状況で知的障害者の援助をしているんですよ・・・という理解を得るのは、甘えとも思えてしまう・・・そんな寂しい世の中ではいけないですね。


いろいろ考えさせられる事件でした。

コメント
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