知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

職場で生き抜いていくこと・・・

2020年08月05日 | Weblog
障害者福祉関係の業務について、約30年余り・・・、重度知的障害の方から、就職前の就労移行の方まで、様々な障害者の方と接してきました(まだまだ知らない分野も多いですが)。

障害者施設や事業所で勤務する職員というのは、最初からこの業界を目指してやってきた方と、何かのきっかけで関係してみたいと思った方、またどこも就職先がなく、しかたなくこの業界に入ってきた方(なんとなくの方も含め)、それぞれ経緯は様々です。


今まで、7,8か所以上の事業所や施設・法人を経験し、感じたことですが・・・

それは、利用者や職員それぞれに言えることなんですが、「その職場で生き抜くこと」って、非常に大事なテーマですね。

特に、対人関係を必要とする職場だと、どうしてもコミュニケーションや雰囲気に馴染むという、”面倒な”対応が必要になります。


(言葉は悪いですが)長年、自宅等で周りとの接触を避けてきた方などは、一旦社会に出ると、壮絶な社会の荒波に飲まれます。(これが辛くて、すぐに退避する方も多いですが・・・)

小学校から中高生時代での、他人と関わる技術は、やはりこの時代に(ある程度)つちかわれるものですが、ただその後の人生で、また違う環境で影響を受け、新たに身に付ける方もおられます。それは、少し遅くても、人生の半分である30歳代から40歳代頃に、身に付けても(私は)遅くないと思います。

※それ以降だと、自身の持っている価値観等が邪魔をして、なかなか難しいようですが・・・


面白いのが、集団生活を否応なくしている方は、生きる知恵を身に付けておられるようで、それは障害者の方であろうと、関係なく持っています。

経験では、長い間施設生活を続けておられた知的障害の方(高齢)ですが、実際に知的レベルは低く(いわゆる数値的なものは重度さんでした)出ているにも関わらず、その人生経験で身に付けた社会で生き抜く力はすごいもので、自分の意志で施設を抜け出し、タクシーや公共交通機関を(無料で)うまく使って、自宅に帰ったり、自分の生きたい場所へ行くことが出来る・・・そんな方がおられました。

逆に、子供の頃から両親や周りから高評価され、自身でも常に「自分は出来る人だ」と思い込んでいたため、実際に社会に出たときに、全く今までの経験が役に立たないことを知り(それでも社会を拒否し)、実力は確かに持っているのに、活かせていない方もいました。これは、一般の方でも結構存在すると思います。


まあ、これは極端ですが、どちらが生き抜いていけるかというと明確ですね。


特に、最初は社会に出たときは、誰しもが”新人”であり、先輩がおり、上司がおり、雇う経営者等がいるわけです。

そういう方々と、どういった関係を築けるか・・・というのが、社会での重要な課題で、これが一般会社や事業所と、障害者サービスの基礎に立っている事業所・法人を利用する部分でも違いもあります。(サービス利用ならば、事前にそういう部分が足りないことを踏まえて指導・援助するので、基礎から行えますが・・・)

先日、元職場のカウンセラーの方と話ししていて、説明されていたことで、普通の職場でも、「この人は、少し精神疾患があるなあ・・・」とか、「この人は、過去にLD(学習障害)やADHD(発達障害系を含む)等、それで苦労されてきた方かな・・・」等々、ある程度考え方や話し方、他人等とのコミュニケーション、行動様式等で、分かる部分がある・・・と言っておられました。

それがどうなんだ・・・という問題ではなく、その後、それを克服して社会で活躍されている方は、非常に頼もしいと思いますが、逆に自身がそれを十分に意識しないで、中途半端に大丈夫だとか、そのまま改善せずに生きてきた方は、おそらく(大きな部分で)他人に迷惑をかけていますね。


先日まで勤務していた事業所の上司は、まさにそのタイプだっだそうで(そのカウンセラーの方の言葉)、自分のやり方が正しいと思い、それを実践してきたが、間違っていることに気づかず、多くの人材を無駄にしてきたようです。
(そのカウンセラーの方が言うには、まともな人間は、すぐに辞めていく・・・、(上司の)間違いに気づかない人だけが残っている・・・とのことです。・・・と言っても、その時点でたった開所7か月で続いている人がいませんでしたが・・・開所以降10名近くの方が辞めているようです)


別に元職場の批判をしているわけではなく、どこの職場でも、自身の悪い部分を理解し、良い方向性を見出すことが重要ですが、半年も同じ業務を続けていて、それに気づけないのは、どこか(その自身に)根本的な問題があるということですね。
言ってみれば、その方をその上司に据えている経営者が悪いんですが・・・


また、以前の職場でもありましたが、若い職員さん(3年未満)が、見習う先輩職員や、ついていく上司を見誤っていることがあります。

私が、長年勤務してきた法人を辞める原因を作ったのも、その若い職員さんだったようですが、常に経験不足な部分や、経歴・本人の不足部分等を批判していたのが、その経営者であり、逆にそれを見守って、かばっていたのが私たち、少数の人間・・・だったのですが、その経験不足な若い職員さんは、排除する人間を間違えたのか?かばってくれていた人間を陥れたのですね。
(例では、記録文章が下手だとか、運転免許の試験が通らないのは頭が弱い・・・だとか、平気で言っていましたが、それは徐々に経験でよくなっていきます・・・と常にカバーしてきましたが)

そういう事実は、全く本人には伝わっていませんでした。


経営者に常に媚を売っている上司がいい人だとか、陰で利用者に暴力的な行為や言葉をかけている先輩をいい人だとか、そういう見方をしていたようです。

あくまでも、これも経験なのかな・・・と考えればしかたないですが、結果は非常に悪い方向にいきました。

職場での人間の見極めも難しいですが、これは大切な部分です。


就労支援事業所では、A型でもB型でも、利用者の方は意外に?よく職員を観察しています。「あの人は、言葉かっこいいけど、中身がない」とか、「たいして仕事してないのに、長いこと(職場で)続いている・・・悪い意味」とか、逆に「頑張っているのに、評価されていないね」や、「私たちのことを、考えてくれていない」等、聞いてみると、その通りだと思うことも多いです。

精神疾患を患っている方などは、周りの状況や雰囲気を読み取るのが、非常に敏感で、一般職員以上に、いろいろなことを感じ取られていて、話してくれます。


ただ、社会で生き抜いている方が、そういう部分がうまく出来ている・・・というわけでもなく、運がいいとか、たまたま・・・とか、あまり目立たずに生きているだけ・・・という方も多いですね。

逆に、雰囲気を読んだり、気を遣ったり、自身を控えめにしている方のほうが、うまくいっていないかも・・・


そういう意味では、社会で生き抜くのは、要領がいい人・・・って結論に? それはあまりにも寂しいですね。

このままでは寂しいので、親戚の姪っ子の飼っている犬の写真を・・・(笑)






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