今日は「ドムⅡ」から考える「ドム開発系譜」について。
「ドム」はわかるけど「ドムⅡ」なんて無いだろ!
そう「ピン」っと来た方、正解です!
設定にあるハズの無い「ドムⅡ」ですが、実は○○が「ドムⅡ」では無いか?・・・という事を考えながら「ドム開発系譜」を考えるるのが、今日のお話。
さて、ドムは黒い三連星の人気も相まって、固定ファンの多いモビルスーツです。
【ドム】
そのドムを宇宙空間戦用に改良したのがリックドム。
【リック・ドム】
そのリックドムをスラスターやジェネレーターをチューンナップしたのがリックドムⅡ。
【リックドムⅡ】
このリックドムⅡのプロトタイプと設定されたのが、『機動戦士ガンダム0083』冒頭ア・バオア・クー戦でガトーが乗り込もうとして、デラーズに止められたプロトタイプリックドムⅡ。
【プロトタイプリックドムⅡ】
このプロトタイプリックドムⅡとそっくりな外見(ぱっと見、脚部インテーク(防塵フィルター)有・無くらいの差)なのが、ドム・トローペン。
【ドム・トロ-ペン】
そして「5」の名を冠する「ドムフュンフ」
【ドムフュンフ】
リック・ドムには「2」が有り、「プロトタイプ」の設定まであります。
しかし、元の機体のドムには無く、2~4を飛び越して「5」を冠した機体が設定されています。
では、「ドムⅡ」は無いのか?
例えば「リックドムⅡ」と同じ容姿のモビルスーツが地上戦をしていたら、その機体こそが「ドムⅡ」ではないでしょうか。
とすると、真っ先に思い浮かぶのがコチラ。
【リック・ドムⅡ ライトグリーンver】
ガンプラでお馴染みです。
パッケージにも市街地が描かれており、一見すると陸戦してそうです。
ですが、この機体はガンプラの商品名にもあるとおり、「リック・ドムⅡ」。
活躍した市街地もコロニー内。
詳しくは『機動戦士ガンダム0080』をご覧頂ければと思います。
とすれば、地上で活躍した『リックドムⅡ』容姿のドムは存在しないのでしょうか。
それが、いるんですよね。
パイロットまで設定されて。
その作品がコチラ!
【覇王マガジン版『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』(高山瑞穂・著)】
雑誌が休刊なった為、未完の作品となった幻のコミックです。
当作の中盤に大活躍しているドム部隊、『アブラハム隊』がいます。
コチラ!
見開きページでの登場!
ぱっと見、肩アーマーの形状やスカート部マガジン装備から「ドムトロ-ペン」を連想しますが、左側のドムは肩アーマーの形状が違うだけで「リックドムⅡ」と同じ形状です。
戦場もコロニーでは無く、地上・地球(おそらく北米)です。
劇中のパイロットの会話からも、長らく地上を転戦していた事が窺い知れ、地上のドム特有のホバー移動で主人公のモルモット隊を苦しめる姿が描かれています※。
(※ホバー機能に関してはガンプラ・リックドム系は足裏モールドがホバーと宇宙用に差異がありますが、リックドム系がホバー移動できないと明言もされていないです。)
この機体こそがリックドムⅡならぬ、「ドムⅡ」ではないでしょうか。
そして、右側のドムをご覧下さい。
コチラは「脚部・防塵フィルターの無いドムトロ-ペン=プロトタイプリックドムⅡ」です。
つまり、地上で活躍する「プロトタイプリックドムⅡ」。
即ち、「プロトタイプドムⅡ」です。
ご存知のとおり「ドム・トロ-ペン」名称の「トローペン」はドイツ語で「熱帯」の意で、砂漠地・酷暑地仕様として機体各所に防塵用エア・フィルターや拡張冷却装置が装備された、言わば「熱帯・砂漠用のドム」です。
「熱帯・砂漠用のドム」の元祖といえばコチラ。
【ドム・トロピカルテストタイプ】
『ドム・トロピカルテストタイプ』は研究母体として、ドムのプロトタイプである「プロトタイプドム」が使われました。
【プロトタイプドム】
「ドム・トロ-ペン」も、「ドムⅡ」の「砂漠地・酷暑地仕様」開発にあたり、「プロトタイプドムⅡ」が研究母体に選ばれたのではないでしょうか。
そう考えると、全ての辻褄が合います。
まとめると以下の感じでしょうか。
①ドムのプロトタイプ「プロトタイプドム」が完成。
②量産に向け「ドム」が開発。
③「砂漠地・酷暑地仕様」として、「プロトタイプドム」ベースに「ドム・トロピカルテストタイプ」完成。
④「ドム・トロピカルテストタイプ」から、「プロトタイプドム」ベースに「熱帯戦用ドム量産型」が生産。
⑤ドムを宇宙空間戦用に改良した「リック・ドム」生産開始。
⑥主戦場が宇宙へ移行していた為、先行して「プロトタイプリックドムⅡ」開発。
⑦プロトタイプリックドムⅡの地上用試作機「プロトタイプ・ドムⅡ」開発。
⑧プロトタイプリックドムⅡの量産機「リックドムⅡ」生産開始。
⑨同様に、プロトタイプドムⅡをベースに地上用ドム後継機『ドムⅡ』生産開始。
⑩『ドムⅡ』の「砂漠地・酷暑地仕様」として、「プロトタイプドムⅡ」ベースに「ドム・トロ-ペン」開発。
『ドムフュンフ』が一時『プロトタイプリックドムⅡ』と混同されていた為、『ドム・トロ-ペンの開発母体はドムフュンフ』とする情報が出回ってましたが、最近ようやく公式に「ドムフュンフとプロトタイプリックドムⅡは別物で、ジオニックフロントに登場する『08MS小隊』同容姿・色違いがドムフュンフ」となりました。
「ドムフュンフ」は文字どおりとすれば「5番目のドム」。
宇宙・地上・砂漠の全てに適正あるスペシャルなドムという情報(カードビルダー出展)もあり、⑩以降に開発された・・・という事で良いんじゃないでしょうか。
要するに「ドム・トロ-ペン系」は開発系譜上、「ドム」と「リックドムⅡ」の中間に位置するとすれば、ドムの開発系譜もスッキリするんじゃないかと思うんです。
今まで「ドム・トロ-ペン」が「機動戦士ガンダム0083」に登場したイメージから、「機動戦士ガンダム0080」出展の「リックドムⅡ」の後に開発されたイメージがあったんですが、最近の設定編纂から大分類を以下のようにすれば整理できそうです。
〈汎用ドム系譜〉
①プロトタイプドム➡ドム➡リックドム
②プロトタイプリックドムⅡ➡リックドムⅡ
③プロトタイプドムⅡ➡ドムⅡ
〈熱帯・砂漠/局地戦用ドム系譜〉
①プロトタイプドム➡ドムトロピカルテストタイプ➡熱帯戦用ドム量産型
②プロトタイプドムⅡ➡ドムトロ-ペン➡ドムトロ-ペン(サンドブラウン)
〈ドム進化系譜〉
①-0【初期型の試作機およびそれを原型とした局地改修機】プロトタイプドム、トロピカルテストタイプ等
⇩
①【初期型】ドム系(ドム、リックドム、RS型リックドム、高速実験型、寒冷地仕様、熱帯戦用ドム量産型 等)
⇩
②-0【2期型の試作機およびそれを原型とした局地改修機】ドムトロ-ペン、プロトタイプリックドムⅡ 等
⇩
②【2期型】リックドムⅡ
⇩
③【3期型】ドム3(ドワッジ?)
⇩
④【4期型】ドム4(ドワス?)
⇩
⑤【5期型】ドムフュンフ
ドムⅡを考える事で、ドム系譜も合理的に説明できますね。
追伸
今日ご紹介した【覇王マガジン版『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』(高山瑞穂・著)】ご興味おありの方、是非読んで見て下さい。(入手困難ですが「ギレンの野望 コミックアンソロジー」に「不死身の第4小隊」視点の後日談もあります。)
また、「ブルー・ディスティニー」はたいち庸先生により、「機動戦士ガンダム外伝 ザ・ブルー・ディスティニー」(たいち庸・著)として現在連載中です。
コチラは一般書店で入手しやすいですよ。
休載してますが、早く連載再開して欲しいなあ。
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