木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

右から左へシフトした政治家は貴重

2010年11月20日 | Weblog

柳田法相放言、仙石官房長官発言。
「国会答弁は二つ覚えておけばいい。個別の事案についてはお答えを差し控えます。と、法と証拠に基づいて適切にやっております。この二つで何べん切り抜けたか」と、地元広島の国政報告会での発言が国会審議を止めている。
地元の支持者の集まりで、「大臣就任おめでとう」とちやほやされて、調子に乗り、みんなの笑いを取ろうとつい出た発言。
不謹慎でうかつだけど、これは今までの法相もたどった道。
自民党政権時代に、南野知恵子さんという看護師の元締めから国会議員になって、法務大臣に任命された人がいた。この人なんかもおそらく柳田大臣と同類だったはずだ。
この南野さんを国会の委員会でいじめる先頭に立っていたのは、確か弁護士資格のある法律に詳しい仙石さんあたりだったような気がする。
大臣という存在が、官僚組織の上の神輿のような現状では、他省の長も似たようなものだと思うけど。
その中でもこの柳田大臣は質が悪い。どういう経歴の人か知らないけれど、自民党に空いている席がなかったから民主党から立候補して当選しただけの人のように思う。
面差しが鳩山邦夫元法務大臣に似ている。「死刑執行」の書類にどんどん判を押していくタイプではないか。
法律方面には全く素人で、「法務大臣任命」に本人が驚いたという。菅直人の各大臣の選び方は悪すぎる。それが自分の首をじわじわ絞めて、やがて窒息死に至るのであろう。
仙石官房長官発言。
参院予算委員会で、海保職員による「尖閣諸島付近での中国漁船衝突ビデオ」流出に関連して、公務員の政治的中立についての答弁。
「暴力装置でもある自衛隊は、ある種の軍事的組織だから、特段の政治的中立性が確保されなければならない」。
この発言はその通りだと思う。自衛隊も警察も海保も、国家権力が保持する「暴力装置」で、それは対外的と共に国内での国家に反抗する民衆に対する「抑圧装置」でもある。
仙石長官の経歴はよく知らないが、東大の学生時代、「全共闘」メンバーとして活動したとか。
「同和問題」などで、自治体にねじこんでいく「人権派弁護士」として活躍。

社会党の土井たか子さんに請われて、国会議員に立候補して当選。
が、政界再編の流れの中で、社民党に見切りをつけて民主党に移った「左から右へのシフト組」。
それでよく週刊誌に「赤い官房長官」などと書かれるのだが、左から右へ行った人は殆どが、金のため、名誉のため、野心のためだから人間として堕落していく運命をたどる。
最近では辻元清美議員がいい例だが、しかしそもそも彼女にそれほど思想的信念があったのかどうかは疑問のあるところだけれど。
菅総理も「市民活動家」出身などと言われるが、彼の場合は、国会議員になるために「市民派」を装っただけだったことがここへ来てはっきりした。
左から右へ転向していった人は既得権側に大歓迎される。自分達に反抗していた者が、その戦いをやめて「敗北宣言」したのだから。
これに対して、右側にいたのに政治家として活動し、選挙のたびに多くの普通の人達と接するうちに生活者の立場に立つようになった人達は人間として信用できる人達のような気がする。
小沢一郎、鈴木宗男、亀井静香、といった政治家は、理論からではなく現実から、大多数の勤労者市民の生活が成り立たなくては、この社会は立ち行かないということを自覚し、そのように活動しようとしてきた。
こういう政治家には既得権側は厳しい。逮捕し、収監し、起訴しようとしている。

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