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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

2010年代映画ベストテン 【6-23】それぞれのベスト_[しん(ALIQOUI film映評のページ)]

2020-03-21 00:12:49 | 映画ブロガーとSNS映画レビュアーによる10年代映画ベスト
2010年代映画ベストテン エントリーNo.23
しん
・ブログ「ALIQOUI film映評のページ」管理人
・インディーズ映画監督


埼玉県を拠点に映画製作 「巻貝たちの歓喜(2019)」「不完全世界(2019)」など
ブログの書き込みが少ない時は、映画製作で忙しい時だと思ってください・・・
この企画の仕掛け人
10年前の「ブロガーの00年代映画ベストテン」に引き続いての参加
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「しん」さんの2010年代映画ベストワン

日本映画 『風立ちぬ』 (2013)


監督・脚本:宮崎駿
出演:庵野秀明、瀧本美織

外国映画 『キック・アス』(2010)

監督:マシュー・ボーン
脚本:ジェーン・ゴールドマン マシュー・ボーン
撮影:ベン・デイビス
出演:アーロン・テイラー・ジョンソン、クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ケイジ、マーク・ストロング

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【エントリー詳細】
****ブロガー&SNS映画レビュアーによる10年代(2010~2019)の映画ベストテン****
【10年代 日本映画ベストテン】

1位『風立ちぬ』(宮崎駿)
2位『終の信託』(周防正行)
3位『野火』(塚本晋也)
4位『この世界の片隅に』(片渕須直)
5位『万引き家族』(是枝裕和)
6位『天気の子』(新海誠)
7位『リップヴァンウィンクルの花嫁』(岩井俊二)
8位『キツツキと雨』(沖田修一)
9位『ばしゃ馬さんとビッグマウス』(吉田恵輔)
10位『センターライン』(下向拓生) (インディーズ枠)

【コメント】

安倍長期政権の影響か、戦争でいい話を描こう、泣かせようとする映画が作られる。別にいいんだけど、人が人を殺すことが当たり前に行われるゲロ吐きたくなるような異常状況であることはきちんと伝えるべきだ。戦争をきちんと恐れ憎む「野火」、市民が戦争する国家の一員になっていく「この世界の片隅に」・・・戦争で人が死ぬことを美談として描かない戦争映画がこの10年代の記録として残したい。
そうなると「風立ちぬ」を1位に推すのはダブスタじゃないの?と思う人もいるかもしれないが、私はそうは思わない。アニメ、ヒーロー、プラモ、ゲームで戦争を日常で吸収していた自分にとって、純粋ゆえに戦争に加担していく「風立ちぬ」は、何よりも恐ろしく気持ち悪く心に刺さった。それは平和主義者なのに戦闘シーン大好きな巨匠がきちんと心と向き合った結果だ。
映画は作り手の心に対して正直であるべきだ。

インビジブルな人たちを描きたいという万引き家族に対して、あんな家族は日本にいないと政治家やネトウヨが言うのは喜劇だ

あなたのためにわが身を犠牲にして世界を守るではなく、お前が助かるなら世界なんかぶっ壊れてもいいという「天気の子」は10年代で一番ロックだった

岩井監督の最高傑作を待ち続けてまだ待たされてる感。早く岩井監督作品を1位に推せる年が来て欲しい(ラストレターじゃまだダメです)

沖田監督の、見えないものを見せ、聞こえない音を聞かす旨さにしびれる

泣けば名作とは思わない。しかしばしゃ馬は、この10年でもっとも泣いた。あの日再就職希望先の会社から不採用の通知を受けて落ち込んでいたこともあり、心が下がっていたのは大きく影響しているが、バカみたいに泣いた。そのあと頑張って転職決めて埼玉に移住した。

この10年は拙作「罪と罰と自由」が日本芸術センターでグランプリを頂いたり、作った映画をいろいろなところで評価させていただいた。
そして受かったコンペを中心にたくさんのインディーズ映画を鑑賞
何者にも縛られない自由なインディーズ映画は心のオアシス。10位は勝手にインデーズ枠とさせていただき、「ある程度の尺があるもの(30分くらいかそれ以上)」「私の作品に関わってくれた人の作品ではないこと」を条件に絞り込み、下向拓生さんの「センターライン」にインディーズ映画代表として10年代ベストテンの10位の席に座っていただくことにしました
「センターライン」は近未来、交通関係の事件担当に左遷された検事が、手柄を立てるために交通事故を起こした自動運転AIを起訴するが、AIは事件を否定どころか私は意思を持って殺したと言いだし事件は二転三転・・・
そんな映画です
他にこの枠に入れたかった映画は「色声」(八幡貴美)、「仇討ち」(谷口未央)、「もう一人のルームメイト」(中村公彦)、「パンクロックベイビー」(吉田麻希)
短編ですが「海辺の町編」「サトウくん」(佐々木想)、「ホモソーシャルダンス」(東海林毅)も推したい。
古本さんの「ラストムービー」も推したいけど古本さんと関係深すぎて癒着感あるので除外w

なお20位まで続けると
11.桐島、部活やめるってよ
12.i 新聞記者ドキュメント
13.風に濡れた女
14.舟を編む
15.戦争と一人の女
16.ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う
17.君の名は。
18.はやぶさ 遙かなる帰還
19.マルドゥックスクランブル圧縮
20.鍵泥棒のメソッド

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日本映画10年代ベスト監督
 『周防正行』(3点)
 『塚本晋也』(3点)

日本映画10年代ベスト女優
 『安藤サクラ』(3点)
 『のん』(2点)
 『麻生久美子』(1点)

日本映画10年代ベスト男優
 『塚本晋也』(3点)
 『リリー・フランキー』(2点)
 『オダギリジョー』(1点)

【コメント】

終の信託のラスト40分、座ってしゃべるだけなのに緊迫感ものすごいあのクライマックスは10年代の日本映画ベストシーンだと思う。そんな常識破りな演出をきめた周防さん。
そして塚本さんのインディーズ魂と、反戦精神リスペクト

女優はサクラさんは10年代女優として異論はないと思いますが、「ばしゃ馬」で俺を号泣させた麻生さんも捨てがたく、声だけなのに映画そのものだったのんさんも讃えたいです

塚本さんのセルフプロデュースも最高。外国映画だけど「沈黙」でジム・カヴィーセルの次くらいに磔姿が様になる人であることを世界に知らしめた。「斬、」も鬼気迫ってました。
リリーフランキーさんは八面六臂の大活躍でとびぬけていたと思います。「野火」の二人並べただけっぽくなりましたが。
オダギリさんはこの10年で元イケメンのダメ中年役が最高にはまる役者になりました。

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【10年代 外国映画ベストテン】
1位『キック・アス』(マシュー・ボーン)
2位『6才のボクが大人になるまで』(リチャード・リンクレーター)
3位『サウルの息子』(ネメシュ・ラースロー)
4位『オマールの壁』(ハニ・アブ・アサド)
5位『裸足の季節』(デニズ・ガムズ・エルギュヴェン)
6位『わたしは、ダニエル・ブレイク』(ケン・ローチ)
7位『私が、生きる肌』(ペドロ・アルモドバル)
8位『ゼロ・グラビティ』(アルフォンソ・キュアロン)
9位『アベンジャーズ エンドゲーム』(ルッソ兄弟)
10位『エクスペンダブルズ2』(サイモン・ウェスト)

【コメント】

ヒットガールが悪党どもを惨殺するシーンの数々にやられました。10才の女の子が屈強な男たちを次々とぶち殺していく様は、他の何もかもをぶち壊す力がありました。残虐の果ての感動こそ10年代映画に俺が求める要素として強いものになりました。
「6才の」は映画表現としての限界突破を感じました。時間すら超越するという。12年と言う歳月を2時間で描くこの映画は10年代のベスト映画にふさわしいと思えましたし、また9位アベンジャーズはまさにこの10年間で作ってきたシリーズの大団円として熱い感動を呼び、これもディケイド代表としてふさわしいと思えました。
そこで1位と10位を別格扱いとして、10年もの映画を2位と9位において、いろいろな映画を挟み込んだのです

「サウルの息子」は、「どう写すか」という映画の根源的な問いを突き詰めた感じがします
「オマールの壁」「裸足の季節」「ダニエルブレイク」は様々な国の今を問いかけ、映画は娯楽であり芸術であり、そして同時に社会の一部なのだと思うのです。

「私が生きる肌」は10年代で一番異常。見終わった後の気持ち悪い余韻は今でも忘れられません。
「ゼログラ」は宇宙を描く映画をそれ以前と以後に分けるほどの時代を作った映画でした。これほど、それ以前と以後をはっきり分けた境界値映画って「ジュラシックパーク」以来だと思います。

そして「エクスぺ2」は、生きてて良かったと思えるお祭りでした。10年代で唯一の劇場にお金払って二回見に行った映画でした。ドルフもヴァンダムもチャックノリスもみんな愛してるぜ。

なお20位まで続けると
11.スコット・ピルグリムVS邪悪な元カレ軍団
12.エレニの帰郷
13.宇宙人ポール
14.ア・ゴースト・ストーリー
15.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
16.家族を想うとき
17.おじいちゃんはデブゴン
18.アデル、ブルーは熱い色
19.セールスマン
20.ソーシャル・ネットワーク

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外国映画10年代ベスト監督
 『ケン・ローチ』( 3点)
 『ハニ・アブ=アサド』(2点)
 『デニズ・ガムズ・エルギュヴェン』(1点)

外国映画10年代ベスト女優
 『クロエ・グレース・モレッツ』( 3点)
 『ルーニー・マーラ』( 2点)
 『アデル・エグザルコプロス』( 1点)

外国映画10年代ベスト男優
 『ホアキン・フェニックス』( 3点)
 『サイモン・ペグ』( 2点)
 『サム・ロックウェル』( 1点)

【コメント】

「ダニエルブレイク」と「家族を想うとき」で社会への怒りをぶつけ社会的弱者への連帯を示したケン・ローチはいまや世界最後の左派巨匠となろうとしている。世界が右傾化していく10年代だからこそこの人の映画が輝くのは不幸なことなのかもしれない。
ハニ・アブ・アサドもパレスチナの今を描く。今の社会における映画の在り方を問う人を推したい。そう言う人日本にいないから。それでいて「オマールの壁」犯罪映画でスバイ映画で推理映画で青春映画で恋愛映画なジャンルを軽くまたぐ軽やかさがあり、「歌声にのった少年」も青春で社会派でミュージカルで、ドキュメンタリー要素もあって、結構とんでもない監督だと思う。
フランス資本とはいえ、トルコの現代社会、特に女性たちを巡る問題を描きながら、青春映画としても、脱走映画としても成立させた女性監督デニズ・ガムズ・エルギュヴェンはもっと評価されていいと思います

女優はキックアスのヒットガール役だけでクロエちゃんに決まり。でもヒットガール以降普通の役ばっか。クロエちゃんはもっと汚れているべきだ。ハリウッドからクロエちゃんを守れ。そんな彼女ももう23か・・・
ルーニーさんはテン入り作品はないけど10年代安定していい作品に貢献していたと思います。強くて弱い運命の女。
アデルさんはタイトルも自分の名前に変えてしまうほどの名演で単品作品での演技でいえば「アデル、ブルーは熱い色」の彼女が10年代最高だったと思います。レア・セドゥももちろん素晴らしかったけど彼女だけ売れちゃってちょっとかわいそう

男優は、テンから外したけど「ジョーカー」のホアキンの演技は10年代を代表する名演に違いない。
サイモン・ペグは本当はニック・フロストとセットで評価したいけど10年代後半は魅力的作品が少なかった気がして2番手に。
そして俺たちのブッシュ、サム・ロックウェル!

以上
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