みなさん 「アーノルド坊やは人気者」というアメリカのコメディドラマを知っていますか?
少なくとも4シーズンにわたり制作された、アメリカでは人気だったはずのテレビドラマです。
私が小学高学年から中学生くらいのころ(80年代中旬~後半)に(わが故郷・札幌では)毎週日曜の朝8時から30分枠で放送されていました。
またあわせて、月曜~金曜の午後5時~6時の再放送枠においては、「ルパン三世」「ガンダム」「トムとジェリー」と並ぶほどの定番番組で、なんだかんだと高校卒業くらいまでは毎年毎年放送されていました。
私は当然、日本全国の方が知っているものと思っていましたが、帰省した際に地元の友達との思い出話のなかで出てきて、どうやら一部のローカル局でだけ放送されていたらしいということを聞きました。
妻は知らなかったので長野県では放送されていなかったようです。
友達の話だと、大阪人と福岡人も知らなかったとのこと。
私の知人では静岡人と福島人と岐阜人は知っていましたが、一方で私と同年代の埼玉人と神奈川人は知りませんでした。(ってことは東京では放送していなかったのか?・・・・ま、人気があったと言ったって、よくても視聴率は10%未満だったでしょうし、そうなると10人中9人は知らないわけで・・・単に訊いた人がたまたま観てなかっただけかもしれません)
あの我が青春の大ヒットドラマが、ローカルでマイナーな番組だったとは・・・と軽いショックを受けました。
★★★★★★★
「アーノルド坊やは人気者」データ
ニューヨークの貧民街で生まれ育った黒人兄弟(兄ウィリス・ジャクソン、弟アーノルド)が、大富豪の白人(フィリップ・ドラモンド)の養子となる。
ドラマは基本的に一話完結で、主にドラモンド家のセットで展開される。
上記の三人に、ドラモンドさんの娘キンバリーと、ドラモンドさんの雇うお手伝いさん(初代ギャレットさん、二代目アデレードさん、三代目パールさん)の五人をレギュラーに物語は進む。
面白いことを言うと笑い声がインサートされ、いいことを言えば拍手や歓声がインサートされる、「奥さまは魔女」とかでおなじみのアメリカンコメディスタイル。
物語の設定上、人種差別をテーマにした回も多く作られた。他にも、麻薬、校内暴力など様々な社会問題を扱うなど野心的な面もある番組だった。
アーノルド坊やを演じていたのはゲイリー・コールマンという子役俳優だったが、ウィリスやキンバリーがシーズンを重ねるごとにどんどん大人っぽくなっていったのに対して、アーノルドはシーズンを通して背はほとんど伸びず子供らしいまま。
そのため、ゲイリー・コールマンは成長を止める薬を飲んでいる、その薬の副作用で亡くなった・・・などという都市伝説まで生まれた。
アーノルドの「冗談、顔だけにしろよ」という決め台詞は、私と同世代の札幌人なら確実に通じるネタである。
出演
ドラモンドさん・・・コンラッド・ベイン(川久保潔)
アーノルド・・・ゲイリー・コールマン(堀絢子→ハットリくん、「ムーミン」のミィ)
ウィリス・・・トッド・ブリッジス(野沢雅子→悟空、哲郎、怪物くん)
キンバリー・・・ダナ・プレイトウ(瀬戸薫)
★★★★★★★
ドラマエピソードの定番ネタ
『ドラモンドさんのロマンス』
うまくいったりうまくいかなかったり様々だが、一話完結ドラマなので以前のエピソードに登場した恋人など始めからいなかったかのように別の女性とのロマンスを展開させる。
だが最終的には恋人の一人マギーが準レギュラー化し、ついに結婚する。マギーとマギーの連れ子のサムがレギュラーに加わる。
『キンバリーのロマンス』
これもドラモンドさん同様、毎回毎回相手が代わる。キンバリーがボーイフレンドを連れてくるとドラモンドさんが不機嫌で無愛想になる。こちらも最終的にはボーイフレンドの一人と婚約したことをドラモンドさんに表明するに至るのだが、その後キンバリー役のダナ・プレイトウが何故かレギュラーから降ろされ彼女のロマンスの進展は見られなくなった。
(友達に聞いた話だがダナ・プレイトウは「アーノルド坊や」の後、様々なスキャンダルにまみれ、悲劇的な最期を迎えたという。この話はWikipediaにより詳しく書いてあった)
『ウィリスのロマンス』
こちらは上記2人と違い、ほぼ一環してシャーリーンという恋人が設定され、準レギュラーのシャーリーンが物語に華を添えていた。このシャーリーンを演じていたのがジャネット・ジャクソン(!!)
いまにして思えば事務所の売り込み的なものがあったのだろう。
★★★★★★★
印象的なエピソード(うろおぼえ)
『ドラモンドさんスタンド強盗を退治する』
ガソリンスタンドでバイトを始めたウィリス。ちょこまかうるさいアーノルドが機材の下敷きになりそうなところを突き飛ばして助けると、アーノルドは感動し「命の恩人のお兄ちゃんの側でずっと仕えるよ」と、必要以上にウィリスにつきまとう。ウザッたくなってきたウィリスは一計を案じ、スタンド仲間に強盗のフリをしてもらいアーノルドに追っ払わせて、恩を帳消しにしようとする。その計画を聞いたキンバリーとアデレードさんはアーノルドを騙して怖い思いをさせるなんて最低だ、と憤慨。キンバリーはウィリスに内緒で全てをアーノルドに話すと、アーノルドもそんな手に乗るものかと怒り強盗が銃を向けても全く怖がらないでウィリスの計画を失敗させてやると考える。
いよいよその決行の日となるが、そこには本物の強盗が本物の銃を持って登場。ビビりまくるウィリスに対して、お芝居だと思ってるアーノルドは本物の強盗に悪態をつき説教までする。そこに偽の強盗が登場し、アーノルドは今までさんざん罵倒してきた相手が本物の強盗と知って凍りつく。
するとそこにアデレードさんから一部始終を聞いたドラモンドさんが現れ、本物の強盗から拳銃をもぎ取ってしまう。「一体、今日はどうなってんだ」と言って逃げ出す本物の強盗。相手が本物だったと知って愕然とするドラモンドさんにアーノルドが「パパこそ僕の命の恩人だ、これからずっとパパの側に仕えるよ」と言う。
『アーノルド坊や版「羅生門」』
ドラモンド家に強盗が入りピストルを向けられたドラモンドさんとウィリスとアーノルドとキンバリーとパールさん。ところがパールさんが癲癇の発作を起しその介抱のためキンバリーと隣の部屋に行くと、キンバリーたちの耳に銃声が。あわてて部屋に戻ると強盗が気絶している。
警察の事情聴取に対し、ドラモンドさんとウィリスとアーノルドの三者の証言が全く食い違う。だが実はその一部始終をパールさんが見ていたのだった・・・
・・・という、まるで黒澤の「羅生門」だが、「羅生門」より面白いエピソード
『特別時間枠のスペシャルエピソード キンバリー危機一髪』
「アーノルド坊や」が人気だったため、夏休みか冬休みにいつもとは違う時間枠で、いつもは30分だが、60分の枠を取ってスペシャルエピソードとして放映されたもの。買い物に出かけたキンバリーとアーノルドだが、一人の青年に誘われてそいつの家に行ってしまう。はじめは優しく親しげに接してくる青年は次第に本性を表していき、アーノルドを監禁し、キンバリーをレイプしようとする。アーノルドは自力で脱出し家に戻りドラモンドさんらにキンバリーの危機を訴えるが無我夢中で犯人のアジトの場所が思い出せない。駆けつけた警察が催眠術を使ってアーノルドの記憶の断片を引き出して、アジトの場所を特定、間一髪のところでキンバリーは助けられる。
・・・などと割と犯罪ネタを多く覚えているのは、私がアクションサスペンス大好きだったからだろう。
他にもこんなエピソードやあんなエピソード
-----
アーノルドとウィリスがアフリカン・アメリカンの血と伝統という民族意識に目覚め、白人名を捨て自分たちの部屋でアフリカンダンスをするなどして、ドラモンドさんとキンバリーと対立する
-----
キンバリーがデートに備えて髪を染めたら、髪にいいと言われて使った雨水のせいで髪が緑色になってしまう。大気汚染と酸性雨の影響を訴えるためぜひテレビに出てくれという環境団体に、恥ずかしいしデートの方が大事と言うキンバリー
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ドラモンド家の高層マンションで火災が発生。最上階のドラモンド一家の運命は・・・
-----
ドラモンドさんが破産の危機。会社が危ないと聞いたアーノルドとウィリスは生活保護の申請に行く(だったかな)
-----
などなど。思い返すと懐かしい。
★★★★★★★
豪華ゲスト出演者のエピソード
「アーノルド坊やは人気者」では、スペシャルゲストが登場するエピソードが幾つか作られ、話題を呼んだ。
『モハメド・アリ登場』
モハメド・アリの大ファンのアーノルドがドラモンドさんのコネでアリに会えることになった。喜ぶアーノルドだが予定が合わず、やはり会うことはできないという。がっかりのアーノルドを可哀想に思ったウィリスとキンバリーは、よく聞くスポーツ選手の美談「重病の子供を勇気づけるためスター選手が見舞いにくる」を思い出し、アーノルドに仮病させてアリにぜひあって欲しいと言う。
アリの泊まっているというホテルを訪れるウィリスとキンバリー。ボーイから居所を聞くことに成功。
キンバリー「お礼したいんだけど1ドルじゃ馬鹿にしてるみたいで」
ボーイ「いいのいいの。馬鹿にして頂戴」
そうしてついにアリ登場
アリ「俺の居所を知るのにいくら使った?」
キンバリー「1ドル」
アリ「1ドルだって?テニスのジョン・マッケンローだって2ドル使わせたのに?」
『ナンシー・レーガンがゲストで登場』
たしか、少年たちにはびこる麻薬を題材にしたエピソードだったと思う。ウィリスかアーノルドが少年麻薬犯罪に巻き込まれるか何かして、そうするとそのニュースを聞きつけた当時の大統領夫人だったナンシー・レーガンがSPやテレビのスタッフと共にドラモンド家を訪れ、麻薬に手を染めないでとカメラに向かって(つまり視聴者に向かって)訴える。
ナンシー・レーガンとアーノルドたちが喋っている最中、ドラモンド家に電話がかかってくる。電話の主はロナルド・レーガン大統領でナンシーが「わかってるわ。愛してるわ。」などと喋っているのを、アーノルドたちがうひょぉぉぉという顔で聞いている。
『ミスターTがゲストで登場』
ミスターTとは、元レスラーで、モヒカン刈りがトレードマークの大柄の黒人だ。「ロッキー3」のロッキーの敵役で、アーノルド坊や放送当時は「特攻野郎Aチーム」のレギュラー、B.A.バラカス役(日本語版での役名は「コング」)で人気だった。
曖昧な記憶だが「アーノルド坊や」でゲスト登場した回の日本語吹き替えも「Aチーム」のコングと同じ飯塚昭三が担当していたと思う。
ひょんなことからドラモンドさんの家で「特攻野郎Aチーム」のロケが行われることになる。ドラモンド家の外にはロケ隊や「Aチーム」の他のレギュラーも来ているという設定
キンバリー「ねえ聞いて、わたしジョージ・ペパードに話しかけられちゃったの(うっとり)」
ウィリス「なんて?」
キンバリー「そこ、僕の席だからどいて・・・って(うっとり)」
アーノルドは好きな女の子を、ミスターTに会えることをダシにして家に呼ぶが、その娘がミスターTのことばかり話すので頭に来てしまう。
そして現れたミスターT と女の子が喋っているところに、ミスターTと同じモヒカン刈りにしたアーノルドが乱入してくる。
あんたがやってもかっこよくないと女の子に言われショックのアーノルドをミスターTが慰め、アーノルドとミスターTに男の友情が生まれる。
クライマックスはドラモンド家で行われる「Aチーム」のロケシーンで、殺人鬼が女性を襲おうとしていると、ドラモンド家のドアをミスターTが素手でぶっ壊して登場。殺人鬼をボコボコにしていると、そこに家でロケが行われているなんて知らなかったパールさんが帰宅し、本物の花瓶でミスターTをぶん殴る。ミスターTは撮影用はこっちだ!!と言って別の花瓶を手にして自分で自分の頭にぶつけて割る。スタッフたちが、なんなのこのおばさん・・・とかなんとか言って撮影は一旦中断となる。
『ナイトライダーがゲストで登場』
突然ドラモンドさんに別れを告げロスに旅立ってしまったマギーを追って、ドラモンドさんはアーノルド、ウィリス、キンバリー、それにアーノルドの友達のダドリーを連れてロスに行く。
ドラモンドさんとマギーのロマンスはさておいてアーノルドとダドリーはハリウッド見学に行き、憧れのナイトライダーを探す。
ちなみに「ナイトライダー」とは当時放送されていたアクションドラマで、人工知能搭載の喋る車ナイト2000(愛称はキット)と、そのドライバーであるマイケル・ナイト(演じるのはデビッド・ハッセルホフ)が悪人たちをやっつけるドラマだ。ナイト2000は弾丸を跳ね返しグレネードランチャーを喰らってもびくともしない頑丈なボディを持ち、武器は搭載されていないが、強力な磁力のようなもので敵の車のエンジンをロックしたり、「ターボブースト」を起動させれば大ジャンプして敵の車を飛び越えたり、高い塀を飛び越えたりできる。
マイケル・ナイトが腕時計型無線機で「キット、来てくれ!!」と言えば、「わかりましたマイケル」と言って自走して来てくれる。気絶したマイケルを銃弾から救うため勝手に動いて盾代わりになるなどもしばしば。「マイケル・ナイトいらねえじゃん」と当時中学生だった私たちにもつっこまれながら高視聴率をキープ。札幌ではたしか毎週水曜の夜八時からテレ朝系で放送していた。ちなみに同水曜の夜九時からは日テレ系でやはりアメリカのアクションドラマ「超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ」が放送され、水曜のゴールデンタイムはアメリカアクションドラマの時間帯だった。ちなみのちなみに前述の「Aチーム」は札幌ではテレ朝系で土曜深夜に放送され野球中継の延長や特番などで放送時間はずれまくり遅いときは2時近くから放送されたりしていた(その後日曜の昼に移動)。
話はめっちゃそれたが、憧れの「ナイトライダー」のロケ現場を発見したアーノルドとダドリーはマイケル・ナイト(デビッド・ハッセルホフ)を驚かそうとセットの片隅に駐車されていた車に隠れる。その車は火薬が仕掛けられた爆発炎上シーン用の車だった。監督の合図で車を爆破しようとする特殊効果マンの手元アップでそのエピソードは終了。翌週の続きのエピソードではマイケル・ナイトが寸でのところで車の中のアーノルドたちを発見し、事なきを得る。
この回でなんといっても印象深いのはナイト2000の台詞だ。
監督がデビッド・ハッセルホフに演技の指示を出す
Dハッセルホフ「わかったか、キット」
ナイト2000「よく判ってます。貴方より詳しくね」
アーノルドたちがハッセルホフと喋りながらナイト2000によりかかる
ナイト2000「気安く触るな!!私はスターだぞ!!」
ところでマイケル・ナイトの吹き替えは、本放送ではささきいさおが担当していたが、「アーノルド坊や」のゲスト出演では別の声優が声を充てていた。ナイトライダーファン的には少し残念だった。
ただしナイト2000の声は本放送と同じ野島昭生だったように記憶している。
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ゲストというわけではないが、アーノルドの学校の校長先生を演じていたのはドラマ「奥さまは魔女」でダーリン・スティーブンス役(たぶん二代目の方)を演じていた俳優だった。
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少なくとも4シーズンにわたり制作された、アメリカでは人気だったはずのテレビドラマです。
私が小学高学年から中学生くらいのころ(80年代中旬~後半)に(わが故郷・札幌では)毎週日曜の朝8時から30分枠で放送されていました。
またあわせて、月曜~金曜の午後5時~6時の再放送枠においては、「ルパン三世」「ガンダム」「トムとジェリー」と並ぶほどの定番番組で、なんだかんだと高校卒業くらいまでは毎年毎年放送されていました。
私は当然、日本全国の方が知っているものと思っていましたが、帰省した際に地元の友達との思い出話のなかで出てきて、どうやら一部のローカル局でだけ放送されていたらしいということを聞きました。
妻は知らなかったので長野県では放送されていなかったようです。
友達の話だと、大阪人と福岡人も知らなかったとのこと。
私の知人では静岡人と福島人と岐阜人は知っていましたが、一方で私と同年代の埼玉人と神奈川人は知りませんでした。(ってことは東京では放送していなかったのか?・・・・ま、人気があったと言ったって、よくても視聴率は10%未満だったでしょうし、そうなると10人中9人は知らないわけで・・・単に訊いた人がたまたま観てなかっただけかもしれません)
あの我が青春の大ヒットドラマが、ローカルでマイナーな番組だったとは・・・と軽いショックを受けました。
★★★★★★★
「アーノルド坊やは人気者」データ
ニューヨークの貧民街で生まれ育った黒人兄弟(兄ウィリス・ジャクソン、弟アーノルド)が、大富豪の白人(フィリップ・ドラモンド)の養子となる。
ドラマは基本的に一話完結で、主にドラモンド家のセットで展開される。
上記の三人に、ドラモンドさんの娘キンバリーと、ドラモンドさんの雇うお手伝いさん(初代ギャレットさん、二代目アデレードさん、三代目パールさん)の五人をレギュラーに物語は進む。
面白いことを言うと笑い声がインサートされ、いいことを言えば拍手や歓声がインサートされる、「奥さまは魔女」とかでおなじみのアメリカンコメディスタイル。
物語の設定上、人種差別をテーマにした回も多く作られた。他にも、麻薬、校内暴力など様々な社会問題を扱うなど野心的な面もある番組だった。
アーノルド坊やを演じていたのはゲイリー・コールマンという子役俳優だったが、ウィリスやキンバリーがシーズンを重ねるごとにどんどん大人っぽくなっていったのに対して、アーノルドはシーズンを通して背はほとんど伸びず子供らしいまま。
そのため、ゲイリー・コールマンは成長を止める薬を飲んでいる、その薬の副作用で亡くなった・・・などという都市伝説まで生まれた。
アーノルドの「冗談、顔だけにしろよ」という決め台詞は、私と同世代の札幌人なら確実に通じるネタである。
出演
ドラモンドさん・・・コンラッド・ベイン(川久保潔)
アーノルド・・・ゲイリー・コールマン(堀絢子→ハットリくん、「ムーミン」のミィ)
ウィリス・・・トッド・ブリッジス(野沢雅子→悟空、哲郎、怪物くん)
キンバリー・・・ダナ・プレイトウ(瀬戸薫)
★★★★★★★
ドラマエピソードの定番ネタ
『ドラモンドさんのロマンス』
うまくいったりうまくいかなかったり様々だが、一話完結ドラマなので以前のエピソードに登場した恋人など始めからいなかったかのように別の女性とのロマンスを展開させる。
だが最終的には恋人の一人マギーが準レギュラー化し、ついに結婚する。マギーとマギーの連れ子のサムがレギュラーに加わる。
『キンバリーのロマンス』
これもドラモンドさん同様、毎回毎回相手が代わる。キンバリーがボーイフレンドを連れてくるとドラモンドさんが不機嫌で無愛想になる。こちらも最終的にはボーイフレンドの一人と婚約したことをドラモンドさんに表明するに至るのだが、その後キンバリー役のダナ・プレイトウが何故かレギュラーから降ろされ彼女のロマンスの進展は見られなくなった。
(友達に聞いた話だがダナ・プレイトウは「アーノルド坊や」の後、様々なスキャンダルにまみれ、悲劇的な最期を迎えたという。この話はWikipediaにより詳しく書いてあった)
『ウィリスのロマンス』
こちらは上記2人と違い、ほぼ一環してシャーリーンという恋人が設定され、準レギュラーのシャーリーンが物語に華を添えていた。このシャーリーンを演じていたのがジャネット・ジャクソン(!!)
いまにして思えば事務所の売り込み的なものがあったのだろう。
★★★★★★★
印象的なエピソード(うろおぼえ)
『ドラモンドさんスタンド強盗を退治する』
ガソリンスタンドでバイトを始めたウィリス。ちょこまかうるさいアーノルドが機材の下敷きになりそうなところを突き飛ばして助けると、アーノルドは感動し「命の恩人のお兄ちゃんの側でずっと仕えるよ」と、必要以上にウィリスにつきまとう。ウザッたくなってきたウィリスは一計を案じ、スタンド仲間に強盗のフリをしてもらいアーノルドに追っ払わせて、恩を帳消しにしようとする。その計画を聞いたキンバリーとアデレードさんはアーノルドを騙して怖い思いをさせるなんて最低だ、と憤慨。キンバリーはウィリスに内緒で全てをアーノルドに話すと、アーノルドもそんな手に乗るものかと怒り強盗が銃を向けても全く怖がらないでウィリスの計画を失敗させてやると考える。
いよいよその決行の日となるが、そこには本物の強盗が本物の銃を持って登場。ビビりまくるウィリスに対して、お芝居だと思ってるアーノルドは本物の強盗に悪態をつき説教までする。そこに偽の強盗が登場し、アーノルドは今までさんざん罵倒してきた相手が本物の強盗と知って凍りつく。
するとそこにアデレードさんから一部始終を聞いたドラモンドさんが現れ、本物の強盗から拳銃をもぎ取ってしまう。「一体、今日はどうなってんだ」と言って逃げ出す本物の強盗。相手が本物だったと知って愕然とするドラモンドさんにアーノルドが「パパこそ僕の命の恩人だ、これからずっとパパの側に仕えるよ」と言う。
『アーノルド坊や版「羅生門」』
ドラモンド家に強盗が入りピストルを向けられたドラモンドさんとウィリスとアーノルドとキンバリーとパールさん。ところがパールさんが癲癇の発作を起しその介抱のためキンバリーと隣の部屋に行くと、キンバリーたちの耳に銃声が。あわてて部屋に戻ると強盗が気絶している。
警察の事情聴取に対し、ドラモンドさんとウィリスとアーノルドの三者の証言が全く食い違う。だが実はその一部始終をパールさんが見ていたのだった・・・
・・・という、まるで黒澤の「羅生門」だが、「羅生門」より面白いエピソード
『特別時間枠のスペシャルエピソード キンバリー危機一髪』
「アーノルド坊や」が人気だったため、夏休みか冬休みにいつもとは違う時間枠で、いつもは30分だが、60分の枠を取ってスペシャルエピソードとして放映されたもの。買い物に出かけたキンバリーとアーノルドだが、一人の青年に誘われてそいつの家に行ってしまう。はじめは優しく親しげに接してくる青年は次第に本性を表していき、アーノルドを監禁し、キンバリーをレイプしようとする。アーノルドは自力で脱出し家に戻りドラモンドさんらにキンバリーの危機を訴えるが無我夢中で犯人のアジトの場所が思い出せない。駆けつけた警察が催眠術を使ってアーノルドの記憶の断片を引き出して、アジトの場所を特定、間一髪のところでキンバリーは助けられる。
・・・などと割と犯罪ネタを多く覚えているのは、私がアクションサスペンス大好きだったからだろう。
他にもこんなエピソードやあんなエピソード
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アーノルドとウィリスがアフリカン・アメリカンの血と伝統という民族意識に目覚め、白人名を捨て自分たちの部屋でアフリカンダンスをするなどして、ドラモンドさんとキンバリーと対立する
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キンバリーがデートに備えて髪を染めたら、髪にいいと言われて使った雨水のせいで髪が緑色になってしまう。大気汚染と酸性雨の影響を訴えるためぜひテレビに出てくれという環境団体に、恥ずかしいしデートの方が大事と言うキンバリー
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ドラモンド家の高層マンションで火災が発生。最上階のドラモンド一家の運命は・・・
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ドラモンドさんが破産の危機。会社が危ないと聞いたアーノルドとウィリスは生活保護の申請に行く(だったかな)
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などなど。思い返すと懐かしい。
★★★★★★★
豪華ゲスト出演者のエピソード
「アーノルド坊やは人気者」では、スペシャルゲストが登場するエピソードが幾つか作られ、話題を呼んだ。
『モハメド・アリ登場』
モハメド・アリの大ファンのアーノルドがドラモンドさんのコネでアリに会えることになった。喜ぶアーノルドだが予定が合わず、やはり会うことはできないという。がっかりのアーノルドを可哀想に思ったウィリスとキンバリーは、よく聞くスポーツ選手の美談「重病の子供を勇気づけるためスター選手が見舞いにくる」を思い出し、アーノルドに仮病させてアリにぜひあって欲しいと言う。
アリの泊まっているというホテルを訪れるウィリスとキンバリー。ボーイから居所を聞くことに成功。
キンバリー「お礼したいんだけど1ドルじゃ馬鹿にしてるみたいで」
ボーイ「いいのいいの。馬鹿にして頂戴」
そうしてついにアリ登場
アリ「俺の居所を知るのにいくら使った?」
キンバリー「1ドル」
アリ「1ドルだって?テニスのジョン・マッケンローだって2ドル使わせたのに?」
『ナンシー・レーガンがゲストで登場』
たしか、少年たちにはびこる麻薬を題材にしたエピソードだったと思う。ウィリスかアーノルドが少年麻薬犯罪に巻き込まれるか何かして、そうするとそのニュースを聞きつけた当時の大統領夫人だったナンシー・レーガンがSPやテレビのスタッフと共にドラモンド家を訪れ、麻薬に手を染めないでとカメラに向かって(つまり視聴者に向かって)訴える。
ナンシー・レーガンとアーノルドたちが喋っている最中、ドラモンド家に電話がかかってくる。電話の主はロナルド・レーガン大統領でナンシーが「わかってるわ。愛してるわ。」などと喋っているのを、アーノルドたちがうひょぉぉぉという顔で聞いている。
『ミスターTがゲストで登場』
ミスターTとは、元レスラーで、モヒカン刈りがトレードマークの大柄の黒人だ。「ロッキー3」のロッキーの敵役で、アーノルド坊や放送当時は「特攻野郎Aチーム」のレギュラー、B.A.バラカス役(日本語版での役名は「コング」)で人気だった。
曖昧な記憶だが「アーノルド坊や」でゲスト登場した回の日本語吹き替えも「Aチーム」のコングと同じ飯塚昭三が担当していたと思う。
ひょんなことからドラモンドさんの家で「特攻野郎Aチーム」のロケが行われることになる。ドラモンド家の外にはロケ隊や「Aチーム」の他のレギュラーも来ているという設定
キンバリー「ねえ聞いて、わたしジョージ・ペパードに話しかけられちゃったの(うっとり)」
ウィリス「なんて?」
キンバリー「そこ、僕の席だからどいて・・・って(うっとり)」
アーノルドは好きな女の子を、ミスターTに会えることをダシにして家に呼ぶが、その娘がミスターTのことばかり話すので頭に来てしまう。
そして現れたミスターT と女の子が喋っているところに、ミスターTと同じモヒカン刈りにしたアーノルドが乱入してくる。
あんたがやってもかっこよくないと女の子に言われショックのアーノルドをミスターTが慰め、アーノルドとミスターTに男の友情が生まれる。
クライマックスはドラモンド家で行われる「Aチーム」のロケシーンで、殺人鬼が女性を襲おうとしていると、ドラモンド家のドアをミスターTが素手でぶっ壊して登場。殺人鬼をボコボコにしていると、そこに家でロケが行われているなんて知らなかったパールさんが帰宅し、本物の花瓶でミスターTをぶん殴る。ミスターTは撮影用はこっちだ!!と言って別の花瓶を手にして自分で自分の頭にぶつけて割る。スタッフたちが、なんなのこのおばさん・・・とかなんとか言って撮影は一旦中断となる。
『ナイトライダーがゲストで登場』
突然ドラモンドさんに別れを告げロスに旅立ってしまったマギーを追って、ドラモンドさんはアーノルド、ウィリス、キンバリー、それにアーノルドの友達のダドリーを連れてロスに行く。
ドラモンドさんとマギーのロマンスはさておいてアーノルドとダドリーはハリウッド見学に行き、憧れのナイトライダーを探す。
ちなみに「ナイトライダー」とは当時放送されていたアクションドラマで、人工知能搭載の喋る車ナイト2000(愛称はキット)と、そのドライバーであるマイケル・ナイト(演じるのはデビッド・ハッセルホフ)が悪人たちをやっつけるドラマだ。ナイト2000は弾丸を跳ね返しグレネードランチャーを喰らってもびくともしない頑丈なボディを持ち、武器は搭載されていないが、強力な磁力のようなもので敵の車のエンジンをロックしたり、「ターボブースト」を起動させれば大ジャンプして敵の車を飛び越えたり、高い塀を飛び越えたりできる。
マイケル・ナイトが腕時計型無線機で「キット、来てくれ!!」と言えば、「わかりましたマイケル」と言って自走して来てくれる。気絶したマイケルを銃弾から救うため勝手に動いて盾代わりになるなどもしばしば。「マイケル・ナイトいらねえじゃん」と当時中学生だった私たちにもつっこまれながら高視聴率をキープ。札幌ではたしか毎週水曜の夜八時からテレ朝系で放送していた。ちなみに同水曜の夜九時からは日テレ系でやはりアメリカのアクションドラマ「超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ」が放送され、水曜のゴールデンタイムはアメリカアクションドラマの時間帯だった。ちなみのちなみに前述の「Aチーム」は札幌ではテレ朝系で土曜深夜に放送され野球中継の延長や特番などで放送時間はずれまくり遅いときは2時近くから放送されたりしていた(その後日曜の昼に移動)。
話はめっちゃそれたが、憧れの「ナイトライダー」のロケ現場を発見したアーノルドとダドリーはマイケル・ナイト(デビッド・ハッセルホフ)を驚かそうとセットの片隅に駐車されていた車に隠れる。その車は火薬が仕掛けられた爆発炎上シーン用の車だった。監督の合図で車を爆破しようとする特殊効果マンの手元アップでそのエピソードは終了。翌週の続きのエピソードではマイケル・ナイトが寸でのところで車の中のアーノルドたちを発見し、事なきを得る。
この回でなんといっても印象深いのはナイト2000の台詞だ。
監督がデビッド・ハッセルホフに演技の指示を出す
Dハッセルホフ「わかったか、キット」
ナイト2000「よく判ってます。貴方より詳しくね」
アーノルドたちがハッセルホフと喋りながらナイト2000によりかかる
ナイト2000「気安く触るな!!私はスターだぞ!!」
ところでマイケル・ナイトの吹き替えは、本放送ではささきいさおが担当していたが、「アーノルド坊や」のゲスト出演では別の声優が声を充てていた。ナイトライダーファン的には少し残念だった。
ただしナイト2000の声は本放送と同じ野島昭生だったように記憶している。
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ゲストというわけではないが、アーノルドの学校の校長先生を演じていたのはドラマ「奥さまは魔女」でダーリン・スティーブンス役(たぶん二代目の方)を演じていた俳優だった。
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
「アーノルド坊や」夕方のまったりした時間帯に観てました。たまに放送時間帯が突然変更したり、急に放送終了したり、そうかと思うとまた復活したりと、気まぐれに放送されたましたね・・。
他にも「ヒルストリートブルース」も夜中にひっそりと放送されてて、結構好きでした。
ちなみに香川県人です。
情報ありがとうございます。
いまのとこ放送が確認された地域
北海道
福島
静岡
愛知
岐阜
香川
・・・となってます。
東京でやっていたのか?気になるところです。
まったりするのにいい番組でしたよね!!