お気に入りのセリフはありました? 私のお気に入りは
「彼女の任務は命令に従うことだ」
モニカ・ベルッチ様(世界一好きな女優)&ヴァンサン・カッセル(肉体派カップル欧州代表)のリアルタッチなスパイ映画で、国家に利用される2人の悲しみと重圧感がいい感じだが、ツボ科白は国家権力の手先である官僚たちの独壇場。
特にフランス情報部(?)のリーダー格が独り占め。冷酷でいいよね。ああいうセリフ。
他にも、これはモニカ(世界一溺れたい女)演じるリザの夢の中でのボスとのやりとり。ビルの屋上で
「飛べ、君ならできる。君にはその能力がある」
「高いわ」
「そうだ。飛べ」
しかしそんな彼もマシーンではない
「私も自分の仕事の意義を見失うことがある。誰もがぶつかる壁だ。だが私には他の生き方はできない」
他の生き方ができない、という意味のことは爆破工作の前にヴァンサン・カッセル演じるジョルジュも語る。
情報部のボスは、自分とジョルジュの違いをよく理解している
組織のコントロールから外れて女を取り戻すため一人で暴走するジョルジュ。なぜそんなことをするのか理解できないという、外交官に言う
「裏切られたという人間感情からだろう」
否定も肯定もせず、自分達と異なる奴であると客観的に分析して言っている。
ちょっと格下のエージェントも
「目的は彼女を逮捕させることだ。詳細は興味ない」
これだからお役所仕事はこまるんだ!!
作品は、90年代以降のハリウッドでわさわさ作られる派手な演出はなく、同じハリウッドでも70~80年代に作られていた作品群、ジョン・ル・カレやらフレデリック・フォーサイス系の渋いスパイムービー。007風あるいはブラッカイマー調の現実離れした秘密兵器も、無駄にド迫力なアクションシーンもなく、レトロな感じがよい。
リアル指向で、ストーリーも先が読めない(こともないが、ミエミエではない)。登場キャラもスーパーヒーローではなく普通人(ただし情報部や特殊部隊基準での普通)。
などと書いてはみたものの、スパイだの秘密工作員だのの「リアル」って何なんだ?連中がどんな組織かほとんど知らない我ら庶民にとって、リアルタッチのスパイと、007やゴルゴ13にどれほどの違いがあるというのか?・・・考えても不毛だからやめよう。
重要なのは国家からの重圧に押しつぶされそうになりながらも、生きるために戦う主人公たちがかっこいい、ということなんだ。
とはいっても、高速道路でのクラッシュシーン。あれは普通死ぬだろ。それでも元気に走り回るジョルジュ。こいつは生きるために戦うというより、戦うために生きているのかもしれない。
ほかちょっと面白かったのは、アメリカとフランスが血みどろの応酬合戦するところ。昨今の米仏の関係を見るにつけ、ありそう、って思う。スパイ映画といえば共産主義者を皆殺しにしていればよかった時代は終わり、新たな敵を模索しなければならなくなった。
総合すると好きな映画だが、あんまり人には薦められない。ラスト、モニカ・ベルッチ様(世界一エロい女優)が殺されてぶちぎれたヴァンサンがフランスもアメリカも関係者皆殺しにすればよかったのに(殺す前には決め台詞の一つも吐いて)・・・ってそんなことしたらそれこそシュワルツェネッガー映画と同じだな。ともあれスパイ好きは見るべし。
思い付くままにスパイ・バウンド観ながら連想した映画
「ターゲット」(アーサー・ペン監督、ジーン・ハックマン)
「ザ・パッケージ 暴かれた陰謀」(アンドリュー・デイビス監督 ジーン・ハックマン)
「ジャッカルの日」(フレッド・ジネマン監督 エドワード・フォックス)
「ロシアン・ルーレット」(監督忘れた ジーン・ハックマン)
「第4の核」(監督忘れた マイケル・ケイン)
「二重スパイ」(監督忘れた ハン・ソッキュ)
最後にいいセリフじゃないけど、ジョルジュの打ち込む暗号メールの文面がかっこよかったので
「希望は恐怖の前ぶれ」
※記載した科白はすべてうろ覚えです。また私はフランス語を全く解さないので、字幕と原語のニュアンスの違いは判るはずもありません。
*******1LDO Diary | 「スパイ・バウンド」は駄作か名作か? に僕が書き込んだコメント***********
________↑観に行くまでの葛藤→劇場での状況レポート→観た後の比較分析→結論として絶賛…とまるでドキュメンタリー映画でも観た気にさせる面白いブログ記事
この映画は、色々なところのブログを拝見する限り、「絶賛派」と「完全否定派」きれいに別れるようです。
・90年代後半以降のハリウッドのアクション・サスペンス映画は大好きだけど、ハリウッド70年代までのアクション・サスペンス映画は退屈と思う人
・007ならピアース・ボンドは大好きだけど、ショーン・コネリー・ボンドは退屈という人
・・・には、何を言ってもこの映画の良さはわからないでしょう。
ま、実際この映画にも多少のシナリオ練り込み不足は感じるし、不協和音ぽい音楽が重苦しさを倍増させてたりもしてデートムービーに選んじゃったカップルたちに気まずい雰囲気を提供してしまったりで、あんまお勧めはできない作品です。(薦める人を選ぶ作品)
宣伝だって初めっから玄人ねらいでいっても良かったと思います。
でも、私的には久々の骨太スパイ映画で充分に堪能させてもらいました。
ちなみに私は、90年代以降も、70年代までも、ピアースもコネリーも大好きです
***********************
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
「彼女の任務は命令に従うことだ」
モニカ・ベルッチ様(世界一好きな女優)&ヴァンサン・カッセル(肉体派カップル欧州代表)のリアルタッチなスパイ映画で、国家に利用される2人の悲しみと重圧感がいい感じだが、ツボ科白は国家権力の手先である官僚たちの独壇場。
特にフランス情報部(?)のリーダー格が独り占め。冷酷でいいよね。ああいうセリフ。
他にも、これはモニカ(世界一溺れたい女)演じるリザの夢の中でのボスとのやりとり。ビルの屋上で
「飛べ、君ならできる。君にはその能力がある」
「高いわ」
「そうだ。飛べ」
しかしそんな彼もマシーンではない
「私も自分の仕事の意義を見失うことがある。誰もがぶつかる壁だ。だが私には他の生き方はできない」
他の生き方ができない、という意味のことは爆破工作の前にヴァンサン・カッセル演じるジョルジュも語る。
情報部のボスは、自分とジョルジュの違いをよく理解している
組織のコントロールから外れて女を取り戻すため一人で暴走するジョルジュ。なぜそんなことをするのか理解できないという、外交官に言う
「裏切られたという人間感情からだろう」
否定も肯定もせず、自分達と異なる奴であると客観的に分析して言っている。
ちょっと格下のエージェントも
「目的は彼女を逮捕させることだ。詳細は興味ない」
これだからお役所仕事はこまるんだ!!
作品は、90年代以降のハリウッドでわさわさ作られる派手な演出はなく、同じハリウッドでも70~80年代に作られていた作品群、ジョン・ル・カレやらフレデリック・フォーサイス系の渋いスパイムービー。007風あるいはブラッカイマー調の現実離れした秘密兵器も、無駄にド迫力なアクションシーンもなく、レトロな感じがよい。
リアル指向で、ストーリーも先が読めない(こともないが、ミエミエではない)。登場キャラもスーパーヒーローではなく普通人(ただし情報部や特殊部隊基準での普通)。
などと書いてはみたものの、スパイだの秘密工作員だのの「リアル」って何なんだ?連中がどんな組織かほとんど知らない我ら庶民にとって、リアルタッチのスパイと、007やゴルゴ13にどれほどの違いがあるというのか?・・・考えても不毛だからやめよう。
重要なのは国家からの重圧に押しつぶされそうになりながらも、生きるために戦う主人公たちがかっこいい、ということなんだ。
とはいっても、高速道路でのクラッシュシーン。あれは普通死ぬだろ。それでも元気に走り回るジョルジュ。こいつは生きるために戦うというより、戦うために生きているのかもしれない。
ほかちょっと面白かったのは、アメリカとフランスが血みどろの応酬合戦するところ。昨今の米仏の関係を見るにつけ、ありそう、って思う。スパイ映画といえば共産主義者を皆殺しにしていればよかった時代は終わり、新たな敵を模索しなければならなくなった。
総合すると好きな映画だが、あんまり人には薦められない。ラスト、モニカ・ベルッチ様(世界一エロい女優)が殺されてぶちぎれたヴァンサンがフランスもアメリカも関係者皆殺しにすればよかったのに(殺す前には決め台詞の一つも吐いて)・・・ってそんなことしたらそれこそシュワルツェネッガー映画と同じだな。ともあれスパイ好きは見るべし。
思い付くままにスパイ・バウンド観ながら連想した映画
「ターゲット」(アーサー・ペン監督、ジーン・ハックマン)
「ザ・パッケージ 暴かれた陰謀」(アンドリュー・デイビス監督 ジーン・ハックマン)
「ジャッカルの日」(フレッド・ジネマン監督 エドワード・フォックス)
「ロシアン・ルーレット」(監督忘れた ジーン・ハックマン)
「第4の核」(監督忘れた マイケル・ケイン)
「二重スパイ」(監督忘れた ハン・ソッキュ)
最後にいいセリフじゃないけど、ジョルジュの打ち込む暗号メールの文面がかっこよかったので
「希望は恐怖の前ぶれ」
※記載した科白はすべてうろ覚えです。また私はフランス語を全く解さないので、字幕と原語のニュアンスの違いは判るはずもありません。
*******1LDO Diary | 「スパイ・バウンド」は駄作か名作か? に僕が書き込んだコメント***********
________↑観に行くまでの葛藤→劇場での状況レポート→観た後の比較分析→結論として絶賛…とまるでドキュメンタリー映画でも観た気にさせる面白いブログ記事
この映画は、色々なところのブログを拝見する限り、「絶賛派」と「完全否定派」きれいに別れるようです。
・90年代後半以降のハリウッドのアクション・サスペンス映画は大好きだけど、ハリウッド70年代までのアクション・サスペンス映画は退屈と思う人
・007ならピアース・ボンドは大好きだけど、ショーン・コネリー・ボンドは退屈という人
・・・には、何を言ってもこの映画の良さはわからないでしょう。
ま、実際この映画にも多少のシナリオ練り込み不足は感じるし、不協和音ぽい音楽が重苦しさを倍増させてたりもしてデートムービーに選んじゃったカップルたちに気まずい雰囲気を提供してしまったりで、あんまお勧めはできない作品です。(薦める人を選ぶ作品)
宣伝だって初めっから玄人ねらいでいっても良かったと思います。
でも、私的には久々の骨太スパイ映画で充分に堪能させてもらいました。
ちなみに私は、90年代以降も、70年代までも、ピアースもコネリーも大好きです
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007の喩えも、さすが、お詳しい的を射た表現!(敬服)
まさに、宣伝に関しては、おっしゃる通りですよね。
今のだと、デートムービーにしちゃう可愛そうなカップルも居たでしょうし、
だから、ブーイングも起こるような気もしますね。
でも、本当は、おっしゃる通り、
「90年代以降も、70年代までも、ピアースもコネリーも大好き」
って言う感じで、見るにあたっての「幅」があった方が、
色々な作品、楽しめますね!
無茶言う上司、短い納期、少ない休日、安い賃金
加えて命の危険と疑心暗鬼
やな職業だなあ
結構サラリーマンにも通じる部分で、自分に置き換えて見ていました。
Everytime モニカは美しいのです。
ま、でも、「いま、会いにゆきます」フランスリメイクなんかがもしあってたとしても、100%主役になれないような、汚れまくった感じがそもそもの魅力だから
「ヘドが出る」系の台詞はハマルんですよね。
うんなるほど、僕はあのリーダー格「基本的にはマシーンのような奴」と思ってみてたけど、確かに「ある種の父性」みたく考えてみることもできますな。
なんにせよスパイファン(なんだそりゃ)でよかったと思える映画でした。
「裏切られたという人間感情からだろう」
あのセリフは客観的な分析によるものではなく、部下に近い感情を持った中間管理職ギリギリのセリフだと私は思いましたね。
やっぱり一番好きなセリフはモニカ様の「ヘドが出る」
このセリフを吐いた瞬間のお顔が一番美しかったですって!