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カーリング女子 北京ドラマティック編

2022-02-21 09:36:10 | 映画と関係ない雑談
久しぶりにオリンピックのカーリング女子の試合の観戦記をブログに書いてみようと思った。それくらい、今回のカーリングは劇的で面白かった。
2006年のトリノオリンピックでカーリングの試合に熱中して以来、オリンピックの女子の試合は放送されたものは全部見てきた。
トリノとバンクーバーはブログにまとめて今読み返しても面白いのだけど、ソチと平昌はTwitterに書いただけでまとめなかったのが、いまとなっては悔やまれる。やっぱTwitterや、Facebookは勢いで書けるけどアーカイブ性がない。

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カーリング!!!! - 自主映画制作工房Stud!o Yunfat 改め ALIQOUI film 映評のページ

チーム青森!!!小野寺歩さん、林弓枝さん、本橋麻里(まりりん)さん、目黒萌絵さん、寺田桜子さんありがとう。この9試合。すごく面白かった。カー...

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カーリング チーム青森 バンクーバー苦闘篇 - 自主映画制作工房Stud!o Yunfat 改め ALIQOUI film 映評のページ

トリノでのチーム青森の激闘の記録はこちらバンクーバーが終わってだいぶたつが、つい先日やっとビデオ録画しておいたカーリング女子決勝カナダvsス...

カーリング チーム青森 バンクーバー苦闘篇 - 自主映画制作工房Stud!o Yunfat 改め ALIQOUI film 映評のページ

 


それで今回は、決勝戦から日も浅い、まだ熱い気持ちの内に書いてみようと思います。

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思い返して2010年のバンクーバー大会

目黒萌絵さんがスキップ、本橋麻里さん(マリリン)、石崎琴美さんらのチーム青森が出場

イギリス代表のスキップは当時19歳のイブ・ミュアヘッド

ぐお! かわいい! イブたんとかミュアたんとか呼ばれてカーリング好き男子で恋に落ちる者続出!
そんなミュアたんvsチーム青森は、スーパーショットの打ち合いの末最終エンドで目黒萌絵さんが5点を決めて勝ち、名勝負として記憶に残っています。

そのイブミュアヘッドと平昌では3位決定戦を戦い、今また決勝で、31才のイブ・ミュアヘッドと激闘しました。
本橋麻里さんの作ったロコソラーレで、リザーブに石崎琴美さんを迎えて、ついでにテレビの解説は萌絵さんで…大河ドラマ的な感動を覚えます。

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それにつけても、ロコ・ソラーレの戦い方の劇的なこと!
彼女らの魅力は、メダリストの貫禄のなさ といいますか、安心してついてきなさい!って感じが全くなくて、負けるときはボロ負け、勝つ時はギリギリ、薄氷を踏むようにわずかなチャンスをかろうじてわたって、決勝トーナメント出場もギリギリ。大差付けても必ず追いつかれて、最後までハラハラさせる試合ばかり。よく喋りよく食べすぐ泣く。応援せずにはいられない!! そんなところに詰まっていました。1試合1試合もドラマチック、トーナメント全体を観てもドラマチックで、本当に楽しませていただきました。
ありがとう。そしておめでとう。

石崎琴美さん(レジェンド越え)


吉田夕梨花さん(100%リード)


鈴木夕湖さん(斜め見)


吉田知那美さん(どや顔)


藤沢五月さん(心配そう)


立派な立派な銀メダル。あるいは金に届かなくて悔し泣きで終わるのも彼女ららしい気もするし、新たな目標ができたともいえるし、4年後みんなでうれし泣きしよう!!

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で、とりあえず試合を振り返ります
そだね~ は意図的に?おさえて、ないっす~ が印象深いロコ・ソラーレの2022北京オリンピックの劇的な戦いの鑑賞記です。

【予選第1試合 VSスウェーデン】
予選第一試合で前回金メダルのスウェーデンとは。第一話でラスボス登場というか「ガンダム大地に立つ」でジオング登場ぐらいの感じ。トリノのころから圧倒的な実力差を見せつけまくってきたようなスウェーデンチーム。平昌と同じメンバーで挑むところもロコ・ソラーレと同じ

スウェーデンのスキップ、アンナ・ハッセルボリさん

前半こそいい試合だったものの、後半はミスショットが目立った。6エンドの3点スチールなんかは、傍目にはイージーなショットをミスしたように見え、こういうこと言うとなんですが、実力差で負けたというよりかは、自滅してしまったような印象(決してそうではないのはわかってますが)

しかし、ある意味、この試合は今大会のロコ・ソラーレをある意味象徴するような試合だった気もします。負けるときはあっさりと…変にもろい


【予選第2試合 VSカナダ】

第二試合も強豪との闘い。カナダはバンクーバーで金メダルをとったレジェンドスキップのジェニファー・ジョーンズ姐さん率いるチームで、前回平昌でメダルを取れなかったためかなりメダルの期待がかかっていた。

そのカナダ相手にロコ・ソラーレは、序盤のリードをなんとか守り、カナダの粘り強い攻撃に耐えに耐えてどうにか勝った。

逆転や同点にされそうなピンチは何度もありながら、かろうじて防いだハラハラドキドキな試合展開。これもまた「勝つ時はギリギリ」という今大会のロコソラーレのもう一つの側面を象徴する試合だった。

この試合でカナダに勝ったことが、後に非常に重要な意味を持つことになるとは、この時ロコソラーレのみんなも日本のみんなも知る由もない
後の話だが、カナダは僅差で決勝進出を逃し、ジェニファー姐さんもものすごく悔しかったに違いないだろうに、彼女は五月さんと知那美さんを抱きしめて決勝進出を祝福してくれた。なんて人格者なんだろう!


【予選第3試合 VSデンマーク】
予選リーグ後半のヤバい敵ぞろいのカードを見ると、ここはどうしても勝っておきたい試合だった。
しかししかし、デンマークのマドレーヌ・デュポンさんという高級洋菓子のようなお名前のスキップがこの日は冴えに冴えて、ロコソラーレは必死に食い下がるもののどうしても与えたリードに追いつけない展開。ついに2点差のまま迎えた最終エンド。後攻とはいえこの日のデュポンさんの調子を見ると勝てる気がまったくしなかったし、じっさいロコソラーレも攻めあぐねて、2点の目が見えないまま、お互いのスキップの最後の1投を残すのみとなった。
デュポンさんの最後の一投は決してミスショットではなかった。ほぼ狙い通りだった。しかし最終的なストーンの位置がわずかに想定とずれて、そこにダブルテイクで3点の目が生まれた。
残り時間30秒くらいだったと思う。五月さんはためらうことなく、3点を取りに行き…
…そして完璧にヒット!
耐えに耐え続けて最後に生まれたわずかなチャンスで大逆転!!
カーリングってなんて面白いんだ!!カーリングってなんて先が読めないんだ!!
そんなことを思って大興奮の試合でした。

それにしても簡単に勝たないロコソラーレ
この試合のおかげて、「もう勝負あったな・・・」と観戦をやめることができなくなったとも言えます。


【予選第4試合 VS ROC】
ロシアか、弱そうだな、楽勝っしょ!と思ったら世界ランクは4位(日本は7位)だって。あららバカにして申し訳ありませんでした。
この試合最終的なスコアを見ると圧勝したようにも見えるけど、試合展開はそんなに楽なものではなかった

6エンド終わったところで3点ビハインド。7エンドがビッグエンドになって追いついたもの、8エンドはROCが後攻。
ほらこれ、後のアメリカ戦でのロコソラーレの逃げ切りパターンだ。8エンドから不利な状況だったのだけど、相手のミスもあり連続スチールに成功しなんとかギリギリで勝ちをもぎ取った試合でした。
ちなみにロシアのセカンドの選手、ガリーナ・アルセンキナさん「ロシアのメガネ先輩」とネットが少しざわついた。


ロシアのサード、ユリア・ポルトゥノワさんはなんかオールバックでアサシンって感じ。

試合中に指令が走りそう。「ユリア、試合中すまないがターゲットが動いた。すぐに処理しろ」「せめてハーフタイムまで待てないの」「無理だ」「しょうがないわね、ガリーナ、タイムアウトの1分間だけ警報措置切ってくれない」
みたいなやりとりを妄想


【予選第5試合 VS 中国】

今大会で唯一、わりと安心して見れた試合。ずっとロコ・ソラーレのペースで試合を進めることができたし、五月さんもナイスショット決めまくった。やっぱり心のゆとりのありなしで成功率って変わるんですね。
しかしこの5戦目でわりと楽勝ムード味合わせてからのこの後の展開を思うと、連続ドラマ的な構成みたいなリーグ戦展開です。
中国は日本戦こそいいところなく終わったけれども、予選リーグ全体では4勝5敗でそこまで悪くなく、しかもスウェーデン、カナダ、英国、韓国と上位チームから白星をあげている。つくづくこの試合落とさないでよかったと思うし、中国が英韓カナダに勝ってくれたおかげで決勝に進めたともいえますね。


【予選第6試合 VS 韓国】
第1戦こそ落としたものの、そのあとは4連勝を決めて、だんだん調子が上がってきたようにおもうロコ・ソラーレ。笑顔も増えて「ないっす~」も心なしか明るめに響き、この調子であと2勝して予選突破してほしかったのだが…
そうは問屋がおろさない、いやメガネ先輩がゆるさない。
平昌の準決勝の時を思い出すように、またしてもメガネ先輩ことキム・ウンジョンさんがロコ・ソラーレの前に立ちはだかるのであった。

この日、五月さんはここ4戦が嘘みたいに、全く冴えない。
第1エンド、ブランクエンドにしようと両チームヒットステイの繰り返しで最後に五月さん。
すかっとスルーして、韓国は労せずしてスチール成功してしまった。え!?ちょっと大丈夫?とめちゃくちゃ不安な立ち上がり。その後もなんだか全然うまくいかない。
一方で韓国チーム、日本戦は気合が入るのかもしれないが、4人ともキレっキレにキレのいいショットをビシバシ決めまくり、ダブルテイクとか当たり前な感じ
特にメガネ先輩、テイクアウト成功率100%、ドローも85%と絶好調。(五月さんはTO:72%、D:69%)
試合中も知那美さんだったか「相手なんでもきめるから」とか言ってたし(言ったのは夕湖さんらしい)、何仕掛けても全部打ち破られるような重苦しさを感じた。
そんな中でも吉田夕梨花さんだけはテイクアウト成功率94%、ドロー96%。全試合通して驚異の成功率を誇っていて、いつも最初の2投はすごく安心できた。



【予選第7試合 VS イギリス】
だれか作家でもいたのかと思うくらいの後半戦の試合組み合わせ。
平昌の準決勝、3位決定戦と同じ流れで、イブ・ミュアヘッド率いるチームGBとの戦いとなる。
イブさんは、平昌のラストストーンのことでは英国メディアから叩かれたらしいし、本人的にもけっこうトラウマだったかもしれない。
そんな因縁の相手との闘いでイブさんが燃えないはずがない。

私は、始まる前からこの試合は荒れる・・・とつぶやいたが、その通りに、というよりもう少し乱打戦を期待したのだけど、韓国戦で落ちた調子が戻らず、イブさんに一方的にやられたような展開になってしまった。
4連勝で勢いに乗ってからの2連敗で、4勝3敗となり、あと2試合。しかも最終戦は予選1位通過の勢いのスイス。予選突破に暗雲が立ち込めてくる。
いったいどうなってしまうんだ?ロコ・ソラーレ?!このままずるずると負けてしまうのか!! 次回に続く!! みたいな感じでハラハラドキドキな後半戦でした。
ただこの、このままじゃ負けてしまうかもしれない・・・と不安にさせることが、ある意味ロコ・ソラーレの魅力なんである。


【予選第8試合 VS アメリカ】
気持ちを切り替えてアメリカ戦。
おおおお 久々にいい試合展開。
第2エンド渾身の3点奪取。その4点リードを守りながら後半戦突入。いいぞいいぞ・・・
しかし我らがロコ・ソラーレ、そんな簡単に勝ってくれない。
第7エンドアメリカに大量4点を取られ同点に追いつかれる。
ま・・・またハラハラさせるぜ。
けれど残り3エンドで、8エンド後攻で同点というのはそこまで悪い状況ではなかった。ロシア戦で逆の状況があったとはいえ。
しかしこの日の4人はよかった。しっかりとつないで最後に五月さんに楽なラインを残す。五月さんも追いつかれた後もきっちりと決めて、9エンドはスチールまでする。
第10エンド、1個ずつアメリカの手玉を減らしていって、見事勝利。
なんだかこの日の4人は頼もしかったぞ。とはいえ、ちゃんとピンチで見せ場をつくるとか、映画みたいだねえ




【予選第9試合 VS スイス】
…の前に、この時点での予選リーグの勝敗表を

スイス、スウェーデンの決勝進出は決まっていた。
のこり2枠が熾烈な状態だった
この時、もし日本がスイスに勝てば6勝3敗で文句なく決勝進出だったが…
もし仮に日本が負けた場合が複雑だった
4勝4敗のチームが3つ、カナダ、イギリス、韓国
これらのチームはもう直接対決は終わっており、イギリスはロシア戦、カナダはデンマーク戦、韓国はスウェーデン戦を残すのみ

ケース1
仮にこの3チームが全部勝つと、日韓英加が5勝4敗で並ぶ。
そうすると順位決めはまず、勝率同じチーム間の直接対決結果で決まるのだという
そうすると、英韓に負けている日本は敗退が決まる。ちなみに英国も敗退が決まる。

ケース2
カナダだけ負けた場合→日本は敗退し、英韓が決勝進出

ケース3
英国だけ負ける→日韓加が直接対決勝敗数が同じなので、毎試合の最初にやっている先攻後攻を決めるストーンの投げ合い、LSD(ラストストーンドロー)の成績で決まるのだという。なんとなくだけど日本は先攻スタートが多かった気がするので分が悪いだろうな・・・と思った

ケース4
韓国だけが負ける→ケース3と同じく、3ヶ国のLSD成績で決まる

ケース5
英韓加のうち2ヶ国が負ける→日本は決勝進出。英韓加のうち勝った国も決勝進出

ケース6
日英韓加が全部負けると、日本は決勝進出だが、4勝5敗でアメリカ中国も加えた5ヶ国が4位を争うことになり、もしかすると英国、韓国、カナダに勝ってた中国が決勝に進んだかもしれない。

・・・・まあ、ともかくそんな状況で予選リーグ最終日を迎える。
もちろんここはスイスを破ってロコソラーレには気持ちよく決勝に進んでほしかったのであるが…

しかし相手は勝てば予選1位なスイス。そんなチームにそう簡単に勝てるようなら、北京のカーリングはこんなに盛り上がらなかったかもしれない。
米国戦で取り戻したかに見えた調子が、この日はまたくるってしまい、途中、後攻でブランク狙いで最後まさかのスルーでてへぺろな感じの、韓国戦のデジャブみたいな光景もあり、いいところなく点差も詰められないままじりじりエンドを重ね、9エンドでとどめの様に3点を奪われて敗れた。

本当にこの子たちは、「惜しくも負けた」試合がない(実際にはあの一投が決まっていたら流れが変わっていたはず・・・なところは、スウェーデン戦にも韓国戦にも英国戦にもあったのだけど)

ロコ・ソラーレのみんなも敗退を確信したというか、もう敗退決定と勘違いして、日本のメディアのインタビューを受けていて、ふがいなさを恥じるような悔し泣きのコメントを話していたのだが

そのころ、他のリンクでは、英国とカナダが勝ち、両チームは韓国VSスウェーデン戦を固唾をのんで見守っていた。
韓国が勝てばカナダと韓国が勝ち抜け、イギリスは敗退。スウェーデンが勝てば日英カナダのLSD判定。
そして韓国はスウェーデン相手に善戦するも敗れた。
つまり先に書いたケース4の状態となり、自分もこの時はLSDの成績まで把握していなかったのだけど、なんと僅差で日本がカナダを上回り決勝進出を決めたのだ。

ボロ泣きしながらインタビューを受けていた五月さんたちに、メディアの人から「今、情報が入りまして、日本の決勝進出決まったそうです」と言われ、4人きょとんとする。そこにJ.D.リンドコーチもやってきて決勝に進んだと伝え
ロコ・ソラーレの4人は抱き合いながら、あまりのことに腰を抜かすように座り込んで、悔し泣きは一瞬でうれし泣きに変わる。

わずか1投で4点ピンチが3点チャンスに変わるカーリングのような劇的な展開でした

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そして再び、ロコ・ソラーレ、決勝トーナメントの舞台に立つ


【準決勝 VS スイス】
1日開けて、準決勝の相手は、またまたスイス
予選ではいいところなく負けてしまい、正直スイス相手に勝てるイメージがわかなかったが
五月さんは言っていた、「決勝トーナメントでも試合でやることは変わらないので…」
五月さん、この日はキレッキレの冴えッ冴え
こないだの敗戦が嘘のように、ナイスショットを決めまくる
第5エンド、スイス相手に4点もぎ取り、第7エンドに3点取られて1点差に詰め寄られるも、ここまでロコソラーレを応援していた我々にはなんというか想定内の事態。
吉田知那美さんも、会見で私たちの強みは失敗を沢山したことです、4点取られることも3点取られることも経験済みです…みたいなことを言っていたし、私も、うん、大丈夫、今日のみんななら大丈夫!!と、なんかよくわからないが、自信を感じた。
冴えわたっていた五月さんの、中でもゾーンに入っていたようなすごさを感じたのが第9エンド。
スコアで観ると1点取られた回だけど、この日スイスにとって最大のチャンスかつ日本最大のピンチ。最悪4点取られる状況を作られながらも五月さんの2投連続ダブルテイクアウトで最小1失点に抑えたのだ!!

そして第10エンド、今大会通じて驚異の安定感を誇っていた吉田夕梨花さんはウィックショットを完璧に決めて、この時点でスイスはだいぶ不利に。この日の夕梨花さんショット成功率99%でこの人も冴えまくっていた。
夕湖さんも知那美さんもことごとく成功させて、スキップにストーンが回ってくる頃にはセンターがら空き。ドローを邪魔するものはほぼ無く、やや微妙に予定より滑った感はあるけどきっちりナンバーワンを取る。
この瞬間、決勝進出が決まり、銀メダル以上が確定する。
予選敗退か?とヒヤヒヤさせた2日前からの劇的な決勝進出となった!!


【決勝戦 VS イギリス】
…の前に、ロコ・ソラーレが素晴らしい試合でスイスを破ったそのころ、イギリスはスウェーデンとの乱打戦を繰り広げていた。
この時、テレビでスイス戦をみながら、インターネットで英国スウェーデン戦を鑑賞していたが、こっちはこっちで目が離せない大変な試合になっていた

2エンドが終わった時点で4対3とは、いったいどんな試合だ。
でも何かこれがイブ・ミュアヘッドの戦い方な気がする。リスクより点を取るような荒れ試合に敵を巻き込むような戦い。バンクーバーでの日本戦も、平昌の3位決定戦の最終エンドも、安全策より勝負に出る人だった。
そして今、イギリスVSスウェーデン戦は後半に入るとさらに激しさを増してきた
第8エンド、第9エンド、なんでこんなに石が溜まるのだろう。

それでもイブは第9ラウンドで大量4点を取り勝負を決めたか・・・と思わせて、そこは前回金メダルのスウェーデンも強い。10エンドで3点取返して追いつく。そしてエクストラエンド、有利な後攻でコントロールした英国が試合を制した。12対11。これがイブ・ミュアヘッドだ・・・と思った


それにしても5勝4敗で、自力進出できなかった日英が予選1位2位を破って決勝に進むとは。カーリングは何があるかわからないし、だから面白い。
イブミュアヘッドにとっても特別な大会だったろう。
平昌の準決勝で負けたスウェーデンしかも平昌と同じチームのスウェーデンを破り、今また平昌の3位決定戦とおなじチームの日本と今度は決勝で戦う

ともかく、ロコ・ソラーレは決勝の舞台に立つ
そして…


いや、もうここまで来た彼女らを責めはしない
何か、準決勝のスイス戦で全部出し尽くしたかのようだった。2点取れるところで1点しかとれなかったり、相手に1点与えたり、そんな試合展開が続いた。
中国戦、アメリカ戦、準決勝のスイス戦で見せたような素晴らしいショットは観れず、むしろ負け試合で何度もみたようなちょっとしたズレで、点差はじわじわと開いていった
五月さんは第5エンド、流れを変えるような起死回生の3点チャレンジに挑む。


ああ、これが決まっていたら。3点とは言わないまでもせめて2点、いやせめて1点取れていたら、だいぶ流れは変わったのではないか。
しかし、カーリングとはいつもそうだが、数センチの差で、相手に1点を与えてしまった


そして第7エンド。
スキップ対決となり先攻の五月さんの一投目の時点で、3~4点の目もあるような状況だったが、そこはイブさん見事に決めて日本のストーンを2つはじき出す。しかし1個出し切れずナンバー2で残った。
ここで五月さん、ダブルテイクアウトを決めれば相手に1点取らせるか、なんならミスを誘ってスチールという状況になりえた。


…が、しかし五月さんの最後の一投は、ダブルテイクを決められず、黄色のイギリスストーンだけ残して外に出てしまう。

こちらのストーンはノーガードでさらけ出された形となり、イブ・ミュアヘッドがそれを外すはずはなく、イギリスは4点をもぎ取った。
8対2
ほぼ勝負は決まった。しかしロコソラーレはあきらめなかった。4点取ったり取られたりはこの大会で何度もあった。最後まであきらめなければチャンスができる。
しかし、イブ・ミュアヘッドにもう隙はなかった。

8エンド、1点を取らされ(ここもせめて2点取れていれば)
9エンド、イギリスは2点を取り、もう勝負あった。
コンシード。
ロコソラーレのみんなはイギリスチームの勝利を称えて抱擁を交わした。ちっちゃな夕湖さんをかがんで抱きしめるイブさんの姿がなんかほほえましかった。



準決勝に行けただけでもすごかった。
まして決勝に行き、銀メダルだった。
でも、そこまできたら目の前に頂点が見えていたのに。ロコ・ソラーレのみんなはこの快挙にもかかわらず、悔し涙を流した。テレビで見ていた日本中のみんなもきっと悔しがった。
でも、ロコ・ソラーレが、いま持てるすべての力を出し尽くしての結果だった。
準決勝に進んだのも、強敵に勝てたのも、若干のラッキーはあったかもしれない? いや、ちがう。ラッキーじゃない。LSDの成績が良かったのは紛れもない実力だし5勝4敗という成績もまぐれでできるものじゃない。

とにかく、素晴らしい試合を、劇的な11試合をありがとうロコ・ソラーレ
銀メダルおめでとう
お疲れ様。少し休んで、また4年後に向けた戦いが始まる。
リンドコーチも小野寺コーチも、まりりんも、テレビ解説の萌絵さんも
代表争いをした日本の国内リーグのみなさんも、日本カーリング協会のみなさんも

そして世界のライバルたち
バンクーバー以来、悲願の金メダルをつかんだイブ・ミュアヘッドさん。本当におめでとう。あなたのそのファイトスタイルは本当に素晴らしいしかっこいい。
全力で予選リーグを戦い4年前と同じように日本を準決勝に導いてくれたスウェーデンチームとスキップのハッセルボリさん(3位決定戦も鑑賞しました。見事な銅メダルおめでとうございます)
予選1位で勝ち上がりながらも4位に甘んじることとなってしまったけれどもやっぱり最強チームだったスイスのみなさん。
予選最終戦でスウェーデンと最後まで戦い、ドラマを盛り上げた闘志あふれる韓国のキム・ウンジョンさん、カナダのジェニファー姐さんも、デンマーク、アメリカ、中国、ROCのみなさんも

みんなみんな、素晴らしかった。
この最高の11試合をありがとう。



ああ、オリンピック終わって、というより全力応援したカーリングが終わって、燃え尽き感
ないっす~ロス

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追記
勝手に名言チョイス
知那美さん「はじめましてのライン」
夕湖さん「ちょっきり」


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おまけ
"I am a good curler"
"I have Confidence!"

五月さんの右手のメッセージにも注目集まる大会でした


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